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こんにちは、翼祈(たすき)です。
ベーチェット病は、身体の中の免疫バランスの異常によって発症する全身性の炎症性疾患です。
ベーチェット病では、患者さんごとに色んな症状が色んなかけ合わせで出現します。ベーチェット病で認められる症状の中で、口内炎、眼症状、皮膚症状、外陰部潰瘍は厚生労働省の診断基準によって主症状と言われています。
それ以外に副症状として、関節炎、消化器病変、血管病変、中枢神経病変、精巣上体炎(副睾丸炎)があります。ベーチェット病は、それぞれの症状が出現したり、落ち着いたりすることを長い期間に渡って繰り返すのが特徴です。
ベーチェット病は1937年にトルコ・イスタンブール大学の皮膚科教授だったフルス・ベーチェット(Hulsi Behçet)によって初めて報告され、この名が命名されました。
ベーチェット病の歴史は古く、紀元前5世紀には古代ギリシャの書物にベーチェット病らしき病気の記載があったなど、古くから知られていました。
日本では、厚生省(当時)による難病対策がスタートした1972年当初から医療費助成対象疾病で、国の指定難病に定義されています。日本での患者さんの住まいは東北、北海道に多く、北高南低の傾向を表します。
ベーチェット病は、世界中で、日本を始め、地中海沿岸諸国・中近東から中国、韓国という北緯30度から45度付近のシルクロード沿いの地域で多く認められます。
このため「シルクロード病」と言われる時も。
今回は、ベーチェット病を発症した芸能人の人のこと、症状や原因、診断基準など、多角的に紹介したいと思います。
2024年10月、
2024年10月25日、アイドルグループ・アンジュルムのメンバー・平山遊季さんが、国の指定難病の「ベーチェット病」の診断を受けたことを報告しました。またアップフロントプロモーションの「ハロー!プロジェクト」公式サイトでもアナウンスされました。
平山さんは自身のブログでベーチェット病を報告しました。
「私、平山遊季は病院での診察の結果、ベーチェット病との診断を受けました。今後については、治療をしつつ活動を継続します。体調によって急な予定変更の可能性もあるため、ご理解お願い致します」と呼びかけました。
「体調不良がハッキリと続いていたので、ファンの皆さん始め、ご心配おかけしましたが、今回病気が分かり、治療ができる様になったので、以前より分からないという不安が取り除けて、気持ちを落ち着けて活動再開ができる様になりました」
とコメントを綴りました。
その上で、「症状に波があるので、活動に制限が必要になることもあるかもしれませんが、これからも精一杯頑張ります!」とし、「このベーチェット病の診断を受け制限をしつつにはなりますが、アンジュルムとして今後も活動を継続したいという強い想いと、まだまだやりたいことをしっかりやり遂げたいと思う気持ちがあるので、アンジュルムの活動を諦めるという選択は私の中にはなかったです」と述べました。
「今後、この病気と向き合いつつ、付き合って、活動をする!今を精一杯楽しみ、頑張ります!」との言葉で〆て、「これからも暖かい応援、宜しくお願い致します!」と発信しました。
参考:アンジュルム・平山遊季、難病「ベーチェット病」告白 今後の活動を説明「諦めるという選択は私の中にはなかったです」 ORICON NEWS(2024年)
なお公式サイトでも、「アンジュルム 平山遊季に関するお知らせ」とのタイトルの文章をアップされ、
「いつもアンジュルムを応援頂き、ありがとうございます。メンバーの平山遊季に関してですが、倦怠感、発熱などの症状が継続していたので、医師の診療を仰ぎましたが、その件で『ベーチェット病』との診断を受けました」
とし、
「経過を見ながら主治医と相談の上、無理のない範囲で活動は継続して参りますが、急な体調不良で予定変更の恐れもあることを、ご理解下けます様に、何卒お願い申し上げます」
と綴り、
「ファンの皆様始め関係各位にはご迷惑、ご心配をおかけ致しますこと心よりお詫び致します。これからも、応援のほど宜しくお願い致します」
とアナウンスされました。
ここからは、ベーチェット病の基礎知識をお知らせします。
▽症状の特徴
画像引用・参考:ベーチェット病の症状と治療 ベーチェットパートナーズ
ベーチェット病は、それだけでベーチェット病と判断できる検査がなく、多くが症状から確定診断します。
厚生労働省特定疾患ベーチェット病調査研究班の診断基準(2003年)では、経過中に4つの主症状全てが認められた場合を「完全型ベーチェット病」、主症状が3つ、または主症状が2つと副症状が2つ、または眼症状と主症状1つあるいは副症状2つが認められた場合を「不全型ベーチェット病」としています。
ベーチェット病には、症状が出現している時期(活動期)と、落ち着いている時期(非活動期)があります。
その期間や症状のかけ合わせ・程度は患者さんによって違いますが、活動期と非活動期が繰り返され、長い間継続しますので、症状が落ち着いている時期でも定期的に受診する様にして下さい。
▽症状
画像引用・参考:ベーチェット病とは ベーチェット病navi
ベーチェット病では4つの主症状に加え、副症状が発症することがありますが、出現する症状の内容や程度には個人差があって、4つの主症状が全て発症する「完全型」の割合は30%程度と近年は減少傾向にあります。また、これらの多彩な症状は発症したり、落ち着いたりを長期間繰り返す、大きな特徴を持ちます。
◉口内炎
ベーチェット病のおよそ98%の方に現れ、最初に多くの人が発症する症状が、「口腔内再発性アフタ性潰瘍」です。初期症状として認められる時が多いです。口唇、舌、頬粘膜、口蓋粘膜、歯肉に、円形で境界がハッキリとした潰瘍が出現します。
この症状は「口内炎」で、鮮明な境界を持ち、表面が黄色や白い膜で覆われ、周りは赤くなりますが、ベーチェット病では痛みが強く、再発や同時多発を繰り返しできやすい特徴もあります。一般的に10日程度で自然治癒します。
◉眼症状
画像引用・参考:ベーチェット病 社会福祉法人 恩賜財団 済生会(2021年)
ベーチェット病の特徴的な症状の1つとして、「ぶどう膜炎」が両目に発症します。水晶体より前の部分に該当する前眼部の病変では、虹彩毛様体炎(毛様体や虹彩が炎症で腫れたり充血したりする病気)が引き起こり、瞳孔不整、充血、眼の痛み、羞明(しゅうめい=強い光で不快感や眼の痛みなどを生じること)、見えづらさが認められます。水晶体の裏面から網膜までの後眼部の病変としては網膜脈絡膜炎(脈絡膜と網膜で起きる炎症)という症状も発作的に発症します。
黄斑部に病変が出現すると急速な視力低下に至ります。他のぶどう膜炎で確認できる白色斑より速やかに消失するのが特徴ですが、後眼部病変を繰り返すことは永久的な視野障害や視力障害に至ります。
さらに、発作を繰り返し発症し、障がいが溜まっていくと、失明に至る時があるので注意が必要です。
ベーチェット病のぶどう膜炎は「眼炎症発作」と言われ、急性に発症して比較的速やかに消失するという特徴があり、発作を発症していない時には炎症所見がほとんど認められない時が多いです。
若くして発症した男性や「HLA-B51」陽性者に重症化しやすい傾向があります。なお、炎症の反復することや、ステロイド治療を受けた際の副作用で、二次的に白内障・緑内障を併発する時もあります。
◉皮膚症状
皮膚症状として、顔・首・胸に「ニキビ」に似た発疹「毛のう炎様皮疹(座瘡様皮疹:ざそうようひしん)」、足(足首~膝)や手(前腕)に紫色・赤の膨らんだ発疹で痛みを伴った「結節性紅斑様皮疹(けっせつせいこうはんようひしん)、足の皮膚表面に近い血管に「血栓性静脈炎」などを発症します。
皮膚が過敏になるため、虫刺され跡が大きく腫れあがったり、カミソリ負けを引き起こしたり、採血・注射では針を刺した後に腫れ・赤み・小膿疱が出現したりすることがあります。
◉外陰部潰瘍
男性と比較して、女性に少し多く発症します。見た目はよくある口内炎(アフタ性潰瘍)の様に境界がハッキリしていて、傷が深くえぐれた様な状態(潰瘍)です。女性では膣粘膜・大小陰唇、男性では陰茎・陰嚢・亀頭に出現します。
ですが、口内炎ほど反復しませんが、女性では生理周期により増悪や、深い傷でえぐられた様な瘢痕(はんこん:傷跡)が残ることが認められる時もあります。
▽その他の症状(副症状)
ベーチェット病の副症状として、以下の病気を発症する時があります。また、血管・腸管・神経病変を伴ったものに関しては「特殊型」と呼ばれます。
◉関節炎
肘・肩・足首・膝などの大関節に痛み・腫れが出現します。関節リウマチとは違い、関節炎は非対称で、強直(くっついて動かない状態)・変形は認められず、手指など小関節には発症しません。
◉消化器病変(腸管型ベーチェット病)
腸管に潰瘍ができるケースで、男性に多く発症します。難治性で、潰瘍は深く(下掘れ型)、特に右下腹部の回盲部が多く、横行結腸・上行結腸にも発症し、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患と極めて類似した症状の下痢・血便や下血、腹痛が出現します。
この病変は、小腸、回盲部を中心に類円形または円形の深い打ち抜き潰瘍が発生し、進行すると稀に腸管穿孔(せんこう、腸管に穴が開いて腸管の内容物が腹腔内に漏れて、腹膜炎を発症の病気)・狭窄(きょうさく)・瘻孔(ろうこう)・消化管出血などで、迅速な緊急手術を要するケースもあります。
◉血管病変(血管型ベーチェット病)
大きな血管を侵食し、低頻度ですが、主症状は、その後重症化するか否かを大きく左右する臓器病変だと言えます。
大きな血管に病変が出現し、男性の発症が特に多く認められます。動脈瘤(腕や首の血管にコブができる病気)、深部静脈血栓症(足の真ん中を走る動脈に血のかたまりができて、腫れて痛い病気)、肺血栓塞栓症(息苦しく、胸が痛くなる病気)などを発症します。
◉神経病変(神経ベーチェット病)
男性に多く、神経症状を発症する難治性の一種です。主に手足の麻痺・頭痛・感覚異常などが出現し、ベーチェット病を発症した後から神経症状が出現するまで平均6.5年です。脳幹脳炎・髄膜炎などの「急性型」と小脳・片麻痺症状などの神経症状に加え、急性型の発作した数年後に精神症状・認知症や、体幹失調・構語障害が出現し、少しずつ進行する「慢性進行型」があります。
ここ数年、喫煙と神経型の関連性に注目を注がれています。
◉副睾丸炎
男性患者さんのおよそ1割弱が発症して、睾丸部の腫れ・圧痛(押すと痛い)を伴います。症状は1ヵ月程度で消失します。
▽その他の症状
難聴、泌尿器・肺の異常 など
▽ぶどう膜炎による眼の合併症
ぶどう膜炎は合併症として、白内障、虹彩後癒着(虹彩と水晶体が引っ付く)、緑内障、網膜の障害などの合併症が高い頻度で発症します。これらの合併症は、重篤な視力障害に至ることがあるので、その早期発見・治療が大事です。
▽原因
免疫の働きが過剰になって自分の身体の組織を攻撃してしまう“膠原病(こうげんびょう)”の1つと想定されていますが、現時点で明確な発症メカニズムは解明されていません。
ベーチェット病の詳細な原因は現在までに明らかになっていませんが、今までの研究成果では、発症しやすい遺伝子(=遺伝的素因)を持っていて、かつ感染症・喫煙・食事・ストレスなどの外的要因(環境因子)が加算して、免疫が過剰に反応することで、全身の炎症を発症させるという意見が有力視される議論です。
また、ベーチェット病発症のリスク因子の1つとして注目されているのが、白血球の血液型とも呼ばれる「ヒト白血球抗原(HLA)」の「HLA-B51」の型です。ベーチェット病でない日本人では「HLA-B51」を持っている方がおよそ15%でありますが、ベーチェット病患者さんではおよそ60%と高比率です。尚且つ、日本人の患者さんでは「HLA-A26」を持った人の比率も多いです。
近年ベーチェット病の全ゲノム遺伝子での解析が推奨され、2010年には発症することに強力な影響を与える遺伝子(疾患感受性遺伝子)が新たに見つかりました。そのほとんどが炎症や免疫反応に関係するもので、ベーチェット病は免疫異常で発症する炎症性疾患の裏が取れました。
▽発症する男女比
ベーチェット病は、以前は男性に多いと想定されていましたが、最近は発症頻度には男女差はなく、発症年齢は男女共に20~40歳に多く、ピークは30歳前後です。
男性では女性よりも眼症状、血管病変、中枢神経病変などが、女性では男性よりも外陰部潰瘍と関節炎が多く発症する場合が報告されています。
症状は、女性よりも男性で重症化しやすいと想定されています。近年、日本では眼症状が減少し、消化器病変が増加傾向です。
また、日本の高齢化社会の進展に伴い、ベーチェット病の患者さんも高齢化しています。
画像引用・参考:ベーチェット病とは ベーチェットパートナーズ
▽診断基準
ベーチェット病には診断のための決定打な検査法がまだないです。確定診断をする上で、参考にする検査項目は以下があります。
ベーチェット病では、この症状が認められればベーチェット病である、この検査でこの結果が認められればベーチェット病であるといった、病気に検査所見や特異的な症状がありません。
そして、繰り返し出現する症状や、症状のかけ合わせを注視して、観察しつつ確定診断まで進めます。
ですが、ベーチェット病で認められる症状は他の病気でも認められる場合があるため、他の病気である可能性を排除しながら確定診断をしていく必要があります。
このように、ベーチェット病は確定診断が困難な病気といえます。ベーチェット病の各症状は一度に発症したりするのではなく、発症したり落ち着いたりを繰り返すことで、一度の診察では確定診断できない時があります。
また、ベーチェット病が疑われる症状の経過を観察していく中で、診断基準の条件を全項目満たした症状を確認し、初めて確定診断される時もあります。
その上で、厚生労働省のベーチェット病の診断基準では、診断する時に参考となる検査が掲げられていますが、それらの検査の結果をベースに必ずベーチェット病であるという診断名を言うことはできません。
◉肌の針反応(採血の痕がよく残る)
18G~22Gの注射針で、肌を軽く刺して、24時間~48時間後の皮膚状態を解析します。赤く膨らみ、膿が溜まる時には陽性と判断できますが、最近は患者さんでも陽性反応を示すケースが減少しつつ、実施しない病院が増えつつあります。
◉遺伝子検査(保険適用外)
ヒト白血球抗原を調べる検査でベーチェット病の患者さんはHLA-26やHLA-B51という特定の遺伝子型を持っている人が多いですが、「HLA-26・HLA-B51陽性=必ず発症」ではなく、発症リスクが高いと想定されています。
◉血液検査
ベーチェット病では身体の中で強い炎症を発症するので、赤血球沈降速度(ESR)や炎症指標のCRP値の上昇が認められます。それ以外にも、免疫グロブリン、白血球数の増多など免疫学的検査値の異常が認められます。
◉画像検査
腸管・血管・神経病変や関節炎など特殊型が疑われる場合に検討されます。超音波検査、胸部単純X線(レントゲン)検査、MRI検査・CT検査(造影検査を含む)、内視鏡検査、PET-CT(腫瘍マーカー)検査、髄液検査を実施することがありますが、PET-CT検査は形態と炎症状態を同じタイミングで評価できますが、現在は保険適用外です。
◉病理組織検査
結節性紅斑で認められる症状は、ベーチェット病以外の病気でも発症するので、鑑別検査として重要です。
それ以外にも、眼症状には眼底造影検査という眼科検査を実施することがあります。
「ヒト白血球抗原(HLA)」という白血球の血液型で「B51」という型を持つ人がベーチェット病の人には多い(およそ60%)と想定されていますが、ベーチェット病でない人でも日本人であればおよそ15%はこの型を持っているため、「HLA-B51陽性=ベーチェット病」というわけではないです。
「針反応」もこのベーチェット病での特徴的な症状です。血液検査などでこのベーチェット病に特徴的なマーカーはまだ存在しません。
▽確定診断
ベーチェット病は、主症状、副症状といった症状のかけ合わせを考えての診断基準で確定診断されます。
厚生労働省の診断基準では、4つの主症状と5つの副症状の中で、それまでの病気の経過の中で発症した症状を確認し、そのかけ合わせが診断基準の条件の全項目を満たしている時には、ベーチェット病だと判明し、確定診断をします。
また、主症状と副症状のかけ合わせで、4つの全部の主症状が認められた場合を「完全型ベーチェット病」、主症状と副症状が2つずつ、あるいは主症状が3つや、眼症状と主症状1つまたは副症状2つが認められた場合を「不全型ベーチェット病」と分類します。
◉特殊病変
(a) 腸管型ベーチェット病
(b) 血管型ベーチェット病
(c) 神経型ベーチェット病
消化器病変、血管病変、中枢神経病変が認められる時にはそれぞれ腸管(型)、血管(型)、神経(型)ベーチェット病に分類され、特殊型ベーチェット病と統括しています。
▽ベーチェット病の重症度
画像・引用:ベーチェット病の診断 ベーチェットパートナーズ
▽治療法
粘膜や皮膚の病変には副腎皮質ステロイドの外用薬を活用して治療しますが、症状の強い場合や発作頻度が多い時は、重篤な臓器病変を合併する場合の治療には炎症を抑制すべく、コルヒチンや副腎皮質ステロイド・メトトレキサート・シクロスポリンなどの免疫抑制薬を使います。
特に眼病変による視力低下や特殊型(血管・腸管・神経)に対しては強力な治療が必要です。難治性網膜ぶどう膜炎に対しては生物学的製剤であるTNFα阻害薬(インフリキシマブ)が保険適応で、良好な治療データが届いています。
▽予後
主症状は発作を繰り返す慢性の経過を辿りますが、10年ほど経過すると少しずつ病勢は落ち着き、その後軽度の口内炎のみになったり、再燃しなくなったりする時が多いです。眼病変がない場合、あるいは特殊病型がない時の予後は良好と想定されています。
その反面、眼病変(特に後部ぶどう膜炎)は、悪化する失明する時もあり、今までの治療では予後が良いとは言えませんでした。ベーチェット病専門医と眼科医の連携で適切な治療を受けることが必要です。
眼病変以外にも、腸管・血管・中枢神経などに炎症を発症する特殊病型は難治性である時が多く、現在色んな生物学的製剤の安全性や有効性や免疫抑制療法が検討中です。
▽特定疾患の申請
ベーチェット病は一定の手続きを行うと医療費の控除を受けられる時があります(特定疾患の申請)。
日本では厚生労働省の診断基準に基づいた重症度分類(ベーチェット病重症度基準)が定義されています。ベーチェット病と診断を受けた患者さんの中で、重症度基準でStageⅡ以上に該当と判断されると、指定難病の医療費助成の対象となります。
参考サイト
ベーチェット病の注意点
「症状が良くなったり(寛解)、悪くなったり(増悪)することを繰り返す」ことがベーチェット病の特徴です。
ベーチェット病の症状は、身体を冷やすと症状が悪化し、寒冷やストレスなど気候の変化によって発症したり悪化したりすることで、「手足など身体を温める」「ストレス・疲れを溜めない様にして生活する」「栄養バランスの取れた食事を摂る」など規則正しい生活を意識しましょう。
また、歯周病や虫歯治療など口腔内の衛生管理も重要です。さらに、喫煙は神経症状の発症に強く関わるという研究成果もあるので、タバコを止めることも推奨されます。
感染症をきっかけとして、発症・悪化が認められます。感染症を引き起こす可能性がある、タトゥー・ピアス・整形手術などは、避けた方が無難でしょう。また、抜歯や手術の必要がある時には、実施時期に関して主治医とよく相談して下さい。野外では虫刺され・怪我・過度な日焼けなどにも注意が必要となります。
ベーチェット病の患者さんは、なかなか安静に過ごせない方もいるかも知れませんが、免疫力低下で、感染症を罹患したりすると、皮膚症状や眼症状が重症化し兼ねないので、十分に注意を払って下さい
なお、症状が落ち着いている時期であっても、治療薬を中断すると症状が悪化する事があります。病院で処方された治療薬は、医師の指示を仰ぎながら、ちゃんと飲み切って下さい。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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