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こんにちは、金次郎です。
今年入社の新入社員さん達も、そろそろ入社1ヶ月。
まだ、新人教育真っ最中の人たちもいるでしょうが、中小企業などは入社即現場配置と言う新人さんもいるでしょう。
過日見たテレビのニュースで、4月なのにもう会社を退職したと言う新人さんのニュースをしていました。
私だけでなく母も「早すぎやろ」としかめっ面。
せっかく入社した会社を何故、1ヶ月も経たないうちに辞めてしまうのでしょう?
入社1ヶ月で辞める新人に、会社も悲鳴
ある会社では8人採用した新入社員の半分にあたる4人が入社1ヶ月で辞めてしまったそうです。
残った4人のうち2人も「辞めたい」と漏らしているそうです。
何で、こんな事態になってしまったのでしょう?
原因は
・社長と採用責任者
・新入社員を受け入れる現場
・新入社員
のそれぞれに「仕事に対する、認識のズレ」があった様です。
この会社は会社説明会で
「当社は『働きがい』のある会社です」とアピールし続けたそうです。
でも、入社したての新人さんは、先ずは仕事に対して『やりがい』を求めます。
『働きがい』と『やりがい』。
似たような言葉ですが、意味は違います。
「やりがい」は、困難な仕事をこなして結果を出し、会社の同僚やお客様から感謝されて、はじめて「今回の仕事は、やったかいがあったな」と思えるものです。
「働きがい」は、例えば先輩社員から
「入社して数年経ったけど、うちの会社は働きがいのある会社だと感じてる?」と質問されて
「はい、入社直後は苦労しっぱなしでしたけど、手助けしてくれる先輩がいますし、社会人として成長できたと思いますから、働きがいのある会社だと思います」
と言う感じで「働きがい」と言うのは、何年か働いた後でないと感じられないものだと思います。
参考:(東洋経済オンライン)たった1カ月で「新入社員」半分退職まさかの原因
入社1ヶ月で辞める人の特徴
では、近年の「入社1ヶ月で辞める」人達は、どんな性格や心持ちな人たちでしょうか?
1・飽きっぽい人
入社したばかりの頃は「電話対応」や「先輩の仕事の補助」など難易度の低い仕事を与えら
れる事が多いです。
飽きっぽい人は、仕事がつまらなく感じてしまい、つい他の会社に目移りしてしまいます。
2・我慢するのが苦手
どんな会社でも、社内の人間関係や給料など、皆さん何がしかの不満を抱えているものです。
仕事をしていれば、理不尽なことや納得できないことにも遭遇するでしょう。
でも、ほとんどの人は「生活の為に働いているから」と、ある程度我慢しながら働いていま
す。
しかし我慢ができない人は、会社の嫌な面だけに目が行ってしまい、すぐに「仕事を辞める」
と言う選択肢を取ってしまいます。
3・人付き合いが苦手
ほとんどの会社は、業務の遂行は単独行動ではなく、仲間の社員同士で協力し合って行う「チ
ームプレー」です。
でも人付き合いが苦手な人ですと、人間関係を構築できず、仲間とのコミュニケーションが取
れず、職場での人付き合いがぎこちなくなってストレスを感じたり居づらくなってしまい、そ
の場から離れるために辞めてしまいます。
4・辞め癖がついてしまった
仕事をしていれば、誰でも一度は「辞めたい」と思う出来事に遭遇するはずです。
そのときは精神的にキツイでしょうけど、あとで考えると「あの経験があったから、自分は成
長できたんだ」と思うはずです。
でも辞め癖がついてしまった人は、ちょっとでもイヤなことに遭遇すると「仕事を変える」と
言う事を直ぐ考えてしまいます。
5・強い上昇志向
上昇志向が強い人は、上司や同僚、会社に対して苛立つことが増えていく傾向に有ります。
「社内のモチベーションが低い」とか「この職場環境では自分は成長できない」と考えてしまい
「いまの会社よりも仲間に恵まれて、自分が成長できる会社を目指そう」と、直ぐに転職する人
もいます。
完璧な人がいない様に、完璧な会社も存在しません。
さまざまな能力や性格の人がいるのが普通なんです。
しかし、上昇志向の強い人は会社や職場にも「完璧」を求めますので、転職してもその職場環境
に満足できなくて、次から次へと転職を繰り返してしまいます。
参考:(JAIC就職カレッジ)仕事をすぐ辞める人の特徴は?【辞めないための対策も紹介】
早期退職のメリットとデメリット
入社1ヶ月で退職なんて出来るのでしょうか?
結論から言いますと、出来ます。
これは、民法に定められています。
・民法 第627条一項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをする
ことができる。
この場合において、雇用は解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了す
る。
ポイントは2つあります。
1・民法の「雇用の期間を定めなかったとき」と言うのは、無期雇用を前提とする正社員の事を指
します。
2・また条文にも書いている様に、退職の申し出をしてから2週間後に正式に退職できると言う事
ですので、退職したいと思っても、最低2週間はかかると認識しておいて下さい。
また、会社によっては就業規則に「退職は1ヶ月前までに申し出ること」など会社によってル
ールを定めているケースも有ります、就業規則は良く読んでおいて下さい。
・1ヶ月で辞める数少ないメリット
1・ストレスを感じ続けずに済む
たった1ヶ月で退職したいと感じてしまったと言う事は、何らかのストレスを感じていた
からかもしれません。
退職する事でその会社との関係が無くなり、ストレスを感じていた原因が無くなります。
2・自分に向いてる仕事を探しやすくなる
入社1ヶ月で退職してしまったと言う事は、自分に合わない会社(選択を間違えた)を選択
してしまったと言う事が分かったと思います。
自分はどのような仕事や会社だとストレスを感じるのか分かったはずです。
つまりは、自分に向いてる仕事を探しやすくなります。
3・年齢次第では第二新卒枠で再就職できる
年齢によっては、第二新卒枠で再就職できる可能性があります。
・1ヶ月で辞めるデメリット
1・就職活動の難易度が大幅に上昇する
入社1ヶ月で退職する最大のデメリットは、転職活動の難易度が凄く上がる事です。
会社は一人採用するに当たってもかなりのお金をかけていますので、できるだけ長く働いて
くれそうな人を採用します。
ですから、前職の在籍期間を見て書類選考や面接を行う企業がかなり多くなっています。
そのような傾向があるので、入社して1ヶ月で退職しているような人物は、会社から
・「採用しても、すぐにまた退職してしまうのではないか」
・「人間性に問題がある人なのではないか」
と感じられてしまい、結果として選考の通過率が大幅に下がる可能性があります。
履歴書の職歴欄には、今までの職歴を全て書くのが基本ですから、一度でも1ヶ月で退職
してしまうと、今後の面接試験において応募した会社から、疑いの目で見られながら試験
を受ける事になるでしょう。
2・失業保険が貰えない
失業保険は自己都合退職の場合、少なくとも12ヶ月以上働いている必要があります。
入社1ヶ月で自己都合退職をすると、失業保険がもらえませんから、再就職までの間の
生活費の心配をしなくてはなりません。
3・辞め癖がついてしまう
ストレスを感じて入社1ヶ月で退職する事は精神衛生上は良い事ですが、辞め癖がついて
しまう可能性もあります。
辞め癖が一度ついてしまうと短期離職を繰り返す事になり、やがてはまともな就職先にも
就けなくなるでしょう。
今後の自分の人生を考えた上で、本当にその会社を退職するのがいいのか?
良く考えた上で決断して下さい。
参考:(JAIC就職カレッジ)入社1ヶ月で退職するのはOK?メリット・デメリットや注意点解説
逆に、その仕事をすぐに辞めるべきケース
一度入社した会社は、長く勤務する事によって、その人の社会的な信用度が増しますが、逆にこの様な仕事はすぐに辞めた方が良いと言うケースです。
1・精神的・体力的に限界
いわゆる「ブラック企業」と呼ばれる会社では、過酷な労働環境で働く事が多いです。
業種や職種によっては、深夜勤務や変則勤務が有る仕事もあります。
また、長時間の残業や休日出勤が常態化している会社も有ります。
これら、変則的な勤務時間や長時間労働で体調に変化が出て来て、精神的にもキツイと感じて
来て「私が、この仕事を続けて行くのは、そろそろ限界かもしれない」と感じる様になったら
無理にその仕事を続ける事に固執しなくても良いです。
身体や心の健康面を考えてその環境から離れる為に、転職するのも選択肢のひとつです。
2・明らかな薄給
薄給の明確な定義は有りませんが、おおむね年収300万円以下を指します。
正社員としてフルタイムで働いているのに月給換算で25万円以下、更にボーナスや昇給も無い
(有っても少ない)という会社は、薄給といえます。
収入が増える見込みもないとなると、仕事へのモチベーションが上がらないだけでなく、将来
の人生設計も描けません。
3・社内で理不尽なハラスメントを受けている
上司や先輩などから、社内で以下の様なハラスメント(嫌がらせ)を受けており、それが解消
される見込みが無いない場合です。
・人格を否定するなど、仕事とは関係のない部分で非難を受ける
・よくわからない理由で、ひんぱんに怒られる
・一人では絶対に終わらない量の仕事をさせる(もしくは一切仕事を与えない)
・明らかな、無視や嫌がらせが続いている
・思い当たる原因が無いのに、不当に自分だけ評価が低い
終わりに
私も新卒で入社した会社で、病気休職後の復職時に行われた総務部による面談で、私は会社を辞めるのでは無く、新設された教育課への配置転換を希望しました。
その後は、新入社員教育や中堅社員教育などのカリキュラム作成や運営に携わりました。
私が居た会社では、入社後は3ヶ月かけて業務に必要な知識やビジネスマナーを教え、その終りごろに「どの課のどんな仕事をしたいか?」の配属希望面談を行ってから配属部署を決めていました。
それでも、希望の部署に配属され仕事を始めたのに1年経たずに「会社を辞めたい」と言う新人さんは居ました。
色々と話を聞き、退職を思いとどませる事も出来ましたが、辞めたい意思が強い人も居ましたから、無理強いはしませんでした。
その時は「次に入社したい会社が見つかったら、その会社の業務内容をしっかり見極めてから応募してね」とアドバイスしました。
その後、私は病気の為に退職して福岡に帰って来ましたが、これら教育課での経験を活かして
先ずは
・自分がどんな仕事に向いていて、どの様な会社を受ければ良いか?
と悩んでいる若者の就職支援の施設で勤務しました。
参考:(福岡県雇用対策協会)福岡県若者就職支援センター
その後は、対象を全年齢に広げて就職相談の仕事をしました。
参考:(厚生労働省 福岡労働局)ハローワーク久留米
どちらも、5年契約の契約職員でしたが、仕事に悩んでいる人たちの手助けが出来て、とても有意義な10年でした。
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記事を読ませてもらいました。毎年入社式の日に退職したというニュースをみます。仕事内容と自分がやりたい仕事と説明会で言われたことに違うと思えば、他を探して自分らしく働きがいを求めてしまうのでしょう。考えてみれば、人との会話するよりメールやラインでのやりとりが影響をうけている可能性もあるのではないでしょうか?これからも記事を楽しみにしています。
いつも、コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、最近の若者はメールやSNSでのやり取りばかりで過ごしているので、人と向かって会話する能力が落ちているのだと思います。
ですから、会社説明会でも、その会社の仕事に関して疑問に思ったことも、キチンと納得できる様な質問ができなくて、なんとなく採用されて入社してしまう。
しかし、「やはり自分には、この仕事は向いていない」で直ぐに辞めてしまう。
学校の就職課はもちろんですが、会社もそのあたりを理解して就職活動の仕方や面接での受け答え内容を見て欲しいですね。