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こんにちは、改めましてM. Jです。
今年も「冬」の時期に入ってしまいました。
冬に気をつけなければならないのは、ヒートショックや血管の病気だけではありません。
それは刃物で刺されたような「ズキズキ」「ビリビリ」とした、神経痛の「痛み」です。
坐骨神経痛などの「痛みがある方」にとっては、「冬の稲妻のような神経痛」はすごくキツイく、痛みの影響で、精神状態も著しく悪化する時期でもあります。
皆さんがそんな「ネガティブな部分の多い季節」である「冬」の時期を充実した日々にするために、どのように過ごしていけばよいのでしょうか?
今回は、以下の項目に沿って痛みを軽減するための日常生活の方法について書きます。
- 痛みとは・・・
- 坐骨神経痛の痛み
- 坐骨神経痛の痛みの軽減
- スッキリした生活を目指そう!
痛みとは・・・
そもそも「痛み」とはなんでしょうか?
日頃深く考えることが少ないのではないかと思います。
そこで、この項では「痛み」について、「痛みの定義」・「痛みが起こる過程」・「痛みの種類」に分けて、深く掘り下げていきます。
【痛みとは】
◆病気やケガなどで損傷した組織を修復する間「身体を動かさないように警告する役割」を担っている。
【痛みが起こる過程】
《1》人間の体内には神経が張り巡らされている
《2》末梢神経にあるセンサーが刺激を感知する
《3》電気信号が「脊髄」を通って「脳」に伝わって痛みを感じる
【痛みの種類】
①侵害受容性疼痛
◆身体のいろんな部位に生じた刺激や炎症を末梢神経が感知することで起こる痛み
(例)骨折・外傷・変形性膝関節症など
②神経障害性疼痛
◆神経が障害される・神経の周囲に炎症が起こることで過剰な反応が起こり生じる痛み
(例)坐骨神経痛・肋間神経痛など
③心因性疼痛
◆職場や家庭でのストレスによって起こる痛み、脳が「痛み」を感じてしまう痛み
【痛みへの対処方法】
《基本的な治療:鎮痛剤による投薬》
①侵害受容性疼痛
◎急性(=いきなり)の痛み→冷やす
◎慢性(=ずっと続く)の痛み→温める
②神経障害性疼痛
◎手術やリハビリで神経の誤作動を改善する
◎痛みのある部分を温める→痛みを感じる閾値を上げる
③心因性疼痛
◎ストレス要因の排除
上記のように、「侵害受容性疼痛・神経障害性疼痛・心因性疼痛」といった痛みの種類によって対処方法が違ってきます。
「侵害受容性疼痛」の場合、痛みの原因となる要素を除くと充実した生活ができるのですが、神経痛や幻肢痛などの痛みを抱えると「QOL(生活の質)」が低下して、充実した生活をすることが難しくなってきます。「痛みの原因以外」についてのアプローチ(=対応・治療)が必要となってきます。
痛みの原因以外のアプローチが必要なものとして「神経障害性疼痛」があります。
代表的なものに「神経痛」があります。その中でも、罹患者数が比較的多いのが「坐骨神経痛」です。
次の項では、坐骨神経痛について書きます。
坐骨神経痛などの痛み
神経痛は、主に「坐骨神経痛」「肋間神経痛」「三叉神経痛」といった「三大神経痛」があります。その中でも比較的多くの人が悩まされているのが「坐骨神経痛」ではないでしょうか?
今回は「坐骨神経痛」について深く掘り下げていこうと思います。
【坐骨神経痛とは・・・】
⚫︎坐骨神経:お尻から足にかけて「ズーン」と痛む。坐骨神経は人体で最も太く長い神経。
⚫︎坐骨神経領域(=お尻→太ももの後面→ふくらはぎ)の神経が圧迫されて起こる。
【坐骨神経痛の原因・特徴】
①腰椎椎間板ヘルニア・・・腰椎間のクッション組織(椎間板)が飛び出してしまう病気。
- 神経を圧迫することによって神経痛が起こる。
- 発症年齢:20歳代〜40歳代に多い
②腰部脊柱管狭窄症・・・背骨の脊髄が通るトンネル(脊柱管)が狭くなることで起こる病気。
- 脊髄を圧迫することによって神経痛が起こる。
- 発症年齢:60歳代〜80歳代に多い
③その他・・・梨状筋症候群・変形性腰椎症・腰椎分離症・脊椎炎
→詳しくは以下の文献に記載しています。
【症状】
《1》腰に強い痛みがある
《2》腰を動かすと脚の痛みが強くなる
《3》安静にしていてもお尻から脚の痛みが強い
《4》身体を前にかがめると痛みが強くなる
《5》立っている状態が続くと脚の痛みが強くなる
主に、坐骨神経痛は「神経が圧迫されること」によって痛みが強くなります。
人によっては洗顔や洗髪などの日常動作でも「腰や腰から脚にかけての痛み」が出現します。
日常生活に大きな支障を来たすのが坐骨神経痛の「厄介なところ」と言ってもいいでしょう。
基本的に、腰の痛みは「前かがみの状態」が続くと強くなります。
前かがみは「腰に大きな負担がかかる姿勢」ですが、1日の中で「前かがみの姿勢」になることが多いので、痛みを避けることも難しいです。
どのような日常生活をしていけば坐骨神経痛は軽減することができるのでしょうか?
次の項では、坐骨神経痛の痛みの軽減について書きます。
坐骨神経痛などの痛みの軽減
腰の状態(腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症)によって対処法が違います。
「腰に優しいライフスタイル」がありますので、参考にしてください。
【予防する方法】
①腰椎椎間板ヘルニア
◎以下の行動は痛みが強くなるので避ける。
⚫︎あぐらや横座りを続ける
⚫︎中腰で行う動作
⚫︎猫背の姿勢
⚫︎過剰な前かがみ
⚫︎過剰なのけ反り
◎負担の少ない姿勢:脊柱の「S字カーブ」が保たれた姿勢。
◎ソファーやベッドは、「腰が沈み込まない」ものが適切!
◎台所や洗面所では軽く膝を曲げ、「前かがみ」にならないこと!
◎物を拾う時は「膝を曲げる」「腰を落とす」など、腰への負担に注意すること!
◎机と椅子のバランスを調整する。
- 椅子の高さ=身長➗4
- 机の高さ=40➕(身長➗6)
②腰部脊柱管狭窄症
◎以下の行動は痛みが強くなるので避ける。
⚫︎高いものを取る
⚫︎腰をひねる
⚫︎背筋を伸ばす
⚫︎過剰なのけ反り
◎負担の少ない姿勢:物を低い位置に設定している姿勢。
◎物を拾う時は「膝を曲げる」「腰を落とす」など、腰への負担に注意すること!
◎少し「前かがみの姿勢」で生活すること!
◎洗濯物:低い位置で干すこと!
◎前かがみの姿勢が続くと「転倒」の危険性が高くなる。
→場合によっては「杖・カート・歩行器」が必要!
日常生活において予防する方法もあります。
【日常生活での予防の方法】
①禁煙する
◎タバコに含まれる「ニコチン」は、血管を収縮させる。
◎禁煙によって血行が良くなると、筋肉の緊張が取れ、痛みの原因物質が排出される。
②自分に合った靴を選ぶ
◎ヒールが低く、足の甲をしっかり支えられる靴が良い。
◎かかとをしっかり包んでくれる靴が良い。スリッパは痛みが強くなるため不適切!
③買い物袋やカバンはバランス良く持つ
◎リュックやショルダーバッグは、ストラップを短めにする。
◎重い物を持つ時は左右均等にして、片側の負担が大きくならないようにすること!
④悪いストレスは軽減するよう努める
◎ストレスによって血行不良になると「痛み」を感じやすくなる。
⑤慢性的に痛む時は温める
◎保温性の高い衣服を着用する。
◎痛みがある部位をカイロなどで温める。
⑥運動をする(腰痛体操)→詳しくは以下の文献に記載しています。
どうしても痛みが強く日常生活に支障を来した場合は、以下の方法で対処しましょう。
【病院に行く】
◎運動時に腰に痛みのある場合は整形外科へ行く
◎安静時(=じっとしている状態)で腰が痛い場合は、内科へ行く
《消化器内科・腎臓内科・(女性の場合は産婦人科)など》
坐骨神経痛などの「痛みの予防法」は、腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症で違いがありますが、共通して「痛みを強くさせるような動作」を避けることが大事です。
腰椎椎間板ヘルニアでは「過剰な前かがみ動作」を避けること、腰部脊柱管狭窄症では「過剰な背伸び動作」を避けることが痛みの軽減につながります。
よって、整形外科を受診して「きちんとした診断」を受けることが大事です。
その上で共通している予防法の「適切な靴を着用する」「荷物をバランスよく持つ」「保温性の高い衣服を着用する」ことなどを実践することで坐骨神経痛を軽減することができます。
この記事をご覧の皆さん、「痛みの予防法」を着実に実践して充実した冬の生活をしていただきたいと思います!
スッキリした生活を目指そう!
以上、充実した冬の生活《2》でした。
神経痛の中でも比較的多くの人が悩まされている「坐骨神経痛」について書きました。
冬になると神経痛の「痛み」は、著しく強くなります。
前述したように、前かがみの動作で「痛み」が強くなるので、洗顔や洗髪など「ADL(=日常生活動作)」にも支障を来たすことが多くなります。
仕事などの作業においても「前方の物を取る動作」や「重い物を抱える動作」の際、痛みが強くなるため「できない仕事」も増えてきます。
そこで、今回記事に記載した「痛みを軽減する方法(=予防法)」を理解して、かつ実践することによって、冬の生活を「充実したもの」にすることができると思います!
「禁煙」「適切な靴」「荷物の持ち方」「温熱療法」という部分にしっかり着目して、痛みを軽減して「生きやすい」「過ごしやすい」生活を目指していきましょう!
神経痛は「長期間にわたって付き合っていく痛み」と言われています。
この記事をご覧の皆さんには、冬という季節を「明るく」「楽しく」過ごしていただきたいと思います!
今回は、長く続く痛みの中でも患者さんの数が比較的多い「坐骨神経痛」について書きました。長く続く痛みはこれだけではありません。次回は、ペインクリニックでの医療や課題を通して「痛みの軽減」について掘り下げていこうと思います。
記事をご覧いただき、どうもありがとうございました!
今回の記事は、以下の文献を参考にしました。
今後について
興味があることや、今後書いていきたい記事のテーマとして、ペインクリニックでの医療と今後の課題、天は知っている:日大アメフト部の事件に学ぶ、感染症への対応:基本的な感染対策と保健所の役割があります。
皆さんに役立つ情報を届けていければと考えています。
今後ともよろしくお願いします!
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