「119番」に変な依頼電話はしない様に ー東京消防庁からの呼びかけー

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こんにちは、金次郎です。

 「119番」通報は、火事が起こったり事故などで怪我をした時に、消防車や救急車を呼ぶための緊急連絡番号です。
 ところが、最近の通報内容を見てみると、消防車や救急車を出動させるのとは全然違う内容の電話をかけてくる人が多発しているそうです。
 これらの方は、どう言う感覚で「119番」に電話をかけているのでしょうか?

119番通報と災害救急情報センター

 119番は、正式には「緊急通報専用電話番号」と言いまして、都道府県によって

 ・「災害救急情報センター」
 ・「消防本部指令室」
 ・「消防指令センター」

 などと名称が違いますが、119番に電話をすると、お住まいの都道府県消防本部に繋がり、もよりの消防署に出動指示を出すシステムになっています。
 電話が入ると、通信係員が通報の内容を素早く確認します。
 「火災か?」「救急か?」の、どちらかを尋ねて、現場の住所を聞き状況を把握します。

 現代では、コンピューター管理が全国的に普及しており、通報を受けた指令室には管内の消防署の位置を示すモニターが有りまして、GPS機能により現場に一番近い距離にある署へ即座に連絡が入る様になっています。

 また、コンピューターが普及している現代では「自動火災報知器設備」なる物も有りまして、これは設置している建物の異常を感知して自動的に119番通報するシステムです。

参照:(パブリネット)消防本部への119番通報と災害救急情報センター

「東京消防庁」からの呼びかけ

 この様に、119番通報は緊急時にかける電話番号ですが、最近は緊急事態では無い事で電話をかけてくる人が多発しているそうです。
 今年の夏も、去年と同じく酷い暑さで「熱中症」になる人が多く出ており、救急出動が続いています。

 しかし、東京消防庁には、

 ・「エアコンの取付をして下さい」
 ・「銀行の預金通帳を無くしけど、どうしたら良いですか?」

 などと言う、火事や救急搬送とは全く関係ない電話が、かかって来るそうです。
 それで、東京消防庁は、X(旧:Twitter)で
「119番は緊急通報です。問合せや相談等を119番でされると、本当に必要な緊急通報に対応できなくなる恐れがあります。」
と書き込んだ上で、緊急通報を優先するための措置として

 不要不急の電話については、最後までお話を聞かずに切断する場合があります

と発信しました。

 東京消防庁の広報課によりますと
「不要不急の電話も、以前は話を聞いて相手が納得するまで説明していました。
 そして、話を聞いた後に不急の電話と判断した場合は、ほかの機関や窓口に電話するように促していました。
 それでも対応を依頼してくる場合は、これ以上対応できない旨申し上げてから電話を切断していました」と言います。

 上で書いた2件以外にも

 ・「部屋の電気が消えない」
 ・「家の鍵を無くしたので何とかしてほしい」
 ・「トイレの水が止まらない」

 などと言う、およそ119番通報で対応するものでは無いものが有ったそうです。

参照:(産経新聞)最後まで聞かずに切断も 「通帳なくした」「エアコン設置して」…不要不急の119番に東京消防庁が異例の呼びかけ

東京以外の自治体でも

 これは、東京消防庁だけの問題では無く、日本全国の消防本部が頭を悩ませています。
 岩手県一関市に有る消防本部では「通報あれこれ」と題して、119番通報にふさわしくない例を載せています。
 HPの先頭に
  119番は、情報サービスではありません。
  ・救急車は、タクシーではありません。
 と称して、安易に救急車を呼ばない様にと呼びかけています。

 「近所に知られたく無いから、サイレンを鳴らして来ないで」と言う依頼も有るそうで、これに対しては
  ・救急車は道路運送車両法でサイレンを鳴らすことが定められおり、生命に危険のある方を
   医療機関
に急いで運ぶためのものです。
 と注意をしています。

 宮城県岩沼市の行政事務組合は、HPのトップに大きな文字で
  「119番は、問い合わせ窓口ではありません。
 と、注意喚起しています。

参考:(岩手県一関市 消防本部)通報あれこれ

参考:(宮城県岩沼市 亘理地区行政事務組合)119番は問い合わせ窓口ではありません

もう一度確認、救急車を呼ぶか迷ったら「#7119」

 去年の記事でも「新型肺炎に熱中症が重なって、出動要請が多く救急隊員が署に戻れないので、コンビニで食事を取っている事にご理解下さい」と言う、消防署からのお願いが出ている事を書きました。

看護師が多数感染し、業務が滞る病院

 この時は、埼玉県の事例を出しましたが、今年の夏の酷暑では、名古屋市の消防署も同じ様なお願いを出しました。

3年ぶりの団地夏祭り-また感染者が増えてるから要注意です-

 救急隊員が多忙な状態ですから、安易な119番通報は避けましょう。

 この様な緊急事態とは関係の無い電話が有る事は、去年2022年から現在まで4回放送されているNHKの「エマージェンシーコール〜緊急通報指令室〜」と言う番組で取り上げられています。
 特に、「エピソード3 埼玉」の回が、上記の様な緊急性が無い電話に苦慮している様子を紹介していました。

参考:(NHK)エマージェンシーコール ~緊急通報指令室~

 この番組でも、都度「#7119」を紹介していましたが、救急車を呼ぶべき事態か判断に迷ったら「#7119」で事態を説明して、専門の係員に判断してもらいましょう。
 「緊急性が高い」と判断されれば、係員が迅速に救急出動を要請しますし、「緊急性は高くない」と判断されれば、受診可能な医療機関を紹介します。

参考:(厚生労働省)大人の症状は♯7119

参考:(総務省消防庁)救急車の適時・適切な利用(適正利用)

終わりに 

 何故、この様な事態になってしまったかを考えてみると、私の個人的な見解として携帯電話(スマートフォン)の爆発的な普及があったからだと思っています。
 年齢・性別関係無く、何処からでも、気軽に電話をかけられメールが送れる現代。
 日本人の電話に対するマナーやモラルが、欠如して行きつつあるのでしょう。

 これらは、消防署に限った事ではなく、一般企業への度重なる迷惑電話や迷惑メールなどは「威力業務妨害罪」が、個人に対しては「傷害罪」が適用される可能性が有ると言う事を知っておいて下さい。

参考:(弁護士費用保険の教科書)しつこいイタズラ電話・迷惑電話の対策は?通報できる?

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2 件のコメント

  • 記事を読ませていただきました。救急車などの緊急時に使うのは当たり前です。関係ないことで使われることは、人の生死に関わるとしたら考えてみたら!と私は思う。モラル崩壊した今だからこそ、親子で考え見直してほしいと願うばかりです。

  • コメントありがとうございます。
    私が住んでいる団地は古いので、高齢者が多いからか救急車が頻繁に来ます。
    両親は救急車の行き先を見ながら「あぁ、多分あの家だわ」と言っています。
    私の両親も高齢ですが、未だ救急車を呼ぶ事態までにはなっていません。
    しかし、いつかは私も救急車を呼ぶ事態が来ると思っていますので、適切に呼べるようにと思っています。

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