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こんにちは、改めましてM. Jです。
前回、脳卒中の中でも若いかたでも発症する病気である「くも膜下出血」について書きました。
くも膜下出血を含め、脳卒中は病院で治療をして生命があったとしても、後遺症が残り日常生活に支障を来たすことが多い病気です。一般的に、脳卒中は「60歳以上のかた」の発症が多いと言われていますが、発症の原因として「若い頃からの生活習慣」が関係してきます。
場合によっては介護を必要とすることもある脳卒中は、発症してしまうと家族を含めた周りの生活を変えてしまい、介護の負担を生じることが多いので、発症しないように「予防しておきたい病気」です。
この厳しい病気を予防するためには、以下の「3つの要素」が必要不可欠です。
「脳卒中に対する知識」「脳卒中の前兆の把握」「適切な食事と生活」をしっかり身につけて健康に向かっていただきたいと思います。
今回は、以下の項目に沿って脳卒中の予防について書きます。
- 脳卒中の原因:サイレントキラーなど
- 脳卒中の前兆 ➡️ 一過性脳虚血発作(TIA)への対応
- サイレントキラーの予防法
- 脳卒中を予防する食事・危険な食事
- イキイキとした生活をしよう!
脳卒中の原因:サイレントキラーなど
基本的に、脳卒中は急性発症する(いきなりかかってしまう)病気です。
俗にいう「サイレントキラー(=沈黙の殺し屋)」の症状を放置することが原因で、発症してしまうというものすごく危険な病気です。
【サイレントキラーとは・・・】
◎病気になっても「初期には症状が現れない」で進行していく病気。
◎気づいた時は、後の祭りの「致命的な」病気。
◎主に「高血圧」「脂質異常症」「糖尿病」の状態。
【サイレントキラーを放置すると・・・】
◎ものすごく「危険な状態」(=生命の危機状態)となり、取り返しのつかないことになる!
◎「脳梗塞」や「心筋梗塞」を発症する「危険性」が著しく高くなる!
【サイレントキラーの代表的な病気】
①高血圧
- 血管の中を血液が流れる際に「血管の壁にかかる圧力」が血圧。
- 血圧が高くなると「動脈硬化」を起こしやすくなる。
◎高血圧の症状が出現した時は、すでに合併症は進行している!
◎高血圧を放置すると、さまざまな臓器で症状が出現する。
《1》脳の症状・・・「激しい頭痛・おう吐・けいれん」など
《2》心臓の症状・・・「動悸・息切れ・胸痛」など
《3》腎臓の症状・・・「浮腫(むくみ)・頻尿・乏尿」など
②脂質異常症
- 脂質異常症は・・・血液中に「コレステロール」や「中性脂肪」などの脂質が多い状態。
- 血液中に余分な脂質が多くなると「動脈硬化」を起こしやすくなる。
◎脂質異常症があっても「症状がない」ので注意!
◎脂質異常症を放置すると、以下の症状が出現する。
《1》脳の症状・・・脳梗塞
《2》心臓の症状・・・心筋梗塞・虚血性心疾患
③糖尿病
- すい臓で作成されるインスリンの働きが悪いため「血糖値が高くなっている」状態。
◎糖尿病を放置すると、ものすごく「危険な合併症」が起こりやすくなる。
《危険な合併症》
《1》「し・め・じ」→ゆっくり進行
⚫️し:神経障害 ⚫️め:眼の障害(網膜症) ⚫️じ:腎症
《2》「え・の・き」→早い進行
⚫️え:壊疽(えそ) ⚫️の:脳梗塞 ⚫️き:狭心症・急性心筋梗塞
脳卒中の主な原因である「サイレントキラー」ですが、軽度の時は「ハッキリとしたお知らせが無い」ので放置してしまいます。
放置をして時間が経過すると「脳卒中を発症しやすい」かなり危険な状態になります。
サイレントキラーの主な症状である「高血圧・脂質異常症・糖尿病」を早期発見するには、病院やクリニックなどで「基本検査(血液検査など)」を最低1年に1回受けておくことが必要不可欠です!
ほとんどの場合「会社の検診や国民健康保険の特定健診」でのフォローでは不十分です。
あくまでも検診は簡易な検査方法ですので、治療をしっかりしていこうと思えば病院やクリニックに行くことがものすごく重要です。
サイレントキラーを放置したり、治療が上手くいかなかったりした結果、脳卒中の「前兆」があってしまった場合は、どのように対応すればいいのでしょうか?
次の項では、脳卒中の前兆である「一過性脳虚血発作」について書きます。
脳卒中の前兆 ➡️ 一過性脳虚血発作(TIA)への対応
【一過性脳虚血発作(TIA)とは・・・】
◎一過性の脳虚血によって「短時間のみ」神経症状を生じる。
- 神経症状は、通常「24時間以内で消失」する。短時間のため放置することが多い!
◎一過性脳虚血発作が起こると・・・
→早期に「大発作(=脳梗塞)」を発症する危険性が高い。
- 一過性脳虚血発作の後、脳梗塞を起こす確率
→90日以内「15%〜20%」(うち半数が2日以内)
◎脳梗塞は「お知らせなく、急にやってくる」ことがほとんど。
【一過性脳虚血発作の症状】
①運動障害:マヒ
②言語障害:ろれつが回らない・言葉が出ない・言葉の理解できない
③感覚障害
④視野の半分が欠ける
⑤一過性黒内障:一過性に目の一部が見えなくなる
◎基本的には「大発作(=脳梗塞)」の症状と似ている。
一過性脳虚血発作(TIA)については、こちらの文献に詳しく書いてあります。ご覧いただけると有り難いです。
参考:国立循環器病センター:一過性脳虚血発作は完成型脳梗塞を発症・・・
脳梗塞リハビリステーション:一過性脳虚血発作(TIA)とは?
前回の記事、くも膜下出血の「前兆」について詳しく書いてあります。ご覧いただけると有り難いです。
家くるドクター:【激しい頭痛】くも膜下出血の原因・前兆・対処法
【一過性脳虚血発作・警告頭痛(脳からの危険信号)】
◎脳からの「危険信号」が起こると「脳卒中」の発症の危険性は高くなる!
◎脳からの「危険信号」を「無視・放置」すると「脳卒中」が起こる!
→「意識障害」や「後遺症」を生じる危険性がある!
◎一過性脳虚血発作・警告頭痛の放置は、ものすごく危険!
上記のような「脳からの危険信号」があったら、すぐに脳神経外科のある救急病院へ直行しましょう!
これは、本当に怖いことなので実践していただきたいと思います!
次の項では、サイレントキラーの予防法・脳卒中を予防する生活について書きます。
サイレントキラーの予防法
脳卒中を予防するには、どのような生活をしていくことが必要でしょうか?
予防としての基本は「生活習慣病」を増悪させないということです。
【生活習慣病を増悪させない生活】→「1無・2少・3多」
①1無:「無煙・禁煙」のすすめ
◎喫煙は単独で「最大の予防可能な死因!」
- タバコには7000種類、250の有害物質が含まれている。
《主な有害物質》
- ニコチン:血管収縮作用が強く「血圧を上昇」させる。
- 活性酸素:細胞を「老化・酸化」させる。
- 一酸化炭素:酸素とヘモグロビンの結合を阻害する。→血液がドロドロになる。
- タール:有害物質が含まれている。
◎「動脈硬化」を促進させて血圧を上昇させる。
◎「脳梗塞」と「くも膜下出血」の危険性が高くなる。
◎「心臓病」「COPD(→喫煙による肺の疾患)」の危険性が高くなる。
②2少:「少酒・小食」のすすめ
◎少酒・・・アルコールは少量をたしなみ「ほどほど」に
- 多量の飲酒は「脱水」を引き起こす。
- 多量の飲酒の目安→ビール・発泡酒:500mlで3本、焼酎:300ml、日本酒:450mlで3合
- 1日の「アルコール量は20gまで」が適切。休肝日を設ける。
◎「脳の血流を低下」させ、脳梗塞の危険性が高くなる。
◎「肝臓・すい臓・腎臓の病気」などの危険性が高くなる。
◎少食・・・食事は腹8分目に
- 暴飲暴食を控えることで身体機能が健康になる。
- 減塩をしよう! 食塩は1日:6gまでにする。
- できるだけ多く「野菜の摂取」をすること!
③3多:「多動・多休・多接」のすすめ
◎多動・・・今より10分身体を動かそう!→「有酸素運動」がオススメ。
◎日常生活での「身体活動」を増やすこと!
◎多休・・・しっかり「休養」心と身体のリフレッシュ!
- 生活の中で「睡眠」「休憩」「休日」は大事。
- 心身を「リフレッシュする機会」をもつこと。
◎十分な睡眠時間を確保する。→生活リズムを安定させること!
◎多接・・・多くの人・こと・物に接して「生き生きした生活」を!
- 多くの人と交流すること。
- さまざまな「こと・物」に好奇心をもつこと。
◎社会や人との「つながり」を大事にすること!
なかなか、脳卒中の予防の「1無・2少・3多」の生活は、項目が多い感じがします。
この記事をご覧の皆さん、難しく感じた人も多いのではないでしょうか?
そこで、以下にポイントを絞っていますのでご覧ください。
《1》大事なことは「創造性豊かな生活」と「生き生きした生活」!
《2》生活の中で「目的や生きがいを持つこと」がものすごく大事!
《3》タバコに含まれる物質によって「血栓」が形成されやすくなる。
《4》アルコールの多飲は生活習慣病と関わっており、多くの「病気が誘発」される。
《5》禁煙するためには「禁煙外来の利用」で「依存性のある物質」を排除すれば・・・。
《6》酒の場合は「酒にかわる楽しみづくり」などを検討すれば・・・。
《7》日常生活の中で「身体活動量を増やす」こと!
《8》リフレッシュの時間を持つこと!
まずはできそうなことからやっていくことが大事です!
最低限、上記①・②の「禁煙(副流煙を吸わないことを含む)」や「少酒」「少食」を心掛け、実践していくことができれば生活習慣病を予防することができるのではないでしょうか!
上記③の「3多(多動・多休・多接)」については、少しずつ取り組んでいければいいと思います。
この中でも特に重要なことは、上記《1》の「創造性豊かな」生活と上記《2》の「目的を持った」生活です。創造性豊かに、目的を持つことを「強く意識すること」ができれば、脳卒中を予防していくことができると思います!
また、脳卒中を予防する方法として「食事に気をつけること」は、ものすごく重要です!
脳卒中を「予防できる食事」とは、どのようなものでしょうか?
次の項では、脳卒中を予防する食事について書きます。
脳卒中を予防する食事・危険な食事
【理想的な食事など】
①青魚を摂取する
- サバ・イワシ・サーモンなどの魚を週2回以上摂取すると「心血管の病気」の予防になる。
②野菜と果物を摂取する
- 毎日5〜6種類の野菜や果物を摂取すると、身体内の「酸化」を防げる
→その結果「脳卒中」を予防することができる。
③海藻類を摂取する
- ワカメ・のり・昆布などを日常の食事で摂取すると血圧の上昇を防ぐことができる。
- ただし、塩分は過剰にならないようにすること。
④こまめに「水分補給」をする
- 水は、成人の身体の55%〜60%を占めており、生命活動をサポートしている。
- 水分不足になると「血管」に悪影響を及ぼし「血流が悪化」する。
- 一度に大量の水分摂取をしないこと!(200㎖程度のこまめな水分補給)
【危険な食事】
①ジャンクフード・スナック菓子の過剰摂取。
②ラーメンの過剰摂取。
③甘いデザート(ケーキ・シュークリーム・アイスクリーム)の過剰摂取。
④焼肉・ウインナーの過剰摂取。
食事に気をつけていきたいのですが、難しい部分も多いと思います。
理想的な食事は「苦い」ものが多く、危険な食事は「おいしい」ものが多い感じがします。
ここで、この言葉を意識するのです。→「良薬は口に苦し!」
一見、口に苦いものが「身体には良い食べ物」であることは多いのです!
スイーツやスナック菓子などの「甘い誘惑に負けない」こと、ほんの少しでもいいので「強い意志を持つ」ことは重要です!
イキイキとした生活をしよう!
以上、脳卒中の予防法:健康に向かうための食事法や生活などについてでした。
脳卒中は「急にやってくることが多い病気」です。
くも膜下出血の前兆「警告頭痛」や 脳梗塞の前兆「一過性脳虚血発作(TIA)」がある場合もありますが、「急に大発作(=脳卒中の発作)を発症するパターン」もあります。
よって脳卒中に対応するには「脳の大発作が起こらないようにすること」が重要になります。
そのためには、今回の記事で挙げた「1無・2少・3多」の生活スタイルを「強く意識して実践すること」です。
「創造性豊かな生活」でストレスを軽減して、健康志向の「目的を持った生活」を送ることがものすごく重要です!
前述したように「サイレントキラー(高血圧・脂質異常症・糖尿病)」が原因となっているので、病院やクリニックへの受診を通して「健康に向かうためのイキイキとした生活」を実践することが脳卒中の発作を起こさないようにする第一歩だと思います!
「創造的な生活・目的も持った生活」で健康に向かっていきましょう!
記事をご覧いただき、どうもありがとうございました。
今回の記事は、以下の文献を参考にしました。
スマート脳ドック:生活習慣病の原因は?5つの改善方法を紹介!
脳梗塞リハビリLAB:一過性脳虚血発作・ヒートショックに注意
脳神経リハビリセンター大阪:【具体例あり!】脳卒中予防:食べ物
こちらは、以前私が「水分補給と脳梗塞・心筋梗塞の関係」について書いた記事です。ご覧いただけるとわかりやすいと思います。
脳卒中についてはこちらの文献に詳しく書いてあります。ご覧いただけると有り難いです。
生活習慣病についてもっと詳しく知りたい方はこちらの文献がオススメです。ご覧になっていただけると有り難いです。
主に「若い方の脳卒中」についてしっかり書いてある文献です。若い頃からの予防の文献としてご覧いただけると有り難いです。
今回の記事「脳卒中の予防」に対しての適切なポスターです。ご覧いただけると有り難いです。
今後について
興味があることや、今後書いていきたい記事のテーマとして、発達障がい者への支援:勉強会で学んだ適切なサポートの方法、すい臓のケアは簡単ではない!、人にも環境にも優しい時差出勤を導入してみよう!があります。
皆さんに役立つ情報を届けていければと考えています。
今後ともよろしくお願いします!
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