「人工皮膚の進歩-触覚の回復」

人工皮膚

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皆さんこんにちは。Pinkです。私は人間にとって、「皮膚」の感覚というものは、とても大切なものではないかと思っています。

子供の頃、視覚だけでなく、物に触れる事で、「熱い」「冷たい」と言った温度や、「丸い」「四角い」と言った形等を感覚として覚えて来ました。

人間の皮膚は「人体最大の臓器」とも言われているそうです。今回は、その「皮膚」に関してForbes JAPANの記事を読み、思った事を書きたいと思います。

ハプティクス技術の開発

研究者達は、少し前から、使用者に何かしらの力を加える事で「触覚」を再現する事を目的とした「ハプティクス技術」を開発して来ました。

それは、「バーチャルリアリティ」「テレロボティクス(遠隔操作するロボット技術)」「コンピュータシュミレーション」等に利用されており、「人工皮膚」技術の進歩は、「ハプティクス技術」を新しいレベルまで向上させるものです。

その結果として、「義肢」の人が再度「触覚」を感じられるようになる可能性が出て来ています。

 

右手に義手を付けている男性

皮膚について

人体最大の臓器」とも言われている「皮膚」ですが、「病原体」や「ゴミ」、「放射線」等の害から、傷付きやすい臓器を守る役割を担っている他に、「触覚」と言う役割があります。

触覚」は遥かに複雑で、皮膚内部にある神経ネットワークが、体の一番外にある「感覚点」より、中枢神経系に信号を中継する事で起きます。

例えば、携帯電話やタブレット、コンピュータに触った時、触れたと言う感覚は連続した電気信号として脳に送られますが、「脊髄損傷」や「四肢切断」により、この接続が絶たれると、感覚は失われます。

しかし、この一度失われた感覚が永久的で無くなるかもしれない事が、研究者による発表によって分かりました。

それは、「電子皮膚」と呼ばれるもので、人間の皮膚の性質を真似した柔らかいもので、「触覚」「温度変化」「圧力」を感じ取るようにコード化することができ、その全てが人工神経ネットワークにより、脳に伝達されるようになっています。

5番目の感覚と言われる「触覚」を失った人が、それを取り戻すことが出来る「人工皮膚」が作られたのです。

介護ロボット

電子皮膚の課題

どんなに素晴らしく柔軟な電子材料でも、稼働するには「高電圧」が必要となる為、それは使用者にとって大きなリスクを引き起こすこととなります。

研究者達は、「高電圧」問題解決の為に、滑らかで薄い3層構造の絶縁体を開発し、「電子皮膚」に追加しました。そのことにより、簡単に着用出来、柔軟性も保たれることになりました。

最大の難点としては、外側にある物との接触を見付け出す事ではなく、その感覚を脳が理解して、反応する事にあると言います。熱い物に触れると、脳が危険を察知して無意識の内にとっさに体を引くといった「感覚フィードバック」です。

皮膚」と「」を繋ぐ神経ネットワークにより、意識して考えるよりも早く「触覚」に反応する事が出来ます。「人工皮膚」では、「感覚フィードバック」の仕組みを再構築しなければならないとの事です。

電子皮膚」の技術は、動物や人でのテストを繰り返し行う事により、安全性と実用性を確認後、様々な使い方に応用出来る可能性があります。

それは、「四肢切断」の患者だけでも200万人近くいるアメリカで、「触覚」に影響を与える病気や、先天的条件のある全ての人の「触覚」を再生的に回復させる可能性があるのです。

電子皮膚」が商品化され、普及して行くにはまだ少なくても数年はかかるとの事ですが、実現すればすごい事ではないでしょうか。今後に期待したいと思います。

参考サイト:人工皮膚技術の進歩が実現する失われた「触覚の回復」

海を眺めながら両手を合わせる女性

 

noteでも記事を書いているので、よかったら読んでみて下さい!

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2 件のコメント

  • 記事を読ませていただきました。人間が感じる触覚を人工皮膚で再現できるような時代になってきているですね。これまでよりも皮膚
    で触っていることを実現できることを待っている人もいるのではないでしょうか。
    これからも記事を楽しみにしています。

    • パンダさん、いつもコメントありがとうございます。人工皮膚の今後に期待したいと思います。これからも宜しくお願いします。

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