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こんにちは、翼祈(たすき)です。
とうもろこしやサトウキビ、米など植物由来の新たなプラスチック、『バイオマスプラスチック』がどんどん浸透し、従来のプラスチックから切り替えるメーカーが続々出て来ました。
今回は一部ではありますが、『バイオマスプラスチック』の導入を始めたメーカーについてお話しさせて頂きます。
バイオマスプラスチックとは?
バイオマスとは、「動植物から生まれた、再生可能な有機資源」のことを指します。バイオマスプラスチックは、トウモロコシやサトウキビなど、植物由来の原料を利用して作られています。バイオマスプラスチックを燃やす際も二酸化炭素が出ますが、それはバイオマスプラスチックの原料である植物が育つときに光合成で吸収された二酸化炭素であるため、大気中の二酸化炭素の増減に影響を与えません。ただし、バイオマス由来であるからと言って、生分解性があるとは限らないですし、その逆に、生分解性があるからといって、原料がバイオマスだとも限らないです。
セブンイレブンとバイオマスプラスチック。
セブン‐イレブン・ジャパンは、2022年4月より法律で制定される「プラスチック資源循環促進法」の対策として、バイオマスの素材を30%調合したスプーンやフォークなどの、環境配慮型カトラリーを、2022年4月1日より首都圏の約500店舗よりスタートし、2022年夏までに全国へ順次拡大する予定で、日本全国のセブン‐イレブンに導入すると公表しました。
参考:セブン‐イレブン、4月1日より環境配慮型カトラリーを全国店舗に順次導入 バイオマス素材を30%配合 AMP(2022年)
米原料のプラスチック『ライスレジン』
「ライスレジン」は非食用の米を原料にしたバイオマスプラスチックで、東京都千代田区にあるバイオマスレジンホールディングスが製造と販売を行います。食用に向かない古米や米菓製造で発生した破砕米など、飼料にも使うことがなく、廃棄の可能性がある米を石油系プラスチックと混合させ、新しいプラスチックにします。米は70%まで混合させられます。焼却する時に排出する二酸化炭素の量は、これまでのプラスチックより抑制出来ます。
参考:身近で脱炭素化 ライスアイデア レジ袋、スプーン、包材 非食用米原料のプラ採用盛ん 日本農業新聞(2022年)
SDGs活動を進める中で、ライスレジンは国内資源の米を有効利用でき、環境に貢献できる点が魅力です。
既にレストランのレジ袋や社員食堂のスプーン、おちょこ、パックご飯の外装フィルムなど、色々な場所で活用の場所が広がっています。
福岡県福岡市中央区にある株式会社ピエトロにおいては、プラスチックを作る時に使われる二酸化炭素の排出量の増加に伴い、環境課題への活動一環として、主力商品の容器・包材に関して、環境配慮型商品への切り替えをし、2022年4月1日出荷分から「ドレッシング」9品、2022年6月1日出荷分から「おうちパスタ」6品で使われるボトルを、「バイオマスプラスチック」素材に転換します。
画像引用・参考:株式会社ピエトロの環境配慮への取り組み 主力商品の容器・包材を環境配慮型製品に切り替え PR TIMES(2022年)
ネギとバイオマスプラスチック。
岡山県岡山市北区にある岡山薬品工業株式会社によりますと、農業事業の岡山産農作物の通販事業と廃棄野菜を活かした植物由来のバイオマスプラスチック開発をスタートしました。
同岡山薬品工業株式会社は岡山産農作物の通販事業の一環で、岡山市中原地域で栽培した野菜の美味しさの感動を伝える「中原ファーム」を創立し、旬の地元の農産物を販売しています。
一方、「中原ファーム」が創立した中原の地では、100キロ超の市場には卸せないネギや農産物が毎日大量廃棄されています。食品ロス問題を中原の地から抜本的に解決するために、「食べる」だけのネギではなく、生活の色々な面で有効活用される「使う」ネギを掲示していきます。
参考:廃棄ネギからバイオマスプラスチック開発 岡山薬品工業 農業協同組合新聞(2022年)
植物由来のみの「カップヌードル」開発
環境負荷低減や新たな食の創造に向けて植物肉を共同開発し、植物由来の原材料だけを使った「カップヌードル」などの製品化を加速させます。
日清食品グループは環境への配慮から、温室効果ガス排出の少ない食材を使った製品開発に取り組んでいます。2021年には子会社の日清食品が、即席麺の具材に使う植物性タンパク質の国内使用量を2030年までに年間1100トンに引き上げると発表。 DAIZが持つ、大豆を発芽させてうま味や栄養価を増やす技術や、動物肉のような弾力や食感を再現するノウハウを評価し、約5億円を出資しました。
これまで多くのプラスチックの話を書いていきましたが、
私はこれまで脱プラスチックの記事から始まり、この間はマイクロプラスチックの記事を書いたりと、色んなプラスチックに記事を書くことで触れて来ました。バイオマスプラスチックも確か脱プラスチックの記事を書く時にたまたま知って、それから書ける日まで温めていた題材でした。
最初はライスレジンとカップヌードルの記事しか調べていなかったのですが、改めて記事として観るとネギとかもバイオマスプラスックになったり、ボールペンや時計にまで起用という万能なプラスチックという事に気付きました。
確かに元々通常のプラスチックだった部分をバイオマスプラスチックに置き換えれば、どんどん可能性の幅が広がっていきますよね。本当に宇宙みたいに無限な広がりのあるのが、バイオマスプラスチックだなと思いました。
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noteでも書いています。よければ読んでください。
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