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糖尿病は現代の生活習慣病といわれています。そのうえ、体の血管や心臓、網膜、腎臓の働きが鈍る、動脈硬化や脳卒中を引き起こしたりします。また糖尿病の方は高血圧になりやすく、アルツハイマーの原因に繋がるといわれています。これらは、高齢・女性・アルツハイマーになりやすい遺伝子・教育歴が短い・高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙などでアルツハイマーのリスクの因子が関わっています。今回は糖尿病などの病気がどうアルツハイマーにかかわっているかを書きたいと思います。
【アルツハイマーになる要因】
❶加齢による脳の変化
人が年をとると同じように、脳も加齢によって萎縮が起きるのです。
脳の神経細胞の減少と共に、送られてくる血流が減ったことが、脳の萎縮に繋がっていくのです。
❷遺伝子変異
親・兄弟姉妹・祖父母・親戚などの家族間に、遺伝子を受け継いでいるからです。その物質は、ブレセニリン1とブレセニリン2・アミロイドのタンパク質が変異したのです。
❸環境因子と生活習慣因子
風景・気温・湿度・水などが、人に与える外的要因の他に生活習慣に関わりがあります。
不規則・運動不足・偏食・タバコ・飲酒・ストレス・食事でとる塩分や糖質が生活習慣に繋がるのです。
【糖尿病とアルツハイマーの関係】
糖尿病によって、アルツハイマーになるリスクが増大になってきています。血液の中の糖が継続して高いと、動脈硬化を起しやすくなりそれによって、心臓・脳の血管が傷ついて心筋梗塞や脳卒中を引き起こして、認知症に繋がり、アルツハイマーを発症するリスクが高くなります。なお、1型よりも2型の糖尿病が発症するリスクが高くなってきました。
糖尿病には、「糖尿病予備群」「糖尿病の境界型」があります。それは、血糖値が正常よりも少し血圧が高い状態のことを指しています。糖尿病の発症をするかどうかは、常に自分の血圧がいくらかあるかを知っていることが大事なのです。
糖尿病になると、食後の2時間後の空腹時のインスリンの数字が高い・インスリン抵抗性が強い傾向にも関わるのです。
食事をする30分前と寝る前に血液の糖度を測定して、食後の血糖でインスリンを自分で打って薬の服用が必要な人と食事と薬で対応できる糖尿病の人もいます。
低血糖になると、次のような症状が現れてきます。
低血糖の数字が70mg/dI空腹・震え・発汗・動悸・疲れ・混乱・無気力などの異変を起こした状態のままでは、危険を伴うのです。50mg/dI以下になると集中困難・眠気・めまい・疲労感などの影響がでて、中枢神経が場合によっては意識障害を招くおそれもあります。
それを抑えるために次のような処置が必要になってくるのです。
低血糖時は、氷砂糖やキャンディなどの甘い物を口に含ませて、不足したエネルギーの補給と体力の回復をはかり、木陰に静かに休ませることが低血糖になった時に有効な方法です。しかし、低血糖になっても、自覚症状がない場合もあるので注意が必要となるのです。
怖いのは、合併症を引き起こした時、体の一部で眼や足の他にも影響を及ぼします。
網膜症による眼の途中失明・腎臓働きが悪くなり人工透析を受ける・血流が悪くなって壊死した部分の足を切断手術を受けて、そのあとに義足を使うことになります。
亡くなられた歌手の村田秀雄さんも糖尿病により足の壊死で義足になったのです。
【糖尿病についての予防】
アルツハイマーにならないようにするには、生涯勉強する・よく頭をつかい、生活習慣病の予防と治療があるのです。血圧のコントロールができれば、認知の予防に繋がったり、栄養のバランス・運動不足・食べすぎ・飲みすぎに注意することです。生活の習慣について見直しをすることが必要になるのです。
①一日のカロリーでエネルギーをおさえる。
②高血圧に繋がる塩分をひかえる。
③バランスのよい食事と運動で予防する。
※基本的な治療として食事の他に運動をすることです。
認知の働きと維持と改善(地中海食)
・魚をたべる
・野菜、くだもの、ナッツ類をたべる
・オリーブオイルをとる
・チーズ、ヨーグルトはあまりたべない
・肉類を少なくする
・適量のワイン(赤)を飲む
エクストラバージンオイルをとる
糖尿病、高血圧などの血管の危険をさげました。
オリーブオイル、ナッツ類の油
体にいい油をとって予防に繋ぎ、善玉コレステロールを増やします。
αリノレン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸
・魚に含まれるのはDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)は、 血液をサラサラにします。
体によくない油
リノール酸、Yリノレン酸、アラキドン酸です。
・善玉コレステロールを減らすので、とりすぎには注意をしましょう。(リノール酸)
・酸化しやすいのでさらに病気の原因になります。
・サフラワー油、綿実油、大豆油、ゴマ油、マーガリン(少量使う)
ほうわ脂肪酸は動物性脂肪酸です。
・悪玉コレステロールが働き、血液をドロドロの元になります。
・中性脂肪を増やして、血液の粘度を高めます。
・バター、牛や豚の油、加工肉に含まれます
アルツハイマーになった人のリスクと付き合い方
糖尿病は、アルツハイマーのリスクと合併症を発症しやすいく、合併症になるリスクが高いのです。自己のコントロールができることのほかに、食事や運動で予防に繋がります。しかし、他の原因によってアルツハイマーになる人に、どう接していいのか?わからなくなるのも現実なのです。
そこで、優しく声掛けして、相手が安心できるようにすることが大事になるでしょう。
まとめ
今から6年前くらい前に、傾聴ボランティアの講師の先生に「母の病状について」話をしました。その時に言われたのが、名前や家族を忘れても「最後まで残る感情は好きと嫌い」と教えてもらいました。正直辛かったけど、今ではあの苦しんでいた母の姿を思い出すことはありません。
孫、子ども、配偶者、そして自分の名前も忘れた母が「病院に子供を連れて行った」そのあとに亡くなったのですが、会いたい人がやっと来てくれた!という安心したからでしょう。
病気で感情の乏しい中でも人には、やり残したことがないような生き方を教えてのも母だったかもしれません。
糖尿病やほかの病気でアルツハイマーになった人の話をラジオで聞いて、その時思ったのはこれからの人生で心配を抱えながら、自分らしく生きていることを感じました。
この本が出版されたのがいまから6年前ですが、その間に医療と治療と薬などが大きく比べられないほど前進したのではないでしょうか?
最新の情報は、病気になっている人には欠かせないので、周りの人が細心の注意と心がけてほしいと思っています。
少しでも糖尿病のことが気になっておられる方に役立つと幸いです。
岡本 卓著 (2014)アルツハイマー病とは何か
角川SSC新書
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