失語症、知っていますか?~誰でもなり得る病気だからこそ、知っておこう~

父親の車いすを引く娘の影

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こんにちは、どうも、ゆたです。

皆さんは失語症って聞いたことありますか?

私は全く知りませんでした。しかし、つい先日、とある動画と出会い、その動画を見て失語症について知るきっかけになりましたし、とても感動したので、皆様と共有しようかなと思います。

父と娘

動画引用:【失語症】うまく言葉が出ない父と女子高校生の挑戦!自らデバイス開発も?|アベプラ

こちらが私が出会った動画です。

日ごろからこのチャンネルは視聴していましたが、今回のテーマは『失語症』です。

動画が始まるとまず、映し出されるのは可愛らしい少女の姿。
彼女は16歳の女の子です。

その少女ははんだごてを使い、何やら不思議な機械を作っているようです。机の横には大きな3Dプリンターや電流をはかる機械などがあります。

女子高生の机とは思えないですが、彼女が制作しているのは父と話すための装置だったのです。

彼女の父は5年前の39歳の時、脳出血で倒れました。一時は危険な状態だったといいます。一命は取り留めたものの右半身には麻痺が残り、『失語症』と診断されました。

失語症って?

失語症とは、病気や事故で脳の言語中枢が損傷し、話す、書く、聴く、読むといったことが難しくなる病気です。

全国で50万にほど患者はいますが、皆様の中にも聞いたことなかった方が多いのではないのでしょうか?
私もそうでしたし、実際、あまり知られていない病気だといいます。

失語症は人によって症状も様々あります。

この動画ではリハビリの様子などもありました。
そこでは簡単な単語だけならお話することができますし、話している内容は理解している様子でした。

失語症の主な症状としてはこのようなものがあります。

失語症の主な症状

・言いたい言葉が出ない

・返答として適切ではない、関係ない言葉を発してしまう

・言われたことが理解できない

・文字や文章が読めない、書けない

それに加え、失語症の種類によっても症状が違います。
失語症の種類
①感覚性失語

言葉は流暢に話せますが、言い間違いや錯語が多く見られます。

(錯語とは「えほん→うほん」「めがね→めげね」といった発音する音の間違え(音韻性錯語)や、「いぬ→ねこ」「あそぶ→はしる」といった意味の間違え(意味性錯誤)などの症状を指します)

②運動性失語

話されている言語は理解することができ、どのようなことを返事したいかは頭に浮かびますが、自分の話したいことを言葉にすることができません。

③伝導性失語

基本的には流暢な話し方で、聞いたことに対する理解は保たれます。音韻性錯語が目立ち、間違いに気づいて何度も言い直しをしようとします。

相手の言ったことを真似する復唱も困難になります。

④全失語

「話す」「聞く」「読む」「書く」などすべての言語機能が重度に損なわれ、コミュニケーションを取ることが非常に難しくなります。身振り手振りなどを用いた非言語での表現方法を選択する傾向にあります。

詳しくは下記のURLからご覧になってください。

参考:社会福祉法人恩賜財団済生会 失語症

娘の選択。

父が倒れたとき、彼女は小学校6年生でした。父の変わり果てた姿にかなりショックを受けた、と話しています。

当初はどうしても気持ちの整理ができなかったといいます。

その時の思いや気持ちというのは私の言葉では伝わらないので、是非動画を見てくださると嬉しいです。

紆余曲折ありながらも父をサポートする彼女は、父と昔のように話すためにとある装置を開発しました。

その装置の名前は『チット』。
この装置は手を置きやすいように指の形にそった溝があります。その先にはボタンがあり、そのボタンを押すと音声が流れます。

親指は「なんで?」人差し指は「いつ?」中指は「どうだった?」薬指は「どこで?」などそれぞれのボタンによって音声は変化します。
いわゆる、3W1Hですが、この音声が会話の手助けになるといいます。

彼女曰く、「ご飯食べた?」「うん」で会話が終わってしまうときもその次の「どうだった?」と次の会話に踏み出すための役割がチットだといいます。

終わりに~この動画を見て~

私のこの動画に出てくる16歳の少女の姿にとても感動しました。

父の病気と向き合い、SNSで発信したり、リハビリをサポートしたりしています。

この動画の途中、「我々のような失語症ではない、外部の人間にしてほしいことはありますか?」という質問に、「そうですね。失語症患者の方と出会ったときはまず、時間をかけて向き合ってほしいですね。父も一つ一つの言葉を話すのに時間がかかってしまうことがあって、時間がかかると理解してないのかなとか、聞こえてないのかと思われてしまいがちなんですけど、そうではなくて理解はしているけど、自分の口から単語を結び付けて文して話すをするのが難しいので、時間をかけて会話してほしいです」と話していました。

こういったメディアで話すのはとても緊張することでしょう。それでもしっかりとした口調で自分の思いを話す彼女の姿に多くの人が胸を打たれることと思います。

 この動画に失語症向け意思疎通支援者の方からこんなコメントがありましたので抜粋して紹介します。

支援者

動画の中でお嬢さんが仰っておられましたが、失語症当事者さんとのコミュニケーションでは、ゆっくり待つことが非常に大切です。

・じっくり聞く

・ゆっくり話す

・丁寧に確認する

意思疎通支援者の基本であり、当事者さんとのコミュニケーションにおいて、合言葉にされている言葉です。

まだまだ新米支援者ですが、もっと経験を積んで、失語症当事者さんの社会参加の手助けがもっともっと出来る支援者になりたいと思っています。

彼女と父、そして、多くの失語症患者の方々に必要な支援が行き渡ること、また、失語症について多くの方の理解が得られることを願って、この記事を締めようと思います。

以上、相手はゆたでした。また次回の記事でお会いしましょう!

noteもしていますので良ければ遊びに来てくださいね♨

まとめ記事もあります、お時間がある方は是非!

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