認知症の種類と予防策 -認知症にならないために出来ること-

向き合って話す初老の男女

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こんにちは、金次郎です。

 父の認知症の事を書いたのが4年前。

 その父も、今は認知症に加えて加齢から足腰が弱くなりデイケアに通っています。
 この認知症には、色々な種類のタイプが有り、それぞれのタイプによって症状が違います。
 今回は、この「認知症の種類と予防策」について書いてみます

認知症とは?

 「認知症」とは、脳の病気や障害といった多岐にわたる原因により、脳の認知機能が低下してしまい、日常生活に支障をきたしてしまう状態のことです
 一口に「認知症」と言っても、大きく分けて4種類ありまして、それぞれの原因や症状は違います。
 しかし、種類を問わず年齢を重ねるにつれて発症のリスクは高まります。

 日本には、65歳以上の方で「認知症」と診断された人は、推計で約600万人(2020年時点)います。
 現在の日本は、少子高齢化が加速度的に進んでいますので、それに伴って認知症の患者も増えて行くと考えられており、2025年には約700万人(高齢者の約5人に1人)が「認知症」になると予測されています

主な「認知症」の種類と原因や症状

 「認知症」の4種類のタイプは以下の通りです。

アルツハイマー型認知症(認知症の中で最も多く、全体の約70%がこの型です)
  原因:脳の中の神経細胞に「アミロイドβ」と言う、たんぱく質が溜まり、それが神経細胞を
       破壊して脳が委縮する事により発症します。
     アミロイドβが蓄積されてしまう原因については、加齢や遺伝が影響すると言われて
     いるものの、明確な原因は分かっていません。
     しかし近年の研究で
      「糖尿病や高血圧の人はアルツハイマー型認知症になりやすい」
     と言う事が解明されて、予防には生活習慣の改善が重要と指摘されています。

  症状:初期は、食事をした事を覚えてないなど「物忘れ」の様な症状が始まります。
     その後「行動した事そのものを覚えていない」様になります。
     進行すると徘徊、失禁、性格の変化などが現われて来ます。

・血管性認知症(認知症の約20%)
  原因:脳梗塞や脳出血など、脳血管障害によって脳の血液の流れが阻害され、脳の一部が壊死
     する事で発症します。
     脳梗塞や脳出血は
      ・高血圧
      ・脂質異常症
      ・糖尿病
     などの生活習慣病が原因で引き起こされる病気です。
     ですから、血管性認知症を予防するためには、生活習慣を改善して血管障害を予防する
     事が大切です。

  症状:障害を起こした脳の部位によって異なりますが、歩行障害・手足のしびれや麻痺・排尿
     障害・言葉が出にくい・意欲低下・不眠・感情のコントロールができない等の症状があ
     ります。
     血管障害の発作が起こるたびに症状が段々と重くなっていきます。
     そのため、リハビリテーションや生活習慣の改善によって、血管障害の再発作を防ぐ事
     が重要です。 

・レビー小体型認知症
  原因:「レビー小体」と言う、特殊なタンパク質が脳に溜まり、神経細胞を破壊することで
     発症します。
     この、特殊なタンパク質が脳に溜まる原因は、現在も未だ解明されていません。

  症状:このタイプの認知症では
      ・手足の震え
      ・身体のこわばり
      ・歩行障害
      などの症状があり、転倒しやすくなるので注意が必要です。
      また幻視、うつ症状、睡眠時の異常行動なども見られます。
      記憶力や判断力といった認知機能の障害が変動しやすくて、頭がはっきりしている時
      と、
ぼーっとしている時を繰り返しながら進行します。
      気分や態度がころころと変わるのも、この認知症の特徴です。

・前頭側頭型認知症
  原因:脳の前頭葉や側頭葉が委縮して起こる認知症です。
     50〜60歳代の中年世代に発症しやすく、多くは10年以上かけてゆっくりと症状が進行
     していきます。
     今のところ分かっている原因として
      ・脳に「ピック球」と言う異常構造物がたまって発症するケース
      ・TDP-43と言うタンパク質が溜まって発症するケース
     がありますが、何故溜まるのかは、未だ解明されていません。

  症状:症状としては
      ・性格が極端に変わる
      ・万引きや悪ふざけ
      ・柔軟な思考ができない
      ・身だしなみが無頓着になる
     など反社会的な行動や思考能力の低下等の症状が現われます。

     また周囲の状況を考慮せず
      ・同じパターンの言動や行動を繰り返す
      ・時間に固執してスケジュールどおりに行動しないと気がすまない
     という特徴もあります。
     症状が進行するにつれて、物の名前が分からなくなったり、言葉が出なくなって来
     ます。
 

参考:(太陽生命)認知症の種類とそれぞれの原因・症状を解説
 

認知症にならない為に

 現時点で、認知症の治療法は残念ながら確立されていません。
でも
 ・認知症を予防するためには、普段どの様な生活をすれば良いか?
と言う事は、少しずつ分かってきています。

2年前に私が書いた「若年性認知症」の記事。

こちらの「治療方法」の項目に、
 ・治療法は未だ確立していないけど、食習慣・生活習慣・運動習慣を見直してバランスの良い
  生活をしようと書きました。

今回、上記各習慣に加えて以下の事も行ってみましょう。

・対人コミュニケーションをする
  人と会話をする事は頭を使うので、脳が活性化されて認知症の予防が期待できると言われて
  います。
  最近は老若男女を問わず、一人暮らしの方が多くなり、一日誰とも話さずに過ごす人もいる
  でしょう。
  機会が有れば、地域の交流会やボランティア活動に参加して人と話す事をしてみましょう。
  対面では無くても、電話やインターネットのチャット機能を使った会話でも良いです。
  人と会話する事は、脳に良い刺激になります。

・知的活動
  知的な活動をする事によって「認知症予防」になると、今までの研究で報告されています。
  例えば、パズルやゲーム、楽器演奏などです。
  また、農作業や調理も、手先と頭を同時に使うため認知症予防に良いと考えられています。
  上記以外にも、日記を書く・絵本を読む・絵を描くなども知的活動です。

・睡眠習慣
  十分な睡眠や昼寝が、認知症の予防に繋がる事が研究で明らかになっています。
  これは寝不足になると、脳の中に不要な老廃物がたまってしまい、認知症の原因になる事が
  有るからです。
  十分な睡眠を取る事で寝ている間に脳の中の不要な老廃物が排出され、認知症の予防になる
  と考えられています。
  でも、寝ればよいと言う訳では無く、「質のよい睡眠をとる」事が大切です。

 厚生労働省の「睡眠の質の評価指標」です。
  ・日中に、過度の眠気や意図しない居眠りがない
  ・寝起きが良好で、目が覚めてからすぐに動くことができる
  ・寝床についてから入眠するまで、時間がかかりすぎていない

参考:(厚生労働省)より健康的な睡眠を確保するための生活術(pdf形式 13ページ)

 これら質のよい睡眠をとる為にも、寝る前にスマートフォンを見たりパソコンを使ったりテレビの視聴は控える様にしましょう。 

以下は、これも2年前に書いた「スマホ認知症」の記事です。

 後は、昼寝も認知症の予防効果が有ると考えられていますが、夜の睡眠に影響が出ない様に30分くらいが良いとされています。   

参考:(SOMPOケア)【医師監修】認知症予防は生活習慣から|認知症のリスク要因と今日からできる予防習慣

終わりに 

 家族の中に認知症になってしまった人を抱えていると、大変な事を実感しています。
 幸い、母が未だ思考能力も衰えず父を支えていますので、私はこうして事業所に出勤して仕事が出来ています。
 しかし、もし母も動けなくなって介護が必要になってしまったら、両親の世話の為に、私は働く事が出来なくなってしまうでしょう。
 住んでいる団地内にも、その様な家がいくつか有ると母から聞いています。
 遠からず、私にもその日は来るでしょう。
 その日をなるべく遅らせる為に、母の負担を減らす事をしています。
  ・平日:夕食の後片付け
  ・休日:夕食に加えて昼食の後片付け
  ・日曜:母の買い出しの荷物持ち

 また、私自身も病気に罹らない様に、気を付けて生活しなければと思っています。

※ 以下は、AKARIの記事で「認知症」について書いている記事の一覧です。
  気になるタイトルの記事が有れば、併せてご覧ください。
  ・AKARI記事一覧 「認知症」

  

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