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こんにちは、翼祈(たすき)です。
2月3日は節分。家庭や幼稚園などで豆まきをする機会も多いです。一方で、硬い豆やナッツ類が原因で、小さいお子さんが誤嚥や窒息する事故も相次いでいます。消費者庁は「5歳以下には福豆やナッツ類を食べさせないで」と注意喚起をしています。
2020年2月には島根県松江市にある認定こども園で、節分の豆まき行事中に園児(当時4)が豆を詰まらせて窒息死する事故が起こりました。
消費者庁の調査では、食べ物が原因で14歳以下のお子さんが窒息して亡くなる事故は2010~2014年の5年間で103件、発生しました。窒息事故の原因となった食品の内訳はマシュマロや団子、ゼリーなどのお菓子類が11件と最多でしたが、72件は何を食べて窒息したのかは分かっていません。
豆まきをする時は、周囲が気付かない間にお子さんが豆を拾って食べてしまわない様に、そのまま食べられない様に個包装された豆を使用したり、残った豆をお子さんが食べない様に後片付けを徹底したりすることが求められています。
今回は小さいお子さんの豆での窒息事故について、考えていきます。
なぜ、子どもの豆による窒息事故は起きるのか?
食べ物を喉や気管支に詰まらせる「気道異物での窒息」事故。お子さんが亡くなることもありますが、アーモンドや節分の時にまく福豆などの硬いナッツ類が原因で窒息事故が起きることは余り浸透していません。
埼玉県さいたま市の当時10歳の小学4年生の女の子は約5年前、アーモンドを喉に詰まらせて亡くなりました。窒息事故は、当時中学生だった姉と自宅で一緒に留守番をしていた時に発生しました。
女の子は姉とゲームをしつつ、1cm程度の大きさのアーモンドを口に入れた瞬間、咳き込んでけいれんを起こし始めました。姉は急いで救急車を呼んで妹の背中をさすり続け、女の子はそのまま病院に救急搬送されましたが脳死状態となり、約3ヵ月後に亡くなりました。アーモンドは水分を含んで膨らんでしまい、気管をすっぽり塞いでいました。
母親は「餅や、こんにゃくゼリー、あめ玉は喉に詰まりやすいと理解していましたが、まさかたった一粒のアーモンドが娘の命を奪うなんて考えられませんでした。娘の窒息事故を教訓に、お子さんに硬い豆を食べさせる時には十分に注意を払って欲しいです」と述べました。
消費者庁と国民生活センターと連携する30ヵ所の医療機関から2010年12月~2020年12月に相談された14歳以下の誤嚥や窒息の事故情報では、豆やナッツ類が原因の事故は31件ありました。「2歳児が乾燥豆3個を食べて咳込み出して、噛み砕いた豆と同時に5分後に血を吐き出した」「もっと欲しがって泣いた2歳児が、アーモンドを口に入れたまま歩いている時にむせて咳込み、気管支異物が原因で6日間入院した」などの事例が寄せられたといいます。
消費者庁によりますと、小さいお子さんが噛んだり飲み込んだりをスムーズにできる様になるのは6歳頃と言われ、乾燥した豆は硬いことと、特に歯が生え揃う前の小さなお子さんは奥歯が生え揃わず、歯が未熟ゆえに噛み砕く力や飲み込む力も弱いです。窒息事故が起こる原因は、お子さんが硬い豆を口の中に入れている時に転んだり、驚いて息を吸ったりした衝撃で気管支に入り込むケースが多いとされます。小さく砕いた豆でも、カケラが気管に入り込んで肺炎や気管支炎を発生させることがあるとされます。豆を取り除くには全身麻酔を施して、喉から細長い器具を挿し込んで、豆を掴み取る手術が必要です。
異物が喉に詰まり窒息したケースは、5分以内に異物を取り除かないと亡くなる危険性が高いです。もしも起きてしまった時には、1歳未満の場合は頭を下にして背中を5回叩いた後に、仰向けにして胸の中央を5回押すことを繰り返し行います。1歳以上の場合は、後ろから片手で胸と下あご部分を支え、反対の手で背中を何度も叩く「背部叩打(こうだ)法」などの応急処置を行い、意識が戻らなければ心肺蘇生も行って下さい。
呼吸が苦しそうにしている▽顔色が青白くなっている▽ぐったりして呼びかけても反応が薄い、といった場合は早急に救急車を呼んで下さい。判断に迷った時は子ども医療電話相談(電話番号#8000)でも対応を相談可能です。
消費者庁は、窒息や誤嚥の事故を予防すべく、以下のような注意点を示しています。
・硬くて噛み砕く必要のある豆やナッツ類は、5歳以下のお子さんには食べさせないで下さい。
・節分の豆まきをする時は個包装されたものを使うなど工夫をし、5歳以下のお子さんが豆を拾って口に入れないように、後片付けを徹底して行って下さい。
・兄姉がいるご家庭では、兄姉が豆やナッツ類を食べている時、5歳以下のお子さんが自分も欲しいと泣いても与えないで下さい。
・食べている時は、姿勢を正し、食べることに集中させましょう。お子さんが泣いている時に食べ物を与えるのも止めて下さい。
参考:節分の豆、窒息で死亡事故も 消費者庁「5歳以下は食べさせないで」 朝日新聞デジタル(2023年)
消費者庁によりますと2010~2016年に豆を気管支などに詰まり、病院を受診した3歳以下のお子さんは少なくとも20人以上いて、その半数は入院もしました。
三重県津市にある三重耳鼻咽喉科の院長の女性は「乾燥したナッツ類も、気道異物事故の原因だと多くみられます。豆は喉に詰まってしまう窒息だけではなく、豆のカケラが気管支に詰まる危険性も起こり得る」と説明しています。
豆でも、ですが。
2023年1月に餅で窒息事故が起きているという記事を書きましたが、まさか豆でも窒息事故が起きているなんて知りませんでした。餅に関してはお年寄りの方に注意して下さいねという話ですが、お子さんの気道もまだ身体が未熟な分狭いんですね。
結構窒息事故の件数も高くて驚きました。私の家でも小さい頃から節分には豆まきの習慣がありましたが、私の家では年の数だけ豆を食べる習慣があります。小さい頃はそれで言うと、食べる豆も少なかったので、良かったんでしょうか?
お子さんと窒息事故は餅にしかり、ボタン電池にしても、本当に目が離せないんだなと思いました。小さいお子さんがいらっしゃる家庭では、気を付けて頂きたいと思い、この記事を綴りました。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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