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こんにちは、改めましてM. Jです。
前回の記事で時差出勤の基本的なことについて書きました。
企業が現在の働き方だけで今後の日本経済を活性化させようと思うと、どうしても厳しい部分が出てきてしまうと私は考えています。
核家族化や離婚などでシングルになる場合が多く、「育児に対してのサポートが少ない」「保育園の送迎が厳しい」といったことで仕事ができない状態が比較的多く見受けられているからです。
また、多くの労働者は「病院受診の時間を取ることが難しい」ために、仕事と病院受診の両立がうまくできないといったこともよく起きています。
現在の全員が同じ時間で通勤する勤務形態だけではなく、「多様な働き方ができれば悩みを解消できるのに」と感じている方が多いと思います。
今後、日本の労働環境を良くしていくために「シングルで子育てをしている方」「病気を抱えた方」が働きやすい社会を「システム化」によって創っていく必要性があります。
そのシステムが「時差出勤」「フレックスタイム制」などの新たな労働のシステムです。
これらのシステムが導入されている企業はまだ少ないですが、今後これらのシステムが多くの企業で取り入れられるようになると、「働きやすい社会」「豊かな社会」となって労働人口も増えていくと思います。
特に、中間管理職以上の皆さんには前向きに考えていただきたいです!
今回は、以下の項目に沿って多様な働き方を導入すべきケースを中心に書きます。
前回の記事と併せてご覧になっていただけると、よりわかりやすいと思います。ぜひ最後までお付き合いください。
- 保育園への送迎の負担を減らすための働き方の変更
- 病院受診しやすくするための働き方の変更
- 海外の労働システム
- 日本の労働システムの問題点
- 日本で多様な働き方を導入している企業の実態
- フレックスタイム制を導入しよう!
- 働きやすい社会を目指して!
次の項では、多様な働き方を導入する理由について育児をしている人の目線で書きます。
保育園への送迎の負担を減らすための働き方の変更
現在の労働のシステムで、最も「働きづらさ」を感じているのは「シングルマザー・シングルファーザー」ではないでしょうか。
具体的にシングルの親などが抱えている負担には、どのようなものがあるのでしょうか?
【シングルの親などが抱えている負担】
①子育てにおける役割(負担)が1人の親にかかり、ストレスが過剰にかかる。
◎「一家の大黒柱」になることに加え「家事全般」を1人でしなければならない。
②時間が充分に取れない
◎「フルタイムでの労働」や「残業が多い」場合、時間の余裕がなく、ストレスか多くなる。
《母子家庭の母親41.1%が午後6〜7時台までの間に帰宅している》
- 休みの日・時間が少なく、自分の「プライベートの時間」が取れない。
- 子どもと「触れ合う時間・話す時間」が取れず、親が「罪悪感」を覚えてしまう
- 子どもの「精神状態の悪化」を気にしなければならない。
- 子どもの「行事(授業参観など)に参加すること」ができない。
③経済的に厳しい
- パートなど、勤務体系によっては収入が少ない場合がある。
母子家庭で、「収入が低い」という理由で転職を選択した方が28.5%と約3人に1人います。また年間収入も母子家庭の26.2%の方が200万円〜300万円未満であり、15.9%の方が100万円〜200万円未満であることがわかりました。母子家庭の年間平均収入は260万円であることが報告されています。
④「長時間労働」や「休日出勤」で体調を崩しやすい。
- 一気に退職に追い込まれることも・・・
⑤会社での人間関係に悩む
- 子どもの都合で「欠勤が多くなる」と会社での印象が悪くなる
- 会社の理解がない場合は「退職せざるを得ない雰囲気」になる。
【労働のシステムによる負担】➡︎勤務時間・通勤時間が長い
- 勤務時間が長くなったり、始業時間が遅いと「保育園のお迎え」が遅くなる。
- 通勤時間が長い(=職場が遠い)と「保育園のお迎え」が遅くなる。
- 子どもが「体調不良」になった場合、すぐ対応することができない。
- 災害・人身事故などのアクシデントが起きた時、対応が難しい。
以下の文献は、特にシングルマザーに向けての「サポート(支援)の制度」についてわかりやすく書いてあります。ご覧いただけると有り難いです。
保育園は「7:00〜18:00」が標準時間と言われており、その時間内で送り迎えすることが多いです。
保育園によっては、お迎えを「17:00~18:00の間にするように」言われているところもあります。
フルタイムで働いているシングル親の場合、現在の働き方では送り迎えの負担が大きいです。
シングルでなくても「夫の協力がない、または協力できない」場合も負担が大きいです。
ハッキリ言って、現在の労働システムは子育て世代の親にとって「働きづらい」です。
時差出勤やフレックスタイム制などの「多様な働き方」を導入していかないと、子育て世代の親の「就職・業務」に大きな影響を与えてしまいます。
また、多様な働き方を導入すべき方達は、シングルの親を含めた子育て世代だけではありません。
働きながら病院受診をしなければならない場合においても「多様な働き方」が必要だと言えます。
次の項では、多様な働き方を導入する理由について病院を受診しなければならない人目線で書きます。
病院受診しやすくするための働き方の変更
具体的に、病院を受診しなければならない方の負担には、どのようなものがあるのでしょうか?
【病院を受診しなければならない方にとっての負担】
①就業規則に則って病院受診をする必要がある。
- 「緊急の場合は、業務時間中に通院してもいいルール」「病気有給休暇」「休職制度」など、通院のルールがある企業とない企業がある。
- 通院のルールがなく通院できない場合「ブラック企業」のことが多い。
②早退や有給を取得して受診する必要がある。
- 勤務形態に応じて有給休暇を取得する必要がある。
《パートの社員でも、一定の基準を満たせば有給休暇を取得できる》
- 病院に行かなければならないほど「体調が悪い時」は、早退の許可を取る
- 病院に行く前に具体的な症状や通院の日時を上司に伝えて業務等を調整する
- ほかの社員に対しての引き継ぎをしっかり行う
③上司や同僚に病気のことを説明し、理解を得る必要がある。
- 通院の時間帯や通院回数を工夫するなど、努力は必要になる。
- 病気のことは、上司や同僚に隠さないようにする。通院のたびにするのは負担が大きい。
- 病気を隠して働くと、無理をして体調や精神状態が悪化してしまう危険性が高くなる
一般的に病院の診療時間は、基本的に「9時(午前9時)〜18時(午後6時)」であることが多いです。
フルタイムの方は、仕事を休むか早退することでしか病院に受診することができません。
パートの方も勤務の調整が必要になり、負担が大きい場合があります。
病院受診の回数があまりに多くなると、労働時間などの関係もあり、周囲との人間関係の問題が発生して、仕事の継続が困難になることが多いです。
このように、現在の労働環境では、病院受診に対応することができないことが多く発生しています。
病院受診が多いと「仕事」か「病気の治療」かの選択を迫られる場合もありますので、そういう方には特に多様な働き方が必要だと言えます。
今度は、日本ではなく海外に目を向けてみましょう。海外ではどのような労働環境になっているのでしょうか?
次の項では、海外で取り入れられている労働システムについて書きます。
海外の労働システム
【海外の労働システム】
①ドイツ・・・タイムマネジメントの概念が浸透している
- ドイツで賞賛される人材《与えられた仕事を時間内にできる人》
- 「デュアルシステム」という学生のうちに仕事を学べるシステムが整っている
- 人生の早い段階で、特定の職種に必要な知識・技術が身につく
- 転職が比較的少ない
- 日本よりも平均の労働時間が短い:5.6時間/1日
②オランダ・・・世界的に見ても「ワークライフバランス」を実現している
- 労働制度と休暇制度が充実している
- 育児休暇:子どもが8歳まで取得可能
- 父親休暇が取得可能→男性の育休がある
- 産前産後休暇:出産前後16週(約4ヶ月)取得可能
◎休暇の申請が100%保証される法律が整備されている。
- 雇用主は休暇の申請を拒否することができない
◎フレキシブルワーク(多様な働き方)の制度が整備されている。
- 在宅勤務と出社の組み合わせ
- パート労働者の扱いが正社員労働者の扱いと同様
③アメリカ・・・基本的に「実力主義」
- 採用の方法→通年(特に時期は決まっていない)》
- 各産業において「即戦力の人材」を求められている
- 新人社員であってもバリバリ仕事ができるだけの技術が必要
- 学生のうちに社会経験をしている人も多い
- キャリアアップを目的とした転職が当たり前で人材の流動性が高い
- 日本よりも平均の労働時間が長い→7.5時間/1日
(日本の平均の労働時間:7.1時間/1日)
このようにドイツやオランダなどヨーロッパ諸国では多様な働き方のシステムが進んでいるようです。
「労働時間の短縮」「産前産後の休暇」など社員にとって「働きやすい環境」となっています。
現在の日本の働き方も改善していかなければならない部分が多いようです。
どのような部分を改善していかなければならないのでしょうか?
次の項では、日本の労働システムの問題点について書きます。
日本の労働システムの問題点
①低賃金
- 1世帯の平均所得金額は、1994年をピークに減少している。
《2018年は1994年時点より約17%減少している(約545万円)》
- 税金の引き上げなどによって社員の家計状況は厳しくなっている。
②人手不足
- 世帯所得が減少しているので、子どもを産めなくなっている。
- 少子高齢化によって「生産労働人口(=労働に従事できる人数)」が減少している。
- 人件費削減のため人員削減を行っている。
③長時間労働
- 1人あたりの仕事量が多くなっている。→残業や休日出勤の増加
- 欧米諸国よりも労働時間が長い。
- 日本で週40時間(1日8時間)以上労働している社員→60%
④生産性の低下
- 主要先進国の中で生産性は最下位。
詳しくは、以下の3つの文献にわかりやすく記載してあります。ご覧いただけると有り難いです。
参考:shouin+ブログ:労働環境とは?日本の現状と問題点
厚生労働省:働き方の変化とワーク・ライフ・バランス(PDF)
現在の日本の労働環境で以下の悪影響が出現しています。
◎低賃金・長時間労働によって、社員の社員の不満が爆発して「離職」してしまう。
◎人手不足によって「社員1人1人の負担」がものすごく増える。
◎仕事の意欲の低下によって生産性が低下する。
なかなか解決しづらい難しい問題といえます。
しかし、日本でも「多様な働き方」を実践している企業があるようです。
どのような企業が多様な働き方をしているのでしょうか?
次の項では、日本で多様な働き方を導入している会社の実態について書きます。
日本で多様な働き方を導入している企業の実態
《トヨタ自動車》
制度:「時短勤務制度」「在宅勤務制度」
目的:「女性社員の活躍を重点に置く」「育児・介護の制度充実」
効果:「女性社員の退職者の減少」「女性管理職・女性技術者の増加」
《株式会社ワコール》
制度:「短時間勤務制度」「育児・介護休業制度」
目的:「女性社員の離職率を抑える」「育児・介護への支援制度の充実」
効果: 「育児休業復職率100%」
《株式会社シップス》
制度:「掃除を営業時間内に施行(今までは営業時間外)」
目的:「社員の離職率を抑える」「残業の原因の追求」
効果:「残業:25%減」「深夜残業:38%減」「売上:5億円増加」
《サイボウズ株式会社》
制度:「100人いたら100通りの働き方」「在宅勤務」「育児休暇」
目的:「新規での採用と教育のコストを抑える」「離職率を抑える」
効果:「離職率が劇的に減った(4%以下に減少)」
多様な働き方を導入している企業は、大企業が多いイメージです。
ただ、これらの多様な働き方をかなり昔から導入している業界があります。
それは「医療・介護業界」です。
「早出・遅出」という勤務体系が多様な働き方の出発点のような感じがします。
同じ時間に「一気に人がいなくなってはならない業界」なのでこのような体系になったのだと思います。
ですので「医療・介護業界」の一部を参考にすれば導入しやすくなるのではないでしょうか?
前述の子育て世代の親や病院に受診しなければならない方たちにとって、どのような勤務形態が合っているのでしょうか?
次の項では、フレックスタイム制の導入について書きます。
フレックスタイム制を導入しよう!
現在の労働環境で「働きづらさ・身体的な負担・精神的な負担」を感じているかたは多いです。
今回の記事で挙げた「シングルの親の育児、病院受診など」で働き方を考慮していかないといけないかたも多いです。
このような方々が働きやすくできそうなシステムが、「フレックスタイム制」です。
【フレックスタイム制とは・・・】
- 1日の「労働時間の長さを固定しない」働き方
- 1ヶ月単位の「総労働時間」を定める働き方
- 労働者が「労働時間」を自分で決める制度
【フレックスタイム制の仕組み】
フレックスタイム制には「コアタイム」と「フレキシブルタイム」という時間帯がある。
《1》コアタイム
- 労働者が1日の中で「必ず働かなければならない」時間帯。
《2》フレキシブルタイム
- 社員が自らの選択で「労働時間を決定することのできる」時間帯。
【フレックスタイム制のメリット】
①労働者のワークライフバランスが取りやすい
◎仕事とプライベートのバランスが取れる。
◎子どもの「保育園の送迎」ができる。
◎病院を「受診する時間」が取れる。
②無駄な残業を削減できる
◎仕事の少ない日(=閑散期)は、早く切り上げることができる。
◎仕事が多い日(=繁忙期)は、集中して仕事に取り組むことができる。
◎繁忙期の「時間外労働」を少なくすることができる。
《無駄な残業代の増加を減らすことができる》
③役所や銀行に行き、必要な手続きをすることができる
◎役所や銀行は「土曜日・日曜日・祝日」が休み。
《平日に「仕事を休んで」必要な手続きができる》
④通勤ラッシュを回避できる
⑤多様な人材の確保につながる
フレックスタイム制のほかにも、さまざまな勤務体系があります。
【そのほかの勤務体系】
《1》短時間正社員
《2》テレワーク
詳しい内容については、以下の文献に記載しています。ご覧いただけると有り難いです。
参考:厚生労働省:令和4年度「治療と仕事の両立支援」セミナー(PDF)
厚生労働省:フレックスタイム制/解説&導入の手引き(PDF)
フレックスタイム制は、保育園の送迎や病院受診に対応しやすいシステムなので、導入されれば一気に「働きやすい方たち」が増えていくと思います。
現在の朝早くみんなで出勤する形で働くことが難しい方たちが、「働ける・働きやすい」労働のシステムがメジャーなものとなっていくとがもっと「生きやすい社会」「豊かな社会」になっていくと思います。
どうにかして、このような多様な働き方が導入されることを願っています!
働きやすい社会を目指して!
以上、「多様な働き方を導入してみよう!」でした。
今後、子育て世代の親や病気を抱えた方といった人たちにとっての「働きやすい環境づくり」はなお一層重要となります。
働きやすい環境づくりと労働者の健康増進に向けて重要なことを下記にまとめました。
【働きやすい環境づくりのために重要なこと】
①労働者の安全と健康の確保を重視する
②仕事と「育児・病院での治療」の両立ができる環境設定
③個別の事例に応じた対応を徹底する
④企業・事業所で「配慮すべきこと」などのルールをつくる
⑤企業・事業所の担当者と保育園の担当者・医療関係者との連携
【労働者の健康増進のために重要なこと】
《1》長時間労働の削減
《2》病気の予防・身体的な負担の軽減
《3》メンタルヘルスの充実
《4》ハラスメントの予防・解決
《5》相談体制の整備
労働者が、労働時間を決めることができる「フレックスタイム制」などの多様な働き方がメジャーなものになれば、「働きやすい」「生活しやすい」社会になっていくと思います。
子育て世代の親や病気を抱えた方が、1人でも多く「充実して働くことができること」が日本社会の活力となるのではないのでしょうか!
記事をご覧いただき、どうもありがとうございました!
今回の記事は、以下の文献を参考にしました。
参考:GATEN職:母子家庭のママにおすすめのお仕事を徹底紹介!
SAMURAI ENGINEER:シングルマザーの仕事辞めたい理由
猫と木漏れ日:仕事辞めたい。シングルマザー離職・転職のススメ
以下の文献は、シングルの親の生活実態と親を支える制度について詳しく記載してあります。ご覧いただけると有り難いです。
以下の文献は、多様な働き方についての厚生労働省などからの資料です。詳しく記載してあります。ご覧いただけると有り難いです。
国土交通省:事業所における「エコ通勤」実施の手引き(PDF)
今後について
興味があることや、今後書いていきたい記事のテーマとして、充実した冬の生活:パート1《ヒートショックを防ぐ工夫と生活習慣》充実した冬の生活:パート2《坐骨神経痛の軽減について》、ペインクリニックでの医療と今後の課題があります。
皆さんに役立つ情報を届けていければと考えています。
今後ともよろしくお願いします!
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