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今月から春ドラマが始まりますね。
好きな女優さんや、気になるストーリーがあって、わたしはこれから大忙しになりそうです。(笑)
ところで皆さんは、先月までの冬ドラマ、何をご覧になりましたか?
わたしはいろいろ観たのですが、その中のひとつに『星降る夜に』があります。
この物語には、過去に辛い死を目の前にした産婦人科医・10年前に妻とお腹の子を亡くしてしまった新米産婦人科医・そして、悲しみを抱えた人を優しく包み込む聴覚障害の遺品整理士が登場する、ハートフルドラマなのです。
このドラマで新鮮だったのが、「遺品整理士」という職業の登場人物です。
わたしが今まで見てきたドラマには、出てきたことがない役柄です。
医療と遺品整理士という職業をうまく結びつけたドラマになっていると思います。
遺品整理士とは?どんな仕事??
遺品整理士は、一般財団法人遺品整理士認定協会が認定する資格です。
遺品整理士は単純に不用品を回収するだけの業者ではありません。
亡くなった方の遺品を整理して、遺族に引き渡す役目を持つ職業です。
一見するとなんの変哲もないように見える物であっても、故人をしのび、尊重して大切に扱うということがモットーです。
遺品を供養の心をもって、一つ一つ向き合いながら整理することが遺品整理士の仕事です。
さらに、自宅の処分方法や遺産協議の方法など、相続手続きを代行する役目もあります。
生前、遺品整理に関連する相談やアドバイスも行います。
遺品を換金するにはどうしたら良いかという相談もあるでしょう。
その際には適切な専門家を紹介することも、遺品整理士の大切な仕事です
今、遺品整理士が必要とされている!
さだまさしさんの小説『アントキノイノチ』という作品が映画化され、遺品整理士について知った方も多いようです。
遺品整理士という仕事が注目され始めたのはここ最近のことで、それまでは一般の清掃業者などが依頼を受けていました。
しかし当時は法整備が進んでおらず、高額請求や、悪質な不用品買い取りや持ち出しが行われるなどのトラブルが相次いでいる状況だったようです。
そこで遺品整理士としての仕事の重要性が高まり、社会的に注目されることになりました。
さらに、昨今の少子化により遺族の数が減少し、遺族の高齢化が増えています。
賃貸住宅の場合は、早く部屋を明け渡さなければなりません。
遺族がいないケースもあるかもしれません。
また、遺品関係には法令が多く存在します。
法に則った処分が必要となる中で、限られた時間で的確に遺品整理を行うのは難しいです。
最近はデジタル遺品の扱いも重要な項目となってくるため、さらに時間がかかります。
そこで、遺品の取扱い方、廃棄物処理法、遺品整理に関する法令をマスターした遺品整理士が必要とされているのです。
遺品整理士に依頼するメリットとは?
大切な家族の死を惜しみたくても、事情によりうまく遺品の整理ができない状況もあると思います。
そこで、遺品整理士に遺品整理の依頼するメリットをご紹介します。
①作業する時間がないとき
一見簡単だろうと思われがちな遺品整理作業ですが、まだ使えそうな日用品をどこまで処分していいのか迷ったり、必要な書類か不要な書類かを見分けたりすることに想像以上に時間がかかってしまうことが多くあります。少しずつ終わらせるにしても、毎週末を実家の片付けだけに費やすことは徐々に精神的にストレスになってしまうこともあり、遺品整理業者に依頼するケースが増えてきているようです。
②間違って、故人の大切なものを処分したくないとき
一気にすべてを不用品として片付けてしまうことも可能ですが、故人が大切に使っていた想い出の品や、形見のアクセサリー、または遺言書や土地の権利書などまで誤って処分してしまっては困ります。生前にどこにしまってあるかを遺族に知らせないままだったり、自分で探してみてもなかなか見つからない状況も多くあります。
経験豊富な遺品整理士は、本の間に挟まっている手紙や、タンスの引き出しの裏にテープでくっつけてある現金などよくあるパターン知っているので、見つけてくれる確率が高いのだとか。
③大型家財も丁寧に扱ってほしいとき
家具や家電などの中には1人で運び出すことが困難なものもあるでしょう。高齢の方や女性だけだと、ひとりで運び出すのが困難な家具もあるでしょう。大きな荷物を運び出してもらうことができるのも、遺品整理業者のメリットです。
④遠方にいるとき
亡くなった方と依頼者が住んでいるところが距離的に遠いとなかなか自分で作業することが難しいでしょう。例えば自分が東京に住んでいて実家が北海道にある場合、片付けのためだけに何日も会社の休みを取ったり、通ったりすることは困難でしょう。信頼できる遺品整理業者に委任状とあわせて実家のカギを渡すことで、立ち会い不要で作業をしてもらうケースも多々あります。
遺品整理士になるには?
悲しいことに、現状国民生活センターへの遺品整理関連の苦情は、後を絶ちません。
高額な請求・遺品の盗難・不当な買取査定・遺品への粗雑な扱い・不法投棄など、依頼者に不安や悲しみを助長する業者が増えているのも事実です。
遺族の方の心に寄り添って大切な遺品を整理するためには、それにふさわしい心持ちで作業をすることが重要です。
また、誠実かつ法令を順守した作業をしていくうえで、正しい知識や作業ノウハウを持つことも不可欠です。遺品整理を行う業者は、様々な知識やスキルを持ち、心配りができる必要があります。
遺品整理士の資格は、廃棄物処理の知識や、ご依頼者様への接客マナー、遺品の丁寧な取り扱いなどの技術をマスターして、与えられるのです。
さらに、資格を取得してからも、協会は人材教育に力をいれています。
こんな仕事もやっています
①特殊清掃
特殊清掃とは亡くなった方の体液や臭いを除去してくれる専門サービスです。近年、高齢者の孤独死が社会問題となっています。死亡してから時間が経過して発見された場合は遺体が腐敗してしまい、清掃が大掛かりなものになってしまいます。とても素人では解決できるものではないので、サービスが必要になってきます。ドラマでもこのシーンがありました。
②遺品の供養・お焚き上げ
遺品供養とは故人の愛用品を寺院や神社にて供養してくれるサービスの事です。捨てずらい人形や写真も供養することによって故人を偲び、処分することができるようになります。遺品整理業者によっては無料の合同供養をしてくれる場合や、宗派にあわせて現地にお坊さんを派遣した現地供養を行ってくれるケースもあります。
③遺品の買取
遺品整理で特に大変なのは、大量に出てきた不用品をどう処分することではないでしょうか。また作業料金から買取金額を値引きしてくれので費用を安く抑えることにもつながります。遺品整理の業者はリサイクルショップや海外リユースで日本の家具家電を東南アジアに販売している業者も増えています。また査定士や鑑定士と提携しているケースもあるため、自分だけでは価値が分からないというものでも、その道のプロがしっかりと査定し、適切な方法で買取処分してくれます。
④解体工事
持ち家の方の場合は遺品整理後に家を取り壊しする場合があります。遺品整理業者では自社で解体工事を行う場合と、解体業者と提携しているケースがあります。いずれのケースでもスムーズに工事を進めてくれるため、手間の削減になります。ちなみに解体後の土地に息子夫婦が新築を建てるケースも珍しくありません。
遺品整理は遺品処理ではない!!
遺品整理とは、亡くなった人の持ち物を整理し、部屋をきれいに清掃することです。
多くのものをスッキリと片付ける、という点で大掃除と似た感覚がありますが、性質は異なります。
遺品は亡くなった方の思い出の詰まった品物ばかりなので、処分をためらってしまうこともあるでしょう。
整理をしているうちに手が止まってしまったり、捨てる決断がつかずに物の量が減らなかったり…といったことも起きてきます。
「遺品はゴミではなく、故人の生きた証」なのです。
さらに重要なのは、故人の持ち物には遺書や預金通帳・証券類といった貴重品が含まれている可能性があるという点です。
パッと見ただけで迂闊に捨ててしまっては危険なものも含まれているのです。
貴重品には相続に関連するものも多くあるので、ポケットの中やタンスの裏など細かなところまで入念に確認することが必要です。
遺品整理は生きているうちにやってしまう人も多くなっています。
残された家族に迷惑をかけたくないとか、やはり高齢化の波によるものかもしれません。
大切にしたい物も、丁寧に扱ってほしいですしね。
現在、動画配信サービスのAmazonプライムビデオ内で、『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』というドラマが配信されています。
同じくこちらも、亡くなった方を偲ぶ遺族のための特殊なお仕事で気になりますね。
ぜひチェックしてみようと思います。
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