初投稿:私と嘔吐症状との今に至るまでの付き合いを辿る

嘔吐症状

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はじめまして、今日は私が患った病気の体験などについてお話していこうと思います。

1.病気の兆候

私は元からストレスに耐性がなく、小学校時代や中学校時代には無視や嫌がらせを度々受けていたこともあり中学在学中からストレス起因であろう抜け毛に悩まされていました。

今の症状の片鱗が見えたのは高校に入学してからです。何もない時にふと軽い吐き気を催すだけの症状で頻度はそれほど多くなく、大学時代もそれは変わりませんでした。

2.最初の発症から一旦終息するまで

大学で大きな挫折を2度経験してしばらく経った後にそれは顕れました。2009年4月、長崎のイベントに行く前に朝食を摂ったあと不意に吐き気に襲われそのまま嘔吐しました。

イベントには無事に行くことができたのですが、その後段々と症状が悪化し市役所の筆記試験中や郵便局の面接中、映画鑑賞中などに呑気、心拍数の増加、喉の乾き、唾液の分泌増加、手のひらや顔からの発汗(あぶら汗)に続いての吐き気、嘔吐に繰り返し襲われ続けました。

その嘔吐は胃の内容物が出ることはあまりなく、まるで体内のガスを全部出し尽くそうとしているかのようにガスと唾液のみが出続けるといったものでした。

たまりかねて内科にかかり胃のバリウム検査をしましたが全く異常は見当たりませんでした。自分でこの症状を調べて「空気嚥下症」という症状がヒットしたのでその時はこの病気だと思い込み、お茶を飲んで喉を潤し続けることでその翌年になんとか鎮めることができました。

しかし、この時点で症状の根本的な原因を特定することができず、しかもそれ以降映画を観に行くことができなくなりました。

その後就活やイベントに参加しつつもなんとか健康に暮らしていたのですが、2013年に再発しました。それも前より悪化した状態で!

3.再度の発症から悪化・慢性化

5月末、福岡のイベントに母と行こうとした時突然あの症状が顕れ駅のホームで嘔吐しました。ちょうど特急が着いて乗客たちの見ている前で!それでもなおイベントに行こうとしたのですが、次の急行が来る前に第2波に襲われて駅のトイレで再び嘔吐し、諦めてそのまま帰ることになりました。

…悔しくて悔しくてイベントに行けなかった悲しみとこの病気に対する怒りのあまり、泣きながら壁を何度も殴りつけていました。

翌日買い物のために福岡に行ったのですが、イベントは終わっているとわかっていたので前日より少しだけ気持ちは楽でした。それでも吐き気に襲われ、電車内で座席の背もたれに背中をこすりつけたり、お茶を飲んだりして症状を抑えるのがやっとでした。

買い物を済ませた後でイベントのあった場所に行きましたが、目当ての乗り物を目の前にして病気に屈したと言う屈辱感でいっぱいでした。その日から遠方への買い物もできなくなりました。

その後も就活しては面接で何度も嘔吐を繰り返し、当然ながら就職もできず、とうとう公共の乗り物に乗ることもできなくなり、自宅でゲームすることにさえも吐き気が襲ってくるようになりました。

ゆめタウンまで徒歩や自転車で買い物に行き、ある時は本屋でレジに並んでいる時に嘔吐したり(商品は無事でした)、またある時はバス停でバスが到着する直前に気分が悪くなり、周りの人から介抱されることもありました。知人の親御さんのお通夜で嘔吐したことも。人が多く厳粛な雰囲気がある場所などの緊張しやすい環境が苦手なようです。

数多の大ヒット映画など当然観に行けるはずもなく、母にパンフレットだけ買ってくるように頼むという始末。今度はお茶を飲み続けても一向に治らず、就活どころか趣味娯楽にまでこの症状は執拗に付き纏い、私はこんな状態を「変化を拒む身体」だと自嘲していました。

4.心療内科を受診

症状が慢性化して3年半経った2016年の年末に転機が訪れました。母にもしかしたら精神的なものではないかと言われ、心療内科の受診を勧められたのです。最初は躊躇っていましたが、それでも症状の原因がわかるなら、今の症状が少しでも良くなるならと意を決して受診することにしました。それでもやはり行きの道中で嘔吐しましたが…。

心療内科の先生に病状を告げると即座に「ストレス関連障害」と診断されました。先生が処方してくれたのは、安定剤のメイラックスを夕食後に1錠と胃薬のオメプラゾールを朝食後に1錠、漢方の半夏厚朴湯を毎食前ということでした。今でもこれは継続しています。

飲み始めると、緩やかではありますが症状が改善されていきました。そんな折、ある方々からの勧めで八女市にあるB型事業所で仕事ができることになりました。しかし、そのためには精神障害者保健福祉手帳が必要だと言われました。手帳の発行に際して先生から診断書を書いてもらったのですが、そこには気分障害(うつ病)と書かれていました。

「障害者…」

「うつ病…」

最初は戸惑いましたが、自分自身が罹っている病気のことや今までのことをよく考えた末に現実を受け止めて手帳を申請し、翌年の2月からそのB型事業所でようやく仕事に就くことができました。

5.仕事に就いてから

薬の効果もあり症状は以前に比べてだいぶ改善されましたが、それでも仕事の中で気分が悪くなったり嘔吐することもありました。初めて行う作業は高確率で気分が悪くなるので、その対策として同じ作業を短期間で繰り返し行うことで徐々に体を慣らして行き、普通に作業ができるようにしていきました。

趣味や娯楽でもイベント会場に近づくと呑気や吐き気を催し、そこから離れると症状が治まるといった感じでした。それを先生に相談し、初診から9ヶ月程経ってから頓服としてソラナックスが処方されました。

2週間ごとの通院で処方してもらうかどうかは本人の希望とし、1日に3錠までと決めて飲まない時は御守り代りに、飲む時はメイラックスでも抑えられない吐き気が出てきた時、もしくは何か新しいことに挑戦する時に予防として服用しています。

その後、今年の9月からTANOSHIKAさんで仕事を始め今に至ります。入所に際し症状が出ることはほとんどありませんでした。1日目と2日目は午前中だけ少し症状がありましたが、慣れるとそれは消えていました。

6.現在の自身の状況

今では公共の乗り物に普通に乗れますし、遠方への買い物やイベントの参加も割と問題なくできますが、映画は未だにソラナックスを2錠〜3錠飲まないと観られない状況です。資格試験も同様ですね。

なぜかと言いますと、発症した当初劇場や試験場で何度も何度も嘔吐していたことがトラウマとして残っているからです。今でも映画館に入ると少し緊張しますし、自宅で映画を観る時やゲームする時にも少し吐き気とそれに対する不安が襲ってきます。

また、自分自身が不利な状況に陥っている時や人から嫌われていると感じた時にも心拍数の増加や喉の渇き、発汗といった症状が顕れます。

食欲は発症以前は割とあったのですが発症後は基本的に少食です。薬以外の吐き気止めとしていつもペットボトルのお茶を常備していましたが、薬剤師さんからのアドバイスを受けて今は天然水のボトルを常備しています。

ペットボトルのお茶は飲んでも平気なのですが、緑茶やコーヒーはカフェインの作用で気分が悪くなるので休みの日や外出しない日によく飲み、平日はなるべく少なめに飲んでいます。

お酒は薬を処方される以前はワインや日本酒、ビールをお猪口に注いで嗜む程度には飲んでいました。しかし、アルコールが安定剤の副作用に悪影響を及ぼすこと、更にドクターストップがかかったこともあって今はお正月のお屠蘇以外飲んでいませんし、タバコも元から吸っていません。

7.最後に

私の精神障害の等級は3級ですが、1番の問題は外からは障害者として見られないということでしょうか。JRでは精神障害者の割引はありませんし、これが遠出した時に一番困る点ですね。等級の基準も未だにわかりません。周囲を見渡しても「キチガイ」といった単語は現役ですし、人を馬鹿にする意味で「障害者」と宣ってたりもします。

精神障害に対する理解と地位向上を願う今日この頃です。

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