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突然ですが、私はストレスを感じやすく溜めやすい人間だと思っています。ストレス解消するためにも、いろいろな方法を試すのですが、それでも解消されずに気持ちが落ちちゃったり……そんな事を日常的に考えながら、ストレスってそもそもなんだろ? と思い、色々と調べてみました。
ヒットするのは自立神経の悪化、万病のもと、死亡リスクが上がるなどネガティブに連想するものばかりです。私もそういうものだと思っていましたが、それとは真逆のことを提唱しているケリー・マクゴニガルという人を見つけました。
彼女は健康心理学者で「ストレスと友達になろう」ということをテーマにした講演や本を出版したりする著名人です。私の頭は???で一杯になりましたが、逆に気になって調べてみました。すると、ストレスの見方を変えられる内容でした。マイナスなことだけじゃない、ポジティブな面もあるストレスについて、紹介していきたいと思います。
1.そもそもストレスはポジティブなことでも感じてしまうモノ
ストレスと聞くとどうしても、嫌なことや辛いことを連想してしまいますが、実は喜ばしい出来事にもストレスを感じます。ストレスとは外部から刺激を受けた時に生じる、緊張状態のことを指します。
環境的=天候や騒音
身体的=病気や睡眠不足 =日常の中で起こる様々な変化が刺激
心理的=不安や悩み となってストレスを生み出している
社会的=人間関係がうまくいかない、仕事が忙しい
上記のことから日常の変化が刺激となっているので実は、喜ばしい出来事つまり進学や就職、結婚や出産といったポジティブなイメージが強い出来事でも、刺激となってストレスを生んでいます。
改めてストレスというものを整理して考えると、ネガティブなこともそうですがポジティブなことでもストレスを感じてしまうので悪く捉えるのは、違うのかもしれません。
2.ストレス=死亡リスクが上昇するのは思い込み
アメリカで成人している3万人の動向を8年間、調査した研究がありました。この研究ではまず「去年どれ位のストレスを感じたか」、「ストレスは健康の害になると信じますか」といった質問を参加者に答えてもらい、その後に公開されてる死亡記録を使って参加者の誰が亡くなったのかを調べました。
前年にひどいストレスを感じたという人は43%死亡するリスクが高かったのですが、このことはストレスが健康に害を及ぼすと信じていた人だけでした。ひどいストレスを経験してもストレス自体は無害だと思っている人たちの死亡リスクは上がるどころか、ストレスを感じてないグループと比較しても、最も低かったのです。
研究者は死亡者数を8年に渡り追跡し18万2千人のアメリカ人が、ストレスは体に悪いと信じていた事によって、死期を早めたと判断しました。これは年間2万人以上に及ぶ死者数で、HIVや皮膚がん、殺人よりも多くの人の命を奪っていることになるそうです。
ケリー・マクゴニガルは「この研究で考えさせられたことは、ストレスに対する考え方を変えることによって、健康になれるかというのは科学的には『イエス』と判明しているということ。なので考え方を変えれば、体の反応も変えられるということです」
ケリーの見解でも分かるようにいつの間にか、すり込まれたストレスのイメージや思い込みで死期を早めてしまうほど、体の反応は心と直結しているということが分かります。ですが、思い直すことで変えられるということでもあるので、染み付いたイメージを拭うことは難しいですが、今一度「ストレス」というものを思い直してみませんか?
3.ストレスホルモン「オキトシン」は脳と体に健康をもたらすその効果とは
人生のなかでプレッシャーを感じる場面は多々あります。例えば人前で何かを披露する、受験、面接など様々なシチュエーションで、プレッシャーとストレスを体験したことがあると思います。
汗が吹き出し、喉がカラカラと乾き、心臓はバクバクと高鳴り……思い出すだけでイヤなものですが、こういう状態の時は「不安感の表れ」と思っている人も多いと思います。実はこういう状態の時、体が対応しようと活力を与え、新しいチャレンジに立ち向かえるようにしている状態なのです。
こう思うと全然プレッシャーとストレスへの付き合い方が変わってくると思いませんか? 例えば心臓がバクバクなっているのは、次への行動に備えて準備をしていると考えたり、呼吸が速くなっているのは脳に多く酸素を送るためという風に改めると変わってくると思います。
ハーバード大学ではストレスを味方につけるという、社会的ストレステストを行って、自分たちのストレス反応を有用なものとして、考え直す機会を与えています。それはなぜかというとストレスを感じた時に分泌される「オキトシン」が、人間に対していい効果を持っているからです。
人を抱擁した時にも分泌される、別名「抱擁ホルモン」と言われる神経ホルモンで、脳の社会的本能を絶妙に調整しています。オキトシンは、ほかの人々との親密な関係を強めるような行動を促し、友人や家族との身体的接触を強く望むようにさせたり、人との共感を高めて、更には私達が大切に思う人を進んで助けたり、支えたいと思わせたりもします。
人生で困難なときストレス反応によって、愛する人たちと一緒に居たいと思わせる信号を送っていて「オキトシン」は人を社交的にするストレスホルモンを分泌させているのです。
「オキトシン」にはもう1つの役割があって、脳だけではなく体にも働きかけ、大事な役割の1つでもある心血管系をストレスの悪影響から守るということです。自然の抗炎症薬みたいなもので、血管を弛緩状態に保って、体の好影響を歓迎して心臓に伝わり、ストレスからのダメージを治してくれて、心臓を強くさせます。
更にすごいのが、ストレスの負荷がかかっている誰かに手を差し伸べ、助けたりすると更にホルモンが分泌されストレス反応が健康なものになって、ストレス状態から早く回復します。
まとめるとストレスとは発生しても、既に回復する要素が含まれていて、更には人助けをすると自分も相手もストレスから解放されるということです。
感想・ストレスを軽減させたいならまず、ストレスと向き合ってみましょう
今回この記事を通してストレスと初めて向き合ったり調べててみて、さまざまな発見がありました。ネガティブなイメージが強いストレスは思い込みで死亡リスクが上昇し、それに伴った体の素直さ、ストレスで自身に協調性を持たせて心臓を強くしたりする、ポジティブな側面もあるということです。
この先ストレスに関して、良い側面を知るのと知らないとでは、向き合い方も全然違います。私含めてそうですが、ストレスに悩まされている方は一度、根底からストレスを思い直してみてはいかがでしょうか? ポジティブなイメージを焼き付けて、ストレスと仲良くなるという気持ちだと軽くなるような感じがします。
冒頭でも書きましたが、ケリー・マクゴニガルが提唱している「ストレスと友達付き合いしよう」は非常に理にかなったテーマだと思いました。ストレスの見方を変えて心強い味方にしてはいかがでしょうか。
今回はストレスの見方を変えてみようというテーマでしたが、次の記事では実践的な方法でもある「マインドセット」を紹介したいと思いますので、ぜひご覧ください。
参考・TED BNL 東洋経済ONLINE 厚生労働省
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