この記事は約 7 分で読むことができます。
こんにちは、金次郎です。
5月23日(木)に「経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)」が政府によって開かれました。
その会議で民間議員が日本国民の健康寿命が長くなっていることから、高齢者の定義について「現在の65歳から5歳延ばして、70歳にすることを検討すべきだ」と指摘したそうです。
それで、会議後の記者会見で岸田首相は
「ウェルビーイング社会の実現に向けた方策を議論しました。
その結果、全世代のリスキリング推進を提言しました。」
との事です。
今回は、この会議の結果、私たちの働き方や年金がどうなるのか?について書いてみます。
政治家が、聞きなれない横文字を使いだしたら要注意
記者会見では、聞きなれない横文字の単語が2つも入っています。
・ウェルビーイング ⇒ 身も心も満たされた状態
・リスキリング ⇒ 学び直し
過去にも有りました
・イノベーション → 技術革新
・ダイバーシティ → 多様性
・エビデンス → 根拠
これについて、ジャーナリストの堀潤氏は
「政治家が横文字を使う時は、わざと分かりにくく説明しようとして使っている事があります。
これは、はっきり日本語で言ってしまうと、皆に認識されてしまい良い悪いと議論されてしまうので、煙幕を張る様にサラッと流して言っている。
つまり『議論してもらわなくても良いですよ』って言う意味で使っています。」
と言っています。
また、別のジャーナリストの鈴木哲夫氏は
「リスキリングと言うけれど、65歳以上で月収20万円とか30万円を稼げる仕事がどこにあるのでしょうか?
ウェルビーイングもしかりで、「人生100年時代」や「70歳でも元気」などの甘い言葉は、詐欺みたいなものです。
本気の少子高齢化対策をやってこなかったツケを国民にまわして、社会保障を切り捨てるつもりです。
政府は、あらゆる手を使って詐欺を着々と進めているから、国民はもっと怒ったほうが良いですよ。」
と言います。
参考:(時事通信)高齢者の定義「5歳引き上げ」を=ウェルビーイング実現へ提言―諮問会議
参考:(日刊ゲンダイ デジタル)高齢者は「65歳以上→70歳以上」へ…政府また詐欺的手法で年金削減へアノ手コノ手着々
70歳まで働かなきゃいけないのか?
この記者会見後、、X(旧Twitter)では、「高齢者の定義」や「諮問会議」がトレンド入りしました。
特に、「Yahoo ニュース」に上で書いた時事通信社の記事が配信されると、1日で7000を超えるコメントが書き込まれました。
・「年金支給開始を、70歳にしたいんだよね?」
・「高齢者をできるだけ長く働かせて、年金を払いたくないって事でしょ」
・「就職氷河期世代の私が、年金をもらえるのは80歳からかな?」
・「政府は、私らの生活や命をなんだと思ってるんですか!」
・「死ぬまで働け、って事だろ」
・「ゆっくりと、老後を過ごさせてくれよ」
などの非難や不安の声がたくさん書き込まれました。
立憲民主党の小沢一郎衆議院議員は、事務所名義のX(旧Twitter)で
「自民党政権による、この11年間の無策の結果、社会保障制度がいよいよ危うくなって来たので『死ぬまで働いてくれ』と言う事です。
横文字を使ってごまかすのは、いつもの手口で『100年安心プランの年金』の大うそです。」
と今回の提言をバッサリと切り捨てます。
更にX(旧Twitter)での続きの投稿では
「昨今、『年金支給を75歳まで我慢して、遅らせて年金をもらうと、こんなにお得ですよ』と政府は盛んに誘導しています。」
とも書いています。
介護・暮らしジャーナリストの太田差江子氏は
「社会保障制度のメインの支え手の現役世代が減少していく中、枠組みの変更は致し方ない面がありますが、それならもっと丁寧な説明と議論が必要だと思います。
また、65歳くらいになると、心身状態の個人差は大きくなり、学ぼう、働こうという気持ちはあっても、心身状態によっては出来なくなる人も少なくありません。
そうした人たちが、とりこぼされない制度設計が必要です。」
と言います。
参考:(中日スポーツ)『死ぬまで働け…』『年金支給開始を70歳にしたいんだね』諮問会議が高齢者の定義「5歳引き上げ」提言にネットは怒りと嘆きの声
終わりに
私が、ちょうど2年前に書いた記事です。
年金制度改革?改悪?~2025年にA型などで働く障害者も、厚生年金保険料支払い義務発生?~
この時は、私の様なA型事業所で働く短時間労働者や個人商店主なども、来年2025年から厚生年金保険料の支払い義務が発生する事をメインに書きましたが、日本年金機構が年金の70歳支給開始を検討している事も書いています。
後は、「総理大臣のゴーサインのみだな」と思いながら書いていました。
4月の衆議院議員補欠選挙で、自民党候補3人が、3人とも落選してしまいました。
そして、5月26日に行われた静岡県知事選挙でも、自民党候補者は当選できませんでした。
これは、自民党と言うか岸田首相が突然無茶な要求を企業や国民に言い出したり、他の大臣も同様な発言をしていて、国民の皆さんも今の内閣に嫌気がさしているからでしょう。
※ 無茶な要求例
・前回書いた、任意作成だったマイナンバーカードの強制作成
・所得税の減税額を、6月の給与明細書に書き込む様に義務化(1ヶ月ほど前に言われても、全
ての会社で「給与計算ソフト」の改修は不可能です)
ですから、内閣支持率も20%代で低迷したままです。
なので私は「首相は責任を取って辞めそうだから、年金の支給開始年齢の変更までは手を着け
ないだろう」と思っていましたが、こんな突然に現実化するとは思いませんでした。
高齢者の定義が、65歳から70歳になれば、定年年齢も70歳となり、おのずと年金支給開始も70
歳に引き上げられるでしょう。
「あと、もう少し働けば定年退職して年金が貰える」と思っていましたが、更に5年伸びる。
私が新卒で働きだした時の、年金支給開始は60歳でしたが、1994年(平成6年)に65歳に引き上げられ、今回またしても引き上げられそうです。
と言う感じで、27日(月)に、この記事の下書きを書いていましたが、28日(火)に新たな動きがありました。
武見敬三厚生労働大臣が、28日午前に記者団から「高齢者年齢を70歳に引き上げる件で、ネットなどで『年金支給開始も70歳になるかも?』と騒がれていますが?」との質問に対して
「現在の年金制度は、将来世代の負担を過重にしないように、2004年の改正において保険料の上限を固定した上で、その範囲内で給付水準を調整する「マクロ経済スライド制」をすでに導入しています。」
と説明した上で
「高齢者の定義にかかわらず、年金の支給開始年齢の引き上げを行うと言う事は、考えておりません」と、年金支給開始年齢の引き上げについては明確に否定しました。
参考:(FNNプライムオンライン)“高齢者の定義”65歳から70歳に引き上げとの提案で武見厚労相「年金支給開始年齢の引き上げ考えていない」
→HOME
記事を読ませていただきました。年金制度改革が国民の生活に大きなダメージになっているようです。年金支給を先伸ばしもそうだが
働けるだけ働いてもらおうという考えには違和感を感じてなりません。これからも記事を楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
新卒で働き出して、かれこれ40年。
いい加減、楽させて欲しいです。
遊びに行ったりしている両親を見ていると「老後を楽しんでいるなぁ~」とうらやましいです。
記事にも書いている様に、本当ならもう年金生活していたはずなんですけど、支給開始年齢が引き上がったので後数年働かないといけません。
もう、これ以上支給開始年齢を引き上げないで欲しいです。