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どうも、ゆたです。
今回は精神病院に急遽入院することになった私の体験について、記事を書いて行こうかなと思います。
前回の記事を読んで下さった方なら知っているかと思いますが、本当に急なことでかなり混乱していました。
統合失調症の症状について〜病気は突然に〜
救急車で運ばれた日は、誰もいない真っ白な部屋で夜を過ごし、翌日朝から診断を受けました。
その診断では話を聞くだけではなく、面白いテストもあったので、ご紹介します。
まずは、質問に答えていく。
朝起きて、朝食を摂ると、先生に呼ばれました。
その先生には言い方は悪いですが、質問責めをされました笑
学校で困っていること、体調はどうか、など病院らしい質問から、運動はしているのか、好きな食べ物あるか、恋人はいるのか、など聞く必要あるのか? とツッコミたくなるようなものまで、体感1時間ほど質問に答えました。
不思議な部屋へご招待。
昼食を摂り、少し休憩した後、隅っこの部屋に連れて行かされました。
この時点で不安感がありましたが、従う以外の選択肢はなく、黙ってついていくと、その部屋はとても落ち着きのある素敵な見た目をした部屋でした。
大きな葉っぱの観葉植物、棚に並べられた沢山の人形や小さなフィギュア、全体的にピンクっぽいカラーで外国の子供部屋のようなイメージです。私は中学生ながらに、少しワクワクしたのを覚えています。
そして、目の前に座っているのは、若い女性の先生でした。
その方がこれでもかというほど優しく、説明を始めました。
「今から簡単なテストをしますね。テスト、といっても点数を取らなくちゃいけないとか、そういったものとは違うから、肩の力を抜いて、自由に直感で思ったようにしていいからね?」
そう言われ、深呼吸を先生と一緒に行い、リラックスした状態でテストを受けることになりました。
紙に木を描く? 摩訶不思議なテスト!
※これから話すテストについては今後受ける可能性がある場合、支障を来す恐れがあるため、読まないことをおすすめします。
机の上に用意されたのは一本の鉛筆と大きな紙。
「そこに一本の実のなる木を書いて貰います。ただ、これは絵が下手とか上手いとかは全く関係ないからね?」
そう言われた私は、紙いっぱいに大きな木を描き、そこに複数のリンゴを実らせました。
あまりに躊躇なく描いていたので、先生に少し笑われましたが、ほんの30秒ほどで描き上げました。
その後、絵について少しだけ質問を受け、無事テストは終了。
後になってわかったことですが、実はこのテスト、意外と有名らしく、名前は『バウムテスト』(樹木画テスト)と言います。
バウルテストは投影法の検査で、1本の木から言葉にしにくい内面の気持ちや深層心理などを専門家が読み解くために、使用しています。
その項目は60にも及び、たった一枚の絵から、多くのことを知ることができます。
(詳しくは上記のURLから飛んでみてください)
テストが終わると部屋を出て、この日は終わりました。
テストと聞いてかなりドキドキしていましたが、沢山の話を聞いて貰えた私は、心が少し軽くなったように感じました。
まだ、終わっていなかった! 次なるテストは砂遊び?
次の日。
今日も相変わらず、殺風景な病室で一人、ご飯を食べていると、再びあの部屋に呼ばれました。
昨日ぶりの先生との再会です。
この時点で流石の私も察していました。何か、テストをするのだろうと。
「昨日はお疲れ様、今日は昨日よりもっと、楽しいテストだから、頑張れる?」
そう言われては、やるしかありません。
そこで用意されたのは大きな箱に大量の砂が入った謎の物体。そして、棚に並べてあった小さなフィギュアたちです。その箱の内側の面は水色になっています。
「ここは一つの世界だと思ってください。砂で山を作ったり、砂を掘ると水のように見えます。そのフィギュアたちを自由に置いて、自分だけの世界を作っていきましょう」
(内側が水色なのは水をイメージしているからだそうですが、当時はイマイチ理解していませんでした)
私はあまり深く考えず、取り敢えず、一際目立っていた恐竜を手に取り真ん中に置いてみることにしました。
「さぁ、続けて?」
特に注意する訳でもなく、ただ、催促する先生。私は何をすればいいのか、わからないまま、恐竜がいるなら、ヒーローもいるよな、ということでウサギを複数陳列。
その後はヒーローウサギ(?)の相方としてムキムキの虎を置いて、戦っているイメージで砂で起伏を作り5分ぐらいで終了。
その後は、これはどんなイメージで置いたの? と結構細かく聞かれましたが、さほど理由もないので、私は、終始曖昧なことを言っていました。
一見するとよくわからない行為ですが、これもまた、精神科では有名なものらしく、テスト、というよりか表現療法と言われる心理療法の一つらしいです。
名前は『箱庭療法』と言います。
箱庭療法は、学校教育などでも使われており、もしかしたらしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
箱庭療法では独特な空気感があり、普段なら口にしないような言葉、想像もしないようなイメージが湧き出てきて、日々のしがらみから解放されたような感覚に陥ることができます。
なので、子供向けという訳ではなく、大人にも有効だと言われています。
参考:箱庭療法・芸術表現療法(砂・人形・夢・イメージ)/心理カウンセリングルーム・心理保健室
(詳しくは上記のURLから飛んでみてください)
意味がわからなくてもいい。その場に身を任せることも大事。
私はこのような診断テストや心理療法を受け、当時意味が全くわかりませんでした。
しかし、心はスッキリして、頭の整理ができたように思えました。
精神科ではこのような一見すると、意味がないように思えるような治療が沢山あります。
しかし、それらは裏では意味があり、必要なことだったりします。
でも、治療を受ける私たちはそれを理解する必要はありません。
ただ、リラックスして治療に取り組むことで自然と症状が良くなったり、先生方に自分のことをより知って貰うことができます。
精神科に入院する時は、本当に不安が一杯で、胸が張り裂けそうになります。
しかし、いざ入院してみると、普段では味わえないような経験ができることもあって、それが後々いい思い出になったりもします。
なので、あまり悲観的にならず、人にはできない経験ができる! ぐらいの気持ちで治療に挑むのもいいかもしれませんね。
お相手は、ゆたでした。また、次回の記事でお会いしましょう。
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