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こんにちは、改めましてM. Jです。
「さーて、お風呂に入ろうかなーっ!」「今日はドボンと入るぞー!」
「ちょっと待ったあーー!」
冬の時期にそんなのんきにお風呂に入ると「生命の危険性」があります。
脱衣所の「温度」は適切ですか? 著しく低くなっていませんか?
脱衣所と浴槽の温度差が大きいと、「ヒートショック」による発作で、生命の危機にさらされます。
ヒートショックは、高齢者だけの病気ではありません。動脈硬化が進んでいる人もかかる「危険性のある」注意していかなければならない病気です。
心臓や脳の病気の危険性が高く、注意深く過ごしていかなければならない、「冬」という厄介な季節に入っています。
今回は、充実した冬の生活という視点で「冬の時期の生活の方法」について考えていきたいと思います。以下の項目に沿って書きます。
- ヒートショックとは
- ヒートショックの予防:入浴時に気を付けたい行動
- 血管が詰まることによる病気
- 血管の病気などの予防
- 充実した冬の生活を目指して
この記事をご覧の皆さん、今年も「ヒートショック」に注意して、充実した冬を過ごしていきましょう!
ヒートショックとは
暖かい場所→寒い場所へ、寒い場所→暖かい場所へ移動する時に起こる健康障害。
◎脳梗塞・心筋梗塞などが起こる危険性が著しく高く、「生命に関わる状態」になる場合も。
【ヒートショックの被害者数】
日本では「ヒートショック」の影響で、年間約19,000人以上の人が入浴中に死亡している。
《日本での交通事故:4,373人》→交通事故の死者をはるかに上回っている。
【ヒートショックが起こる過程】…主に入浴中が多い。
《1》暖かいリビング→脱衣所(血管が収縮:血圧上昇)
《2》脱衣所→浴室(血管収縮が加速:血圧上昇)
《3》浴室で湯船に浸かる(血管が拡張:血圧下降)
《4》体温が上がり発汗する(発汗するため:血圧下降)
《5》浴室→脱衣所(血管が収縮:血圧上昇)
【注意:こんな状況でも起こる】
- 冬場の部屋の移動:暖かい場所→寒い場所/寒い場所→暖かい場所
- 冬場に急に「玄関」「外」などの寒い場所に行く時
◎居間と脱衣所の温度差が大きい→脱衣所が寒い
◎大きな温度変化によって、血圧の変動が大きくなる
◎意識障害になる危険性が高くなる
【ヒートショックの症状】
①めまい・立ちくらみ
②心筋梗塞(詳しくは後ほど)
③脳梗塞
【ヒートショックになりやすい人・環境】
①高血圧や動脈硬化のある人
◯動脈硬化→血管の壁に血栓が形成され、血圧が著しく上昇すること。
◎動脈硬化が進むと血流が悪くなるので脳梗塞・心筋梗塞になりやすい。
◎高血圧の場合、寒い場所から暖かい場所に行くと血圧が一気に下降し「意識障害」の危険!
②水分補給が足りない人
◎身体の水分が不足すると「血流の量」が著しく低下する。
◎血流の量が低下すると「動脈硬化」「高血圧」の危険性が高くなる。
③飲酒後入浴する人
◎飲酒をした後入浴すると血管が拡張し、血圧の下降が起きて「意識障害」になることも!
④42度を超える熱い風呂が好きな人
◎熱すぎるお湯(42度以上)に入ると、著しく血圧が下降し「意識障害」の危険性が高まる!
⑤長風呂が好きな人
◎大量に発汗することで、著しく「血流が悪化」し、「動脈硬化」「高血圧」を促進する!
ヒートショックは「冬に最も恐れないといけない病気」といっても過言ではありません!
高齢者に多い病気と言われていますが、生活習慣が悪いと若い人でも「ヒートショックになる危険性」は著しく高くなります。
上記で挙げた「水分不足」や「飲酒後の入浴」などはなるべく避けなければなりません。
生活習慣病があると更に危険性が高くなるので、病院受診による「健康管理」は必要不可欠です。
何とか、ヒートショックを「予防すること」はできないのでしょうか?
次の項では、ヒートショックの予防について書きます。
ヒートショックの予防:入浴時に気を付けたい行動
①入浴前には、絶対に水分補給をすること
◎発汗による脱水によって、血流が悪くなり「血栓」がつくられてしまう。
◎脱水によって「脳梗塞・心筋梗塞」の危険性が高くなる!
②飲酒後に入浴しない
◎飲酒後に入浴すると「意識障害」になる可能性があり、とても危険!
③精神安定剤・睡眠薬の服用後の入浴はしない
◎薬の服用後→副作用によって血圧低下・めまい・ふらつきなどで事故発生!
④浴室が冷えている状態で入浴しない
浴室と脱衣所などの温度差によって「脳梗塞・心筋梗塞」の危険性が高くなる!
⑤シャワーを活用したお湯はり
◎高い位置からシャワーを浴室の床当てることで浴室全体を「温める」ことになる
⑥必ずかけ湯で身体を少しずつ温めた後に浴槽に入る
◎浴室内が温かい状態でも、身体が冷えているので急に入ると「血圧の変動」が大きくなる
◎身体の末端(つま先・指先)から最初にかけ湯をすること!
⑦浴槽の温度41度以下、入浴時間は10分まで
◎基本的にはぬるめのお湯から徐々に温度を上げていくこと。
◎41度以上熱いお湯:脳や心臓の血管に負担をかけ「意識障害」などの危険性が高くなる!
⑧浴槽から急に立ち上がらない
◎浴槽に入っている(血圧が下がっている)状態から急に立ち上がると「めまい・立ちくらみ」が発生する。「意識障害」になることもあるため危険!
本人自身の入浴方法のほかに環境設定においても重要なことがあります。
【ヒートショックを防ぐ方法:環境設定】
《1》脱衣所への暖房器具の設置
- 著しく冷える「脱衣所」は、小型の「暖房器具」などを用いて温めること!
- 「脱衣所」の床はかなり冷えやすいので「マット」を敷いておくこと!
- 急激な「身体の冷え」を防ぐことが大事
《2》浴室の断熱
- 窓まわりは内窓を設置することで断熱効果が出現する。
- 浴室はユニットバスにすることで断熱効果が出現する。
《3》トイレ・廊下・玄関を温める→暖房器具の設置
- 著しく冷えるので「暖房器具」などを用いて温めること!
- 室温:18度以上、湿度40%以上にすること!
《4》高齢の方はできるだけ1人での入浴をしない
- 家族などの「見守り」があるとかなり安心!
- 危険な状態になった時、すぐに「対応」することができる!
- 温泉や公衆浴場のほうがオススメ。
《5》食後すぐに入浴しない
- 食後すぐは、血圧が低下している状態なので、食後1時間以上空けて入浴すること。
- 食物の消化がうまくいかない。血圧が急に変動して危険!
ヒートショックは、入浴時だけ気をつければいいものではありません。
トイレで起こる危険性があります!どのようなことに注意していけばよいのでしょうか?
【ヒートショックを防ぐ方法:トイレ】
①寝室はトイレの近くにする
◎寒い廊下を通った後、トイレに行くと血管に大きな負担がかかる。
《「心筋梗塞・脳梗塞」の危険性が高くなる》
◎トイレの近くに寝室があるとメリットが多い。
《「血管の病気の危険性」だけでなく「転倒の危険性」も避けられる》
②いきみすぎない・便秘にならないように気をつける。
◎便秘を防ぐ薬を処方してもらうこと。
◎排便時に力を入れすぎると「心臓への負担」が大きくなる。
《場合によっては「意識障害」になる危険性が高くなる!》
ヒートショックは、恐れないといけませんが「予防する方法」はあります。
特に、大事なことは「水分補給」と「温度差が大きくならないようにすること」です。
夏とは違い「のどが渇いたことに気づきにくい」ため意識的な水分補給が必要です。
また「シャワーでのお湯はり」「かけ湯」に加えて「脱衣所などの暖房器具の設置」をすることなど、何とか「意識障害を起こさないように」注意していきたいものです。
ただ、冬の危険なところはお風呂場やトイレだけではありません!
至るところで「血管が詰まることによる病気」には警戒しなければなりません!
血管が詰まることによって起こる病気にはどのようなものがあるのでしょうか?
次の項では、血管が詰まることによる病気について書きます。
血管が詰まることによる病気
冬はヒートショックだけではなく「血管の病気」の危険性が高くなる時期です。
この項では、心臓の病気を中心に書いていこうと思います。
【狭心症とは】
- 心臓の冠動脈(冠状動脈)が詰まって狭くなる病気。
《冠動脈は心臓を動かす筋肉に酸素と栄養分を送る重要な血管》
【狭心症の種類】→詳しくは文献に記載しています。
①労作性狭心症
- 「階段を上がる」「重いものを保つ」などをした後、胸の痛みが出現する。
②不安定狭心症
- 「少しの動作」「安静にしている状態」で胸の痛みが出現する。
【狭心症を引き起こす原因】
⚫️高血圧 ⚫️肥満 ⚫️糖尿病
⚫️高脂血症 ⚫️高尿酸血症
⚫️ストレス ⚫️喫煙
【狭心症の症状】
①胸の痛み→胸の中央部から胸全体
②胸の圧迫感
③背中の痛み
④お腹の痛み(上のほう)
⑤左肩・左の腕の痛み
⑥首・顎の痛み
【狭心症の治療】→詳しくは文献に記載しています。
①ニトログリセリン
②高血小板薬・抗凝固薬
③硝酸薬・カルシウム拮抗薬
④交感神経β遮断薬
【心筋梗塞とは】
- 心臓の冠動脈(冠状動脈)が完全に詰まってしまう病気。
- 心筋が壊死(=死んでしまう)病気。
◎心筋梗塞は、ほとんどが「急性」で、意識障害などの「危険な状態」になりやすい
【心筋梗塞を引き起こす原因】
⚫️高血圧 ⚫️肥満 ⚫️糖尿病
⚫️高脂血症 ⚫️高尿酸血症
⚫️ストレス ⚫️喫煙
【心筋梗塞の症状】
①脂汗が出るほど「激しい胸の痛み」が30分以上続く
②激しい左肩・左の腕の痛み
③激しい首・顎の痛み
④呼吸困難
⑤冷や汗
⑥吐き気
⑦脱力感
⑧失神
⑨ショック症状
【心筋梗塞の治療】→詳しくは文献に記載しています。
①初期治療
②血栓溶解療法
③冠動脈(冠状動脈)バイパス手術
④合併症の治療
《心臓の病気についての文献》
冬に起こりやすい脳梗塞については、以前私の記事に記載しています。ご覧いただけると有り難いです。
このほかにも、以下の文献にわかりやすく書いてあります。
冬は「心臓病の季節」といっても過言ではありません。「室内と外の気温差が大きくなる」ことだけでなく、「外でも高層ビルなどの建物の近くなど急に寒くなる」ことがあります。
すると、心臓の発作が起こりやすい「とても危険な状態」になります。
心臓の病気の症状は、心臓だけに出るわけではないので「お腹が痛む」「背中が痛む」「運動しなくても左の肩や腕が痛い」といったことにも気を配って過ごすことが大事です。
このような心臓など「血管の病気を防ぐ方法」は、あるのでしょうか?
次の項では、血管の病気などの予防について書きます。
血管の病気などの予防
①温度差を小さくする
◎血管を温める衣服の着用し、首・手首・足首などの露出を避け、防寒対策をする
◎外が著しく寒い時に外出の際は「衣服を多く着る」「マフラーや手袋をする」
②水分補給
◎冬場は汗をかく量が少ないため血液がドロドロになる
◎喉が渇いていなくても血管の健康のために意識的に水分補給!
③禁煙
- 喫煙は単独で「最大の予防可能な死因!」
- タバコには7000種類、250の有害物質が含まれている。
- タバコは血管を著しく収縮させてしまう。
《主な有害物質》
- ニコチン:血管収縮作用が強く「血圧を上昇」させる。
- 活性酸素:細胞を「老化・酸化」させる。
- 一酸化炭素:酸素とヘモグロビンの結合を阻害する。→血液がドロドロになる。
- タール:有害物質が含まれている。
◎喫煙することによって「血圧上昇・不整脈など」が起こる。
④お酒は少なめに(節酒)
- お酒の過剰摂取:利尿作用によって「脱水」の危険性→血圧が上昇
- 飲酒の目安→ビール・発泡酒:500mlで3本、焼酎:300ml、日本酒:450mlで3合
◎できれば「コップ1杯に抑える」、お酒を「飲まない日」を設ける。
⑤運動
◎適度な運動が大事!→きつくない程度の筋トレが適切!
◎「お話しながら動かせる程度」の身体の運動が適切!「つま先立ち」「足踏み」など。
⑥ストレスを溜めない
◎心臓の病気を悪化させない方法:充分な休息や睡眠が大事!
◼️入浴の方法については「ヒートショック」の項で書きました。ご覧いただけると有り難いです。
充実した冬の生活を目指して
以上、充実した冬の生活《1》でした。
夏も熱中症や血管の病気などで気をつけていかなければなりませんが、冬も「ヒートショック」や「心臓の病気(発作)」に気をつけなければならない厳しい季節です。
高齢者だけでなく若いかたも「動脈硬化」などで血管の状態が悪いと、ヒートショックだけでなく「狭心症」「心筋梗塞」「脳梗塞」になる危険性があります。血管が詰まった部位次第では、「要介護」または「死」という日常生活に支障を来たす状態になってしまいます。
そうならないように「予防するための生活」がものすごく大事になってきます!
特に、「寒暖差が大きくなる環境(または状況)を避ける」「禁煙する」「飲酒の量を少なくする」という3つの要素は、冬の生活を充実させるためには必要不可欠です!
血管の病気は「いつの間にか進行して、著しく悪くなっていた」ということもあるので、注意していくことが必要といっても過言ではありません!
この記事をご覧の皆さんには、冬も「充実した生活」満喫していただきたいと思います!
次の記事では、神経痛など痛みのある方にとっての充実した生活の方法について、掘り下げていこうと思います。ご覧いただけると有り難いです。
記事をご覧いただき、どうもありがとうございました!
今回の記事は、以下の文献を参考にしました。
LIFULL 介護:【未然に防げる】ヒートショックのしくみと予防法
JA愛知厚生連:循環器医師が教える「心臓にやさしい生活習慣』
以下の文献はヒートショックについてのポスターと若年者むけの資料です。ご覧いただけると有り難いです。
イオン・アリアンツ生命:若者でも油断禁物!冬のヒートショック
以下の文献は、心臓の病気や脳卒中などについてわかりやすく書いてあります。ご覧いただけると有り難いです。
今後について
興味があることや、今後書いていきたい記事のテーマとして、充実した冬の生活:パート2《坐骨神経痛の軽減について》、ペインクリニックでの医療と今後の課題、天は知っている:日大アメフト部の事件に学ぶがあります。
皆さんに役立つ情報を届けていければと考えています。
今後ともよろしくお願いします!
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