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こんにちは、改めましてM. Jです。
この記事をご覧の皆さんは、すい臓のことについてどのくらいご存じでしょうか?
すい臓という名前だけは聞いたことがあっても、詳しくは知らない方が多いと思います。
すい臓は、肝臓や腎臓と並び、危険信号を発信しない「沈黙の臓器」です。
そのためお腹や背中の痛みが強く出た時は、すい臓の悪化が相当進んでいて危険な状態になっていることが多いです。
内臓の病気の中で、すい臓の病気は少ないと言われていますが、早めに自覚することが困難なので、すい臓ガンを「早期に発見すること」は難しく、発症した後死亡する方が多いです。
しかし、一般的にそうしたことが知られていないため、すい臓のケアについて「特定健診」や「医療機関でのフォロー」はまだまだ遅れている状態です。
そのため、多くの人は「今日はいろんなことを忘れて、ビールを飲もう!」「ビールのつまみはフライドポテトだよね!」「シメはラーメンだよね!」といった感じで浴びるようにお酒を飲み、すい臓にダメージを負わせてしまう結果になってしまうのです。
この記事をご覧の皆さん、早死にすることなく、ずっと健康で「イキイキとした生活」をするためにも「すい臓の健康・すい臓のケア」について考えてみましょう!
今回は、以下の項目に沿ってすい臓のケアについて書きます。
- すい臓の役割
- すい臓の病気①:急性すい炎・慢性すい炎
- すい臓の病気②:ガン
- すい臓の病気:予防
- すい臓ガン:八千草薫さん・星野仙一さん
- すい臓の病気の有名人
- 沈黙の臓器からの危険信号に気をつけて!
すい臓の役割
【すい臓とは・・・】
- 位置:みぞおちの少し下、胃の裏側にあり、身体の真ん中に位置する臓器
- すい臓の先頭部は十二指腸に密接している。
- 大きさ・重さ:長さ15㎝・厚さ2㎝・重さ70g
【すい臓の働き】
①外分泌→主に、食べ物の分解・消化を行う
- すい液には、炭水化物・タンパク質・脂質を分解する消化酵素が含まれている。
- すい液によって、胃液で酸性になった食べ物を中和している。
②内分泌→主に、血糖値を調整する
- 内分泌細胞からホルモンがつくられる。
- ホルモンは細胞から血管の中に分泌され、血液の中に送り出す働きをしている。
【すい臓でつくられるホルモン】
- インスリン:血糖値を下げる。
- グルカゴン:血糖値を上げる。
すい臓という臓器は主に、食べ物の分解と消化をしています。
あまり知られていないですが「人間の生命維持」のためにものすごく重要です。
もしすい臓が無くなったら人間は食物消化障害となり、栄養不良となってしまいます。
糖尿病になり、何もしないと「死亡」してしまうそうです。
すい臓の機能が悪くなると密接な関係にある他の臓器への影響も大きいです。
すい臓が病気になるとどのようなことが起こるのでしょうか?
次の項では、すい臓の病気の特徴について書きます。
すい臓の病気①:急性すい炎・慢性すい炎
①急性すい炎
- 活性化された消化酵素によって、すい臓が消化されてしまう病気。
- すい臓の血管内から血管外に水分が漏れ出してしまう。
- 炎症は急激に起こる。
《原因》
(1)アルコール→37%
(2)胆石→24%
(3)薬剤の副作用
(4)手術後の合併症
◎症状→お腹の上部の痛み・背中の痛み・吐き気・おう吐・黄疸
◎悪化すると「発熱」「血圧低下」「頻脈」「呼吸困難」が起こる。
②慢性すい炎
- すい臓の炎症が長期間起こる病気。
- すい臓の細胞が破壊されて、すい臓の機能が低下する病気。
- すい臓が線維化・石灰化してしまい、すい臓の硬さが増してしまう。
《原因》
(1)アルコール→65%
(2)原因不明→18%
◎症状→「代償期」と「非代償期」で症状が異なる
◎代償期:すい臓の機能が保たれている時期 →お腹の上部の痛み・背中の痛み・吐き気・おう吐
◎非代償期:すい臓の機能が低下した時期 →下痢・体重減少・糖尿病
◎悪化して、慢性になると「腹痛は消失」する!
◎悪化すると「血圧低下・頻脈・めまい」が出現する!
◎慢性すい炎によって、ガン(43.1%)、感染症(8.2%)、脳血管障害(7.1%)が起こる。
急性すい炎で37%、慢性すい炎で65%が「飲酒」が原因となっており、アルコールの影響が大きいと考えられます。
ただ、すい臓は「沈黙の臓器」ですので、お腹の上部の痛みや背中の痛みなどの症状が出現した時は「すい臓の悪化は進行している」と捉えていいです。
このような状態になると「すい臓の消化・すい臓の細胞の破壊・すい臓の線維化や石灰化」といった危険な状態になります。
また、慢性すい炎などすい臓の悪化が進むと「腹痛が無くなる」ので厄介です。
痛みが無くなることは、すい臓が悪くなっていると解釈すべきです!
その後、急性すい炎は「多臓器不全」になって生命の危機、慢性すい炎では「低栄養」「意識障害」になり生命の危機という最悪の事態となってしまいます。
すい臓の炎症は、気づかないうちに「悪くなっている」ことが多いので注意が必要です!
生命の危機になることも多いので「すい臓のケア」をしていきたいものです。
すい臓の病気は、これだけではありません。すい臓ガンもあります。
次の項では、すい臓がんについて書きます。
すい臓の病気②:ガン
- 1年間に3万人がすい臓ガンを発症する。
- すい臓ガンと診断された人の約85%は死亡!
- 生存率は著しく低い。→10年生存率:5%
→すべてのガンの生存率:約60%
《原因》
- 大量飲酒、喫煙、肥満、慢性すい炎、すい嚢胞、胆石 など
◎初期の段階では、症状が出現しないため、早期発見は難しい!
《症状》
①お腹の上部の痛み・背中の痛み→何をしなくても痛い・ずっと痛い
②体重減少
③高血糖・糖尿病
④黄疸→白目が黄色くなる
⑤便が白くなる
※特に、上記の④と⑤の症状が出現したら「病院へ直行」すること!
- アミラーゼ・リパーゼの上昇、腫瘍マーカーの上昇など、血液検査の異常に気を付ける。
《特徴》
◎すい臓ガンを発症すると、発症した人はほとんど死亡するなどガンの中で予後が最も悪い!
◎すい臓のガンは周囲の臓器や大きな血管に浸み込む。
◎手術が困難になることがほとんど→8割が切除困難
基本的に「早期発見」が難しいガンです。
症状が出た時は「すい臓がかなり悪くなっている」と解釈していいと思います。
すい臓ガンの初期症状が出現したら、病院へ直行することでしか命を繋ぐことはできません!
「腹部超音波検査・CT検査・MRI検査」を受けることは欠かせません!
どうにかして、すい臓の病気にならない方法はあるのでしょうか?
次の項では、すい臓の病気の予防について書きます。
すい臓の病気:予防
すい臓の病気に対する特効薬はまだないので、すい臓に「負担をかけない生活」をして予防していくことが、ものすごく重要です。
【すい臓に負担をかけない生活】
①飲酒量をかなり少なめにする
◎過度の飲酒はすい臓に悪影響を与えるため、すい臓の悪い人は「禁酒」すること!
◎飲酒の量に比例して「すい炎」の危険性が高くなる。
◎週に1日〜2日は、必ず「お酒を飲まない日」をつくること!
②禁煙する
◎喫煙することによって、すい臓の機能が著しく「悪化」する。
- 喫煙とガンによる死亡の因果関係でみると、食道ガンに次いで、すい臓ガンは危険性が高い。
- 禁煙外来を受診して「喫煙習慣」を止めること!
③脂質の多い食べ物(=脂もの)を避ける
◎お酒のつまみで「脂肪食」を摂り過ぎると、すい炎の危険性が著しく高くなる
◎脂質の高い食べ物を摂り過ぎると「胆石」の危険性が高くなる。
◎胆石があると「急性すい炎・慢性すい炎の危険性」が高くなる。
- 1日の脂質の摂取量:25g〜50gに制限する。
◎すい臓に悪い食べ物
- 脂身の肉
- ラーメン
- スナック菓子
- 洋菓子
- 揚げ物
- 脂肪の多い魚
◎すい臓に良い食べ物:
- ささ身
- はんぺん
- 豆腐
- 無脂肪(低脂肪)牛乳
- 適性体重の維持(BMIの維持)が大事!→BMIについては文献に記載。
④ストレスを溜めない
◎疲労やストレスが溜まると、すい臓の機能が「悪化」する。
◎ストレスを発散することは、ものすごく大事!
◎リラックスできる時間を確保する。
⑤バランスの良い食事・適切な食事をする
◎野菜類をできるだけ多く摂取する。
◎すい臓の健康に悪いもの:
- 香辛料
- 炭酸飲料
- 熱いもの
- 冷たいもの
- カフェイン飲料
- 塩分の多いもの
- 酸味の強いもの
⑥規則正しい生活を送る
- 暴飲暴食は止め、3食決まった時間に食べる。
- 十分な睡眠時間をとる。
すい臓の健康を守るためには、基本的には「禁酒」をオススメします!
社会人の方はお付き合いもあると思いますが、禁酒が難しい場合は、「多くても1日あたりコップ1杯に抑えること」「酒を飲まない日をつくる」など量や頻度を減らして労わることが肝要です。
おつまみも脂肪や塩分量を抑えて、すい臓に負担をかけないように心がけましょう。
喫煙も悪影響を及ぼすので、すい臓が弱っている方は「禁煙」を目指していただきたいです。
次の項では、実際にすい臓ガンになった人のことについて書きます。
すい臓ガン:八千草薫さん・星野仙一さん
すい臓ガンで闘病した有名人といえば「八千草薫」さんです。
1931年(昭和6年)生まれで、16歳の時に宝塚歌劇団の娘役としてデビューし、20歳の時には東宝映画「宝塚夫人」で銀幕デビュー。「宮本武蔵」「蝶々夫人」など数々の作品に出演されてきましたが、2017年86歳の時に乳がん、87歳の時にすい臓ガンで全摘手術を受けました。
抗がん剤治療の約1年後の2019年にガンが肝臓へ転移し、入退院を繰り返していましたが、同年10月2日、肺に水が溜まり痛みを訴えて緊急入院。
10月24日の早朝、看護師と会話した直後、容体が急変し、その日の午前7時45分、88歳でお亡くなりになりました。
日刊スポーツ:八千草薫さん死去/ガンと闘いながら撮影に・・・
すい臓ガンは早期発見が難しく、進行が早いため発症後数年で急に悪くなることが多いです。
この項で挙げた八千草薫さんも86歳までは、女優として活躍されていました。
しかし、86歳の時の乳がん、87歳の時すい臓ガンを患ってからは闘病から1年〜2年という短さで亡くなってしまいました。何とか、沈黙の臓器である「すい臓の病気」の早期発見ができたり、治療方法が開発されるといいと思います!
もう1人、すい臓ガンで闘病された有名人として「星野仙一」さんがあげられます。
1947年(昭和22年)生まれの元プロ野球選手、元プロ野球監督です。
2018年、70歳でお亡くなりになっています。
詳細は以下の記事に記載されています。ご覧になっていただけると有り難いです。
次の項では、実際にすい臓の病気になった人のことについて書きます。
すい臓の病気の有名人
すい臓の病気ですが、比較的有名人に多いようです。
すい炎になった有名人といって、真っ先に思いつくのが「伊勢ヶ濱親方」です。
伊勢ヶ濱親方は、1960年(昭和35年)生まれの63歳です。
現役時代は旭富士として相撲をしていました。伊勢ヶ濱親方は、すい炎を再発しています。
29歳の時にすい炎を発症、32歳の時、すい臓炎が再発して相撲を引退。
53歳の時突然「すい炎」が悪化して入院していました。
現在も、すい臓の病気と闘っています。
詳細は、以下の記事に記載してあります。ご覧いただけると、有り難いです。
このほか、お笑い芸人などもすい臓の病気になっているようです。
すい炎については、お笑い芸人のチュートリアルの福田充徳さんや次長課長の河本準一さんなど比較的多くの芸能人がかかっています。
詳細は、以下の記事に記載されています。ご覧になっていただけると、有り難いです。
参考:J-CASTニュース:芸人に襲いかかる「すい炎」の災厄
約10年以上前にテレビで相撲を見た時、審判部のほうを眺めると、ものすごく顔色の悪い親方がいました。よく見ると「旭富士?」「えっ、旭富士こんな感じだったか?」と思い、驚いていました。
「青白く、生気がなく、今にも倒れそうな感じ」で審判をされていました。
その2ヶ月後、Googleで伊勢ヶ濱親方のことを検索したら「すい炎」になっていたことが分かり、納得しました。
親方はすい炎が再発しているので、健康管理がかなり難しいのではないかと推測されます。
次の項では、沈黙の臓器からの危険信号について書きます。
沈黙の臓器からの危険信号に気をつけて!
以上、すい臓のケアは簡単ではない!でした。
すい臓は、肝臓や腎臓と並ぶ「沈黙の臓器」ですので、相当意識していかないと「病気の発見が難しい」といっても過言ではありません!
早期発見が難しいため、病気の予防がものすごく重要です!
そのためには今回の記事の病気の予防の項で挙げた「飲酒を控える(できれば禁酒)」「脂ものを摂り過ぎない」「禁煙する」ことを徹底して行なうことが大切です!
「検診」や「医療機関への定期的な受診」を通して、状態を確認していきましょう。
今回、あえてすい臓について着目しましたが、「すい臓が健康であることは全身の健康にとってかなり重要なこと」だということに気づかされました。
すい臓のケアは簡単ではないですが、手遅れにならないためにも「すい臓からの危険信号」に注意して、健康な人生を送っていきましょう!
記事をご覧いただき、どうもありがとうございました。
今回の記事は、以下の文献を参考にしました。
ATSUSHIメディカルクリニック:お酒好きは要注意!急性・慢性膵炎
池袋消化器内科・泌尿器科クリニック:すい臓がんの初期症状5選
独立行政法人 環境再生保全機構:【知識編】体格を知って対策を
以下の2つの文献は、すい臓の病気についてわかりやすく書いてあります。ご覧になっていただけると有り難いです。
今後について
興味があることや、今後書いていきたい記事のテーマとして、人にも環境にも優しい時差出勤を導入してみよう!、多様な働き方を導入してみよう!充実した冬の生活:パート1《ヒートショックを防ぐ工夫と生活習慣》があります。
皆さんに役立つ情報を届けていければと考えています。
今後ともよろしくお願いします!
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