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病院ってあんまりお世話になりたくないですよね…。
もちろん行くことにならないのが一番ですが、生きてる上でお世話になることも多いかと。
行きたくない理由はひとそれぞれですが、こう思うひともいるのではないでしょうか…。
「待ち時間が長い。」
確かに体調が悪いのに、長々と待たされてはたまったものじゃないです。
そのうえ、仕事を抱えているひとにとっては、少しの待ち時間もったいないと思うのではないでしょうか?
それが大きな病院ともなれば尚更です。
わたしも病院に通っているのですが、予約時間になっても呼ばれず、1時間以上待たされることも多いです。
外来患者の診察等までの待ち時間は、患者さんの実体験では「15分未満」が最も多く、次いで、「15分~30分未満」、「30分~1時間未満」となっており、これらをあわせた「待ち時間1時間未満」の割合になっています。
規模が大きい病院ほど待ち時間が長くなる傾向にあるようです。
この件に関して、病院側も対策を講じています。
近年、外来患者数が少しずつ減少してきている一方で、医師の数は少しずつ増えてきています。こうしたことがあって、以前より待ち時間が少しずつ短くなってきているようです。
医師数の増加の背景には、医師の数を増やそうという政策上の意思があります。また、一般的には高齢化が進行すると病院にかかる人が増えると考えられる中、外来患者数が減ってきている背景があり、病院の機能分化の推進等を進めるなどの政策的な施策があるようです。
予約しているのになぜ長い?
待ち時間は、基本的には、医師や看護師など医療提供側の処理能力を上回る患者数という、医療提供体制のアンバランスによって起こると考えられます。
外来患者数の最高予想値に備えて医師や看護師の体制整備ができればいいのですが、病院の予算も限られていますし、1日のうちの限られた診察時間内に発生する多くの患者数に備えて医師や看護師を多めに雇うことは合理的ではありません。外来者数は季節や曜日によって変動しますし、病院は人気のテーマパークのように入場制限をするという訳にもいきません。
しかも日本では、どの病院でいつ診療を受けるかを患者が自由に選べる仕組みを採っていますので、症状の軽い患者までが大病院に行きがちだという事情もあります。そのため、大病院の待ち時間が長くなるとも言われています。
また問題なのが患者数の多さです。例えば、とある大病院の予約患者数は1日平均1500人。初診・再診あわせてこの数です。都市部の病院ともなれば、倍近い予約数のところもあるかと思います。
当然のことながら、大学病院にかかる方は重症度や緊急度の高い患者さんも多いです。「大学病院で詳しく診てもらいましょう」と他の病院から紹介されて受診するのですから、1人あたりにかける診察・治療時間も自ずと長くなります。
また、入院患者さんや救急搬送される患者さんもいるので、大学病院の医師はその場に赴かずとも処置の相談を受けることもあります。
(確かにわたしの担当医も、診察中によく電話がかかってきて、診察を少し中断することも珍しくないです。)
病院で待っている患者さんは、待ち時間についてどう思っているの?
~ネットで拾った、とある患者さんの経験をご紹介します。~
その方は地方自治体の健康診断で心電図に異常が見つかったとのことです。突然死の原因にもなる不整脈のというのです。健診先の担当医師は、詳しいという総合病院の専門医に紹介状を書いてくれました。「脅かすわけじゃないけど、何かあったら困るから、ちゃんと行ってね」と言われ、なんとか時間をやりくりして朝の9時に病院に到着しました。
ところが科の受付では、「今日は○○先生、予約もいっぱいですし、いまからの受診だとかなり待ちます。すべて終わるのは夕方になってしまいますが……」と、言われてしまいました。それは困る、仕事はオフにしてあるけれど、娘の通う幼稚園が閉園してしまう時間である。「今日はけっこうです」と足早に去ろうとしたところ、「ちょっと待ってください」と引き止められました。
「まずは待合室にいてください。看護師が対応しますので」というので、ちょっとイライラしながらも待っていると早速、声をかけられました。別室で担当の看護師さんから、「何時くらいまでなら大丈夫ですか」と聞かれ、タイムリミット時間を告げると、「わかりました。じゃあ、今日は先に検査をやってしまいましょう。結果は別の日に聞きに来ていただくことでいいですか?」。
あとは手際のいい対応で、看護師は診察室の医師に問診表を届けに行きました。まもなくその医師に呼ばれ、一通り診察を受け、検査へ回ることができたようです。主治医は嫌な顔一つせずに終始、ニコニコと丁寧に対応してくれた上、「次回の受診は子どもと一緒でも大丈夫だよ。連れておいでよ」。
ここでさきの看護師さんが再び診察室に入ってきた。「先生、もう1人、『時間がない』、といってきた患者さんがいて。やはり、お子さんを預けて来ているお母さんなんですが……」。
どうやら、この病院では患者の状況によって診察の内容や順番を考慮する体制が柔軟に整っているようだったようです。紹介患者であり、命に直結する病気かもしれない、という緊急性を考えてのことでしょうか。他の患者さんの待ち時間が長くなってしまうことは申し訳ないけれど、これは立派な対応だと思ったよです。実際、受付の女性に引き止められなければもう受診しなかった可能性が高かったようです。幸い深刻な異常は見つからなかったそうですが、もし放置して突然死をしていた可能性だってあるかもしれない…と。
実際、そうした例は身近にけっこうあるのではないでしょうか。「不調を感じたけれどなかなか受診できなかった。慌てて病院にかかったときはもう手遅れだった」という話をよく聞きますが、多忙というだけでなく、「病院に行っても待ち時間が長い」という場合もあります。私の親しい友人は、1年前に受けた健診の結果をいまだに聞きに行っていません。先日の病院ではサラリーマン風の中年男性が、受付で「そんなに待つんですか、じゃあ無理だ」と半ば怒りながら去っていく姿を見ました。
待ち時間の問題は今に始まったことではありません。働き盛りの世代が病院にかかれない実情もたびたび指摘されてきました。皆保険制度でかかりつけ医制度がなかなか広がらない現状で、当面事態は変わらないかもしれません。ですので、医療側のひとたちには「長く待てないから」と帰ってしまいそうな人たちに対して、「今日はどのような症状で来たのですか」「○時頃ならすいています」「電話で混み具合を確認できます」「何か病気が見つかることもあるので、必ずまた来てください」などと声をかけてくれるだけでずいぶん違うはずです。
薬局も待ち時間が長いことも多い
病院に行ったら必ずと言っていいほどお世話になる薬局。
さらにその薬局でも待たされるケースはあります。
もしも、処方箋にミスがあったら…。もしも、患者の体質に合わないお薬があったら…。
こうした患者のリスクを避けるために、薬剤師は処方箋やお薬手帳、過去の薬剤服用歴などの確認を注意深く行っています。また、処方内容に疑問点があった場合、医師への問い合わせをすることもあります。正しく安全にお薬をご提供することが調剤薬局の大切な役割ですので、そこは理解が必要なのかもしれません。
待ち時間の有効活用
このように、診察内容や症状によっては長い待ち時間が要される病院。
その待ち時間を有効活用してもらおうとする病院もあります。
受け付け番号制をとり順番表示モニターで現時点の診察の進行状況を伝え、あと何人で自分の番が来るかを知らせる、院内専用の携帯端末をわたし、診察時間が近づくとブザー等で呼び出し待ち時間中の行動の自由度を高めるといった方式を導入している病院もありますが、これも待ち時間を「見える化」することにより、患者の心理的なストレスを解消することにつながるものと考えられます。
鳥取大学医学部附属病院が独自開発した患者呼び出しアプリ『とりりんりん』。このアプリをスマートフォンにダウンロードしておくと事前に予約している再来患者さんは、駐車場など離れた場所からでも受付を済ませることができる、そして診察時間が近づくと呼び出しのメッセージが届くというものです。病院の半径500m以内は使用可能なので、院内のカフェやコンビニにいてもメッセージを受け取ってから移動すればいい、利用者の好評の声を受けて全科で導入されているようです。
とりりんりんの使い方は下記からご覧になれます。
http://www2.hosp.med.tottori-u.ac.jp/toririnrin/
以上、待ち時間に関する状況を見てきましたが、待ち時間が長い病院が悪い病院であるとは決して言いきれませんが、待ち時間対策までを丁寧に考えてくれている病院がいい病院であることに疑いはありません。
医療の利用者として賢く病院と付き合っていきたいものですね。
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自分が通っている病院は、個人病院なのですが、日にちが悪いのか、はたまたとても混みやすいのか、3時間以上待たされる場合もあります。
(´・ω・`)
この記事を読んで、「確かに医師や看護師など医療提供側の処理能力を上回る患者数が来てるんだなぁ。」と、少し納得したところがありました。
おもしろい記事を書いてくださり、ありがとうございます。これからの記事も楽しみにしております。
m( _ _)mペコリ
コメント、ありがとうございます!
最近見たドラマでパニック障害の患者さんに触れていて、「大病院には大病院の、個人病院には個人病院にしかできないことがある」というセリフがありました。これには納得しました。
しかし、個人病院で3時間とは長いですね…( ゚Д゚)
ひとりひとり、じっくり時間をかけているのでしょうか…
長文の記事を読んでいただき、ありがとうございました!