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こんにちは、金次郎です。
こちらは、今年3月に書いた記事で、流通業大手のイオン株式会社では、昇格試験に合格すればパート社員でも管理職に昇格できるようにしたと言う記事です。
パートでも管理職になれる、イオンの人事改革と今年の春闘
私が新卒で入社した会社は、ある電機メーカーの子会社ですが、人事制度は親会社に準じており、管理職になる為には「管理職登用試験」を受けて合格しなければ管理職になれませんでした。
(今も試験をしているのかは、定かではありません)
しかし、最近の若い社員は、仕事よりもプライベートに重点を置いているのか?「管理職になりたい」という社員が少ないそうです。
若い社員は何故、管理職になりたくないのか?
今年の春、大学や大学院を卒業する学生を対象に「将来どこまで出世したいか?」という調査をしました。
すると以下の様な結果になりました。
男子学生
・「特に考えていない」 29.8%
・「出世したいと思わない」 7.0%
女子学生
・「特に考えていない」 38.4%
・「出世したいと思わない」 20.0%
と、男子学生は36.8%、女子学生は6割近くの58.4%の学生が出世に興味を示していない事が分かりました。
株式会社ビズヒッツが、管理職になりたくないと言っている男女500人を対象に「管理職になりたくない理由に関する意識調査」と言うのを実施しました。
「管理職になりたくない理由」の男女それぞれの理由順位は以下の通りです。
男性 | 女性 | |
1 | 責任が重い | 責任が重い |
2 | 割に合わない | 仕事や残業が増える |
3 | 仕事や残業が増える | 管理職に向いて無い |
4 | 人間関係で悩みそう | 割に合わない |
5 | 管理職に向いて無い | 人間関係で悩みそう |
6 | 残業代が出ない | 残業代が出ない |
7 | 今の仕事を続けたい | 今の仕事を続けたい |
1位は男女とも「責任が重い」で、順位は違えども、男女とも同じ様な理由が見られます。
参考:(PR Tims)【管理職になりたくない理由ランキング】男女500人アンケート調査
逆になりたくてもなれない中堅社員
上記の様に今の若い社員は、管理職になる事を望んでいない人が多いですが、管理職になりたくてもなれない人達がいます。
それは、西暦2000年頃に入社した現在40代辺りの中堅層の社員です。
あるエネルギー関連の会社の部長さんの話しでは「20年前は同期入社の社員の8割は課長に昇進しましたが、今は4割程度にまで減少し、5割以上が係長で定年を迎えます」と言います。
部長に昇進できるのは同期入社の1割程度で、その上の事業部長や本部長クラスになると同期入社から出てこないケースも有るそうです。
大きな理由は、1991年に起こった「バブル経済崩壊」による、会社組織の見直しでして、先ず人事制度では、勤続年数で昇給や昇進する「年功序列」が廃止され、昇給と昇進は、仕事で成果を出した者だけに適用する「成果主義」と言うものに変わりました。
また、色々な名称の役職が有った組織のスリム化も行われ、管理職ポストも少なくなりました。
昔は、上司のお気に入りになれば管理職になれる時代でしたが、今は「管理職試験(面接と論文)」や「英語力検定試験TOEICで何点以上」と言う、いくつものハードルを課している会社がたくさん有ります。
参考:(BUSINESS INSIDER)管理職を「避ける若手」と「望んでもなれない中堅」。大企業5人の部長が語った“管理職のいま”
管理職にも残業代が出る場合が有るって知ってた?
あと、若者が管理職になるのを避けている理由に「管理職になったら残業代が出ない」と思っている人が多いからだと思います。
しかし、管理職でも残業代を払わないといけない人達がいます。
それはいわゆる「名ばかり管理職」の人達です。
労働基準法41条では、労働時間や休憩及び休日に関する同法の適用が除外される労働者を列挙しており、「監督又は管理の地位にある者」には、割増賃金(残業代)の支払いをする義務がありません。
でも、先に書いた「名ばかり管理職」の様な、〇〇長と役職名がついていながら、仕事に対して決定権が無かったり、勤務時間が一般従業員と同じ様に管理されている場合などは、管理監督者とは言えないので、残業代を支払わないといけません。
この事を知らず「役職名をつけておけば、残業代を支払わなくて良いや」と言う会社が多く有ります。
これは、立派な法律違反ですから、見つかれば訴えられる事になります。
参考:(アディーレ法律事務所)管理職に残業代が出ない理由は?場合により違法になることも!
終わりに
私は、今まで一般企業から公的機関など色々な職場で働いて来ましたが、昇進に燃えている人や今のままで良いやと、のんびり仕事をしている人などを見て来ました。
公的機関の場合、何種公務員試験で採用されたかで昇進スピードが違いますので、仕事に対する意欲の違いが良く分かりました。
また、新卒で入社した会社でも、上で書いた「年功序列」から「成果主義」に人事制度が変わって以降は、「あぁ、私は今年成果出せなかったから、来年の昇給も昇進も無理だぁ~」と途中でやる気を失ってしまう人もいました。
管理職ポストが少なくなっても如何に社員のやる気を引き出せるか?
これからも人事制度は、絶えず変化して行くでしょうね。
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記事を読ませていただきました。就職してから離職するまでの期間が早くて数ヶ月遅くても3年続けばいいのかもしれません。それだけ仕事に魅力を感じない世代と上にいきたいと願う世代のギャップがでているのでしょう
。仕事かプライベートとの比率がこうした結果に繋がっているのも事実なのかもしれないですね。また、記事を楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
新卒で入社した会社の同期入社の仲間数人とは、今も年賀状をやり取りしています。
「誰君が課長になったよ」とか「誰君が辞めちゃった」と、情報をくれます。
どの世代も「仕事中心」あるいは「プライベート中心」と考え方は様々だと思いますけどね。