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こんにちは、金次郎です。
私は、毎年暮れに「一冊丸ごとネコ特集」をしている週刊誌を買っていました。
しかし、今回は少し事情が違いました。
年明けと共に、その週刊誌が5月で休刊すると言うニュースを見たからです。
「もう、ネコ特集が見られなくなってしまうのか」と思いながらネットニュースを検索していたら、今度はテレビ番組情報誌の「週刊ザ・テレビジョン」と言う雑誌も休刊すると言うニュースを見つけてしまいました。
「こんなに歴史の有る週刊誌や、番組情報誌も、売れなくなってしまう時代かぁ」と言う思いです。
「週刊朝日」休刊の衝撃
毎年「ネコ特集」をしているのは「週刊朝日」と言う週刊誌です。
「週刊朝日」は、週刊誌の中ではもっとも歴史が長く、創刊されたのは1922年(大正11年)です。
したがって、去年は創刊100周年の年でした。
1950年代には100万部を越え、それを見た他の出版社も相次いで週刊誌を発行しだします。
・「週刊新潮」(新潮社 1956年(昭和31年)創刊)
・「週刊文春」(文藝春秋社 1959年(昭和34年)創刊)
週間朝日は、著名な小説家の司馬遼太郎による「街道をゆく」と言う紀行文の連載を載せていましたし、他の週刊誌と比べて見ても記事の文章にも信頼性や安定感がありました。
※「街道をゆく」のテレビ版で、九州内の朝日放送系列で「九州街道ものがたり」と言う番組も作
られ放送されていました(1990年から2009年まで放送)。
それ故に「週刊誌の取材は受けたく無いけど、週刊朝日なら良いよ」という著名人もいたほどです。
しかし2012年(平成24年)、当時大阪市長をしていた橋下徹氏を題材にした連載で「出自」を掘り下げようとしたために、橋下氏の抗議を受けて連載は即座に中止され、社長が引責辞任する事態にまでなりました。
この事件が週刊誌凋落の始まりとも言われていますが、丁度スマートフォンの人気が出だした頃です。
参考:(日刊サイゾー)「週刊朝日」休刊が他人事ではない週刊誌…次に“終わる”のはどの雑誌?
そも、本が読まれなくなった
橋下氏の一件以降、人々のプライバシー尊重や人権意識が高まり、有名人のプライバシーを暴く記事を載せる事で成り立っていた週刊誌の立場がなくなりました。
更には、スマートフォンの登場により、パソコンを持っていない人でも気軽にインターネットが出来る様になりましたので、スマートフォンで色々な情報を知ることが可能になり、皆さん本を読まなくなってしまいました。
スマートフォンは、静止画だけでなく動画も撮れる優れモノですから、先ずカメラやビデオレコーダーが売れなくなり、沢山有ったカメラ雑誌のほとんどが休刊してしまいました。
最近は、防犯の為に小学生にまでスマートフォンを持たせている親も多い事から、小学生達も教科書以外の本を読まなくなった様です。
私たち世代が子供の頃に毎月楽しみに読んでいた、学研の「科学」と「学習」と言う本も2010年(平成22年)で休刊しましたし、小学館の「小学〇年生」と言う学年毎に発行していた雑誌も現在は「小学1年生」のみ発行し、2年生~6年生は休刊しています。
参考:(memorva)休刊・廃刊した雑誌一覧
「休刊」と「廃刊」の違い
読んで字のごとく「休刊」は本の発行を休む事で、「廃刊」は本の発行自体を止める事です。
休刊:本の制作や編集作業が自然災害などによって一時的、もしくは経営上の理由や売れ行き不振
などを理由に、発行が困難になった場合の措置です。
つまり、雑誌の販売を「ある期間休む」事を言います。
ですから、再び「復刊」する可能性は残されています。
廃刊:雑誌の発行が中止され、以後の発行や販売も全く予定されない場合を指します。
これは、その雑誌が完全に無くなり、二度と復活しない事を意味します。
しかし「休刊か?」それとも「廃刊か?」は、本を発行する出版社もしくは作者の意思表示がないと区別がつきにくいのが現状です。
それ故に現在の出版業界では「取り合えず「休刊」と言って置こうか」という感じで「休刊」でほぼ統一して告知されています。
雑誌には「雑誌コード」と言う、商品番号が雑誌名ごとに設定されており、裏表紙の価格付近に書いてあります。
例:「雑誌12345-12」
休刊すると、その雑誌の「雑誌コード」は共通雑誌コード管理センターで2年間保留されます。
その間に雑誌が復刊しなければ、付いていた「雑誌コード」は、別の新しい雑誌に再使用されることになります。
また、雑誌の「タイトル(名前)」は商標登録されています。
商標権の有効期間は10年で、存続のためには10年ごとに更新が必要です。
休刊して3年以内に1回も発行がなかった場合は、商標権は消滅します。
これが事実上の「廃刊」と捉えても良いでしょう。
参考:(出版科学研究所)雑誌の「休刊」と「廃刊」、何が違う?
では、現状雑誌の販売がどの様な推移をたどっているかグラフで具体的に見てみましょう。
1・雑誌販売金額推移
画像引用:(出版科学研究所)雑誌販売額
この25年ほどで週刊誌は最盛期の20%ほどにまで販売額が落ちており、月刊誌も25%ほどまでに販売額が減っています。
2・電子出版の市場規模
画像引用:(出版科学研究所)電子出版販売額
逆に、電子出版は年々売上げが伸びており、特に電子コミックの販売額は7年前の約4.6倍にまで増えており、電子書籍も2.3倍ほどになっています。
終わりに
日本の皆さんが本を読まなくなったのは、コンビニエンスストアに行けば実感できます。
私が住んでいる市内にあるコンビニエンスストアでも、店舗内の窓際に設置されている本棚スペースが、ほとんどの店舗で今までの半分ほどに縮小されています。
また、ショッピングモールの本屋さんでも、お客がかなり減っているのが感じられます。
故に、私は去年こんな経験をしました。
毎年、その本屋さんで買っている「卓上カレンダー」ですが、その出版社の他の製品は有るけれど、私が買っている製品Noの卓上カレンダーが見当たらない。
そこで、店員さんに尋ねるとパソコン画面を見ながら「入荷はしていますが、倉庫から出して無いですね。」と。
私が「すぐ出せますか?」と尋ねると「探すのに時間がかかりますので、見つけたらお電話しますので予約表に連絡先を書いてください。」
と言うやり取りが有りました。
「お客が減っているからか、全ての商品を表に出さないのかな?」と思った出来事でした。
もうすぐ「新型肺炎」も、インフルエンザと同じ扱いになりますが、この3年間の病気流行に翻弄されて外出もままならず、授業もオンライン授業と言う経験をした子供たち。
本を読むと言う経験が少なかったので、いざ手紙を出そうと思っても、漢字が書けなかったりしてしまうのでは無いでしょうか?
「ネットで調べるもん」と言われそうですが、いざと言う時に漢字が書ける様に、また学力向上の為にたくさん本を読んで、知識を身に着けておいて下さいね。
参考:(ORICON NEWS)『週刊ザテレビジョン』休刊、41年の歴史に幕 月刊と統合でブランド力強化へ
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記事を読ませていただきました。
携帯やIパットなどの普及が本の売上が減ったのも悲しい話です。本の活字を読むことが大事なのをもっと広まるといいですね。次の記事も楽しみにしています。
コメントありがとうございます。
今、テレビなどで10代~20代辺りの若い人たちを「Z世代(最終世代)」と盛んに言っています。
「テレビ見ない」・「運転免許取らない(車欲しく無い)」・「結婚しない」と
今の若者は、何も興味を示さない無い無い尽くし世代らしいです。
スマートフォンの爆発的普及は、色々なものに興味を失っている様です。
本が売れなくなっただけでなく、電気屋さんや自動車学校・結婚式場なども潰れていくところが
増えるかもですね。