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こんにちは、翼祈(たすき)です。
人がどこかへ移動する手段の1つである、電車。車の免許を持たない私にとっても、通勤するにも出かけるにも、大切な交通手段です。
そんな電車ですが、障害者割引が使える障害者手帳に関して、まだ精神手帳の割引を取り入れていない鉄道会社も多く、電車代が高額になっているケースも発生しています。
また、視覚障害のある方にとっても、ホームドア設置問題も大きな課題です。
今回は障害者の目線で、困っている電車の事について、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。
障害の理解を求める啓発ポスター掲出
画像・引用:山陽電車
山陽電鉄が知的障害がある人らが駅や電車内で取りやすい行動に理解を求める啓発ポスターを製作した。約千枚を印刷し、各車両や系列のバス車内などに掲示を始めている。
ポスターは「おおごえ(を出す)」「うろうろ(歩く)」「ぶつぶつ(言う)」など障害の特性による5つの行動を色つきのイラストで紹介。「大声を出すのは不安を抑えて落ち着こうとするため」「ぶつぶつ言うのは気持ちの整理をするため」と理由も説明する。
「こうした行動が障害の特性によるものと分かれば、当事者を誤解する人が減る」との考えで、障害理解について駅員や乗員らにアンケートを実施するなどし、障害がある人の保護者らでつくる「手をつなぐ育成会」の地元組織と相談しながら1年ほど前からポスターの製作も進めてきた。
ホームドア設置に向け、視覚障害者と一緒に訓練。
視覚障害者が駅ホームから転落する事故を抑制する為に、国土交通省近畿運輸局は2021年10月18日、阪神電鉄・大阪梅田駅などで歩行訓練を実行。この歩行訓練に参加した視覚障害者から、ホーム上での白杖の正しい使用法などを勉強しました。
国土交通省によれば、視覚障害者の駅ホームからの転落事故はここ数年、年平均約75件発生しています。鉄道各社はホームドアの設置などを加速していますが、設置代の高額などから早い段階での整備が困難で「ソフト面での対策を強化しよう」と計画しました。
この歩行訓練には大阪府大阪市にある「日本歩行訓練士会」が賛同しました。歩行訓練に参加した視覚障害者からは点字ブロックには、駅ホームの内側か線路側かを知るための線上の突起「内方線」が設備されていることを紹介し、「白杖で内方線や駅の壁を触れながら歩く」「電車に乗り込む時は、白杖で触れた部分より奥に足を踏み入れる」などを教授。関西の鉄道各社も体験に来て、熱心にメモに書いていました。
ホームドア設置にはコスト面の他にも課題はあります。1つの間口で450〜500キロ程度とされるホームドアの重さにホームが耐えられるか、ホームが狭くならないか。車両の長さ、ドアの位置や数が異なると乗降位置が揃いません。
障害の分類で、運賃の障害者手帳割引に影響
観光列車なども数に入れた全国の鉄道会社175社で、精神障害者に対し運賃割引を実施しているのは半分程度の97社しか認められていないことが、国土交通省の内部資料で判明しました。首都圏や中京圏などの都市地域では、ほぼ精神障害者向け運賃割引は実行されていないのです。身体障害者、知的障害者に対してはほとんどの鉄道会社が実施しており、障害の相違によって対策に遅れが発生しています。
2021年4月時点の調査結果を1冊にした国土交通省の資料によれば、精神障害者に対しての運賃割引を実施している97社の内訳は、名古屋市営地下鉄など公営鉄道で11社、西日本鉄道など大手私鉄で2社、地方を中心とする中小の私鉄で84社。各鉄道会社の公式ホームページなどによれば、特定の条件で、障害者本人や介助者1名の普通運賃を割引にする例が多いといいます。
その一方で、JR各社によりますと身体障害者、知的障害者に対しての運賃割引は実施されていますが、精神障害者はそれがないです。
精神障害は身体障害、知的障害と比べ、社会的に障害として分類されたのが非常に遅く、運賃割引をされる際に提出が必要な障害者手帳の交付開始が身体障害者の1950年、知的障害者の1973年に対し、精神障害者は1995年だったことが大きく影響を及ぼしています。
精神障害者向け割引がある鉄道会社は2012年の58社から2021年の97社に増えましたが、JR各社のほか都市部の大手私鉄の多くは未導入。「障害者人口のカバー率では、普及しているとは言えない」と当事者は話します。
その後、
関東圏がメインの電車、バスなどの事業者で構成された関東ICカード相互利用協議会は、2022年9月14日、障害を抱える人とその介護者向けのSuicaやPASMOのサービスを2023年3月からスタートすると明らかにしました。従来のICカードでは駅を出る際には有人改札を通らないと障害者割引の適用が不可能で、障害を抱える人達から改善要望が上がっていました。
同関東ICカード相互利用協議会によれば、自動改札を通過すれば障害者割引が適用されます。バスでも利用可能です。対象の障害を抱える人は障害の程度が最も重い第1種の身体に障害を抱える人か知的障害を抱える人と、その介護者です。販売窓口で障害者手帳を提示すると発行され、1年ごとに更新が必要となります。
障害を抱える人1人につき、複数人で使い回せる介護者用のカードも1枚渡されます。障害を抱える人と介護者が同時に同じ日程で乗車する時に利用もでき、1枚1枚を単独で使用することは出来ません。スマートフォン用アプリのモバイルSuicaやモバイルPASMOには対応しておりません。
参考:障害者用Suica、来春開始 自動改札で割引適用 47NEWS(2022年)
2024年4月、
障害者手帳の鉄道運賃の割引制度で、精神障害を抱えている人たちからは「他の障害者と同様に手帳割引の対象にして頂きたい」という声が高まって、国土交通省が鉄道運賃の割引制度の拡大を各鉄道会社に要請していました。
JR6社と東武鉄道や東京メトロなど大手私鉄9社は対象を拡大し、新規に精神障害を抱えている人を障害者手帳の割引の対象にすると、2024年4月11日、明らかにしました。このことで、JR6社と大手私鉄16社の全てで、精神障害を抱えている人の障害者手帳の割引制度が導入されることになります。
JRは6社共通の障害者手帳の鉄道運賃の割引制度になっていて、介護者と一緒に鉄道を利用する時には、第1種の場合は本人と介護者1人の定期券と普通乗車券などが、12歳未満で第2種の場合は本人と介護者1人の定期券が、それぞれ5割引きになります。
定期券は種類によって障害者手帳の割引の対象外のものもあります。精神障害を抱えている当事者が1人で鉄道を利用する時には、片道100kmを超える場合に限定して、第1種と第2種、どちらも普通乗車券が5割引になります。
新規に障害者手帳の鉄道運賃の割引制度を導入する事業者の中で、最も導入が早いのが京成電鉄の乗車券の販売で2024年6月からとし、それ以外にもJR6社は2025年4月から導入します。
そして、中小の私鉄でも複数の鉄道会社の事業者がこれから、新規に精神障害を抱えている人たちの割引制度を導入します。
参考:精神障害者の運賃割り引き JR6社と大手私鉄16社すべてで導入へ NHK NEWS WEB(2024年)
私が精神障害者として経験した辛い思い出。
私が訓練施設に行っていた時の事です。施設にいるメンバーと職員と一緒に、県内の水族館に出かける話がありました。引きこもりだった私は、久々の遠出、久々の水族館で心が弾みました。
当日を迎えた時にバスでの移動だったのですが、周りは知的や身体障害者のメンバー。私は精神障害者だったので、この当時はバスも割引対象ではありませんでした。そして、他のメンバーから「あ、●さん、バス代半額にならないんだね」と悪気なく言われました。
そこからバス代もですが、電車代も入れて私が精神障害者として半額になったのは、そこの訓練施設を辞めて、2ヵ所目のA型に行き出してからなので、5年以上は経過していますね。この時辺りから、タクシーも精神手帳見せると、1割安く料金を引いて貰える様になりました。
私も話した通り、精神手帳の運賃割引に関しては、他の障害より遅れています。私の住んでいる県より、東京の方がかなり遅れているという事実には大変ショックを受けました。東京は電車の本数も多いし、駅自体も多いですし、どこでも平等に割引されて欲しいなと思いました。
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noteでも書いています。よければ読んでください。
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