最近、流行りのタッチパネル式メニュー -視覚障害の方が困っています-

タッチパネル

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こんにちは、金次郎です。

 現在、飲食店の多くで取り入れられているタブレット型のタッチパネル式メニュー表。
 画面の食べたい物の品名や商品画像をタッチして、「OK」ボタンを押せば、ほどなく品物が出てくる時代。
 しかし、その様な注文方法に戸惑っている方々がいます。
 それは、目の見えない「視覚障害」の方々です。

 今回は、視覚障害の方が困っていると言っている、タッチパネル式メニュー表について書いてみます

視覚障害の方を悩ませる「タッチパネル式メニュー表」

 以前の飲食店であれば、お店に入って席に座れば

・店員さんが座席に来る
・メニューを見ながら、食べたい物を聞いてくれる
・食べたいものを注文

これで、後は料理が運ばれて来るのを待つだけでした。
 現在は座席の前にタブレット型の端末が置いて有り、自分で食べたい物を注文するお店が増えています。
 PCやスマートフォンを扱った事が有る人ならば、画面をポンポンとタッチして注文出来ると思いますが、目が見えない視覚障害の方には、難儀な注文方法です。

 生まれつき強度の弱視の山城完治さん(68)が、都内の牛丼屋さんに行った時です。
 タッチパネル式のメニュー表では、食べ物の種類が分からないし値段も分からない。
 お店によっては、メニューの読み上げ機能がついている場合もありますが、1番上から読み上げられて行きますので時間がかかる上に、やはり画面のどの位置を押せば注文が完了するのか分からないと言います。
 この時は、近くに座っていた客の手を借りたそうですが、時間を取らせるのが申し訳なく思い、最初に読み上げてもらったメニューを頼んだそうです。

 さらには、注文した商品を運んで来るのが、歩行型ロボットでしてロボットが発するメロディーの音は聞こえるけど、どこにいるのかよく分からないので、運ばれて来た商品を受け取るのも大変苦労したそうです。

参考:(朝日新聞)飲食店のタブレット注文 視覚障害者から「メニューわからない」の声

視覚障害者が食べづらい飲食店の特徴

 全日本視覚障害協議会による「視覚障害者が、入りづらい飲食店」の特徴です。

・注文方式
 ・タッチパネル式の発券機
 ・タブレット端末
 ・自身のスマートフォンでの注文
  これらの方法ですと、メニュー表のどこを押して良いのか見えないので分からないですし、
  決済までに何段階もの操作をしなければなりません。

・配膳方式
 ・ロボットや専用レーンによる配膳
  レーンのどの位置に、自分が頼んだ商品が来たのか分かりにくい
  ロボットのどの位置に商品が有るのか分かりにくい

・セルフサービスのドリンクバー
 ・メニューやドリンクバーの商品出口が分かりにくい 

・店員の減少
 ・メニューの読み上げやトイレへの案内も断られる 

タッチパネル式が、何故こんなに広まったのか?

 タッチパネル(セルフオーダー)で商品を頼むと言うのは、回転寿司屋の「かっぱ寿司」が2005年に導入したのが最初と言われています。
 現在では、ほとんどの回転寿司チェーンでタッチパネルが採用されています。

理由:その1(人件費の削減
 従来のお寿司屋さんの様に、職人が注文を取ってから握ると言う効率の悪い作業を解決する為
に、ベルトコンベアで商品を回転させて運ぶ方法が取り入れられました。
 タッチパネルも同様で、職人が注文を取ると言う非効率的な部分を解決する為の方法でした。
これにより、お客さんの数に比例して、人件費がかさんでいくと言う営業を解決しました。

理由:その2(会計作業の効率化
 それまでは、ひとテーブルごとに店員を呼んで皿を数えてもらい、財布を持って会計に向かうの
 で、お客さんにとっても手間がありましたが、今はシステムが自動精算しているので非常にスム
 ーズです。

その様なタッチパネル式のセルフオーダーシステムが、現在では回転寿司のみならず、様々な飲食
店で利用されるようになりました。

参考:(Free POS)経営の合理化!回転寿司がタッチパネルを採用した3つの理由

タッチパネルが増えると、「生きづらい」も増える視覚障害者たち 

 この様に、人件費の削減や人手不足解消に役立つと、飲食店はこぞってタッチパネル式の券売機や注文システムを導入しています。
 しかし、目の見えない人には点字や画面に凹凸が無いタッチパネルは、どこを押していいのか分からないです。

 東京都荒川区視力障害者福祉協会の長島清会長(62)は、これまで出来ていた事ができなくなり「自立を阻まれている」と感じているそうです。
 長島さんは「タッチパネルではなく、突起のあるボタンがあれば自分で操作できるんです。
 緊急時に対応できる店員もいてくれれば不安も少ないですが、利用者が少ない店舗の無人化の流れは避けられないですね。」

更に
 「この先、より無人化が進むのがおそろしいです。
 世の中は便利になるけど、目の見えない我々にはバリアが増えていると知ってほしい。
 バリアフリーと人手不足の問題の折り合いを付けなければ、世の中が成り立っていかないです。」
 と訴えています。

参考:(東京新聞)増えるタッチパネルに困ってます 視覚障害者には何も伝わらず 「世の中は便利になるけど」増す生きづらさ

視覚障害の方が、タッチパネルを使える様にする取り組み

 視覚障害者が操作しづらいタッチスパネルを、手間をかけずに使用できるようにする装置を開発している大学が有ります。
 アメリカのメリーランド大学のスモール・アーキファクツ・ラボでは、「タッチアライ」と言う名前でこの装置の開発に取り組んでます。

これは、
 ・タッチパネル画面にこの装置を取り付けると、画面を撮影し、写した画面をサーバーに送信
  します。
 ・それを、データベースで照合します。
 ・メニュー内容などの情報をスマートフォンに送信します。
 ・スマートフォン上にメニューが表示されます。
 ・メニューを選択すると「タッチアライ」から腕が伸びて、代わりにボタンを押してくれます。

 と言う感じで、視覚障害の方の手助けをしてくれるシステムの様です。
 データベースへのメニュー登録は、ボランティアの方の協力が必要な様ですが、近い将来は「AI」が活躍しそうです。
 また、各お店の広報担当の方がメニュー登録などをしてくれると、登録作業はスムーズに行くでしょう。

参考:(accessibility)タッチパネルをアクセシブルにするツール

参考:(SMALL ARTIFACTS LAB)アクセスできない公共のタッチスクリーンをアクセス可能にする

終わりに

 私は、「難聴」と言う聴覚障害者ですが、店員さんの問いかけが聞こえにくい場合は、筆談と言う手が有りますが、目が見えないと言うのは大変困りそうですね。
 事業所が有る最寄り駅のビルが、去年から耐震補強工事をしていまして、工事に伴って飲食店も閉店していましたが、工事が終わったお店から順次再オープンしています。

 しかし、再オープン時に、このタッチパネル式オーダーに変えた飲食店が有ります。
 通勤時に外から店内を見てみると、お客の皆さんはタッチパネルの操作に難儀している様でした。
 目が見える方でも、パソコン等扱った事が無い人は、デジタル機器での注文方法は慣れるまで大変だと思います。
 人件費を抑えたいお店側と、楽に注文したいお客様。
 この先、どうなるでしょうか。  

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