婦人科診察の「恥ずかしさ」~負担を減らすために~

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はじめに

女性のみなさんは、一度は体験しているであろう、「婦人科での内診」ですが、その独特のスタイルと、下半身を露出しているという羞恥心から、「苦手」、「恥ずかしい」という人も少なくはないと思います。

私自身も、内診で恥ずかしいと思ったことがあります。

「恥ずかしい」という思い

婦人科の検診では、必ず下半身は裸の状態でなければいけません。それは、内視鏡や触診などで服が汚れてしまうかもしれないからです。

そして、恥ずかしいと思ってしまうのが、内診台です。

内診台は、自動で上下し、足を開いた状態にすることで、内診をしやすくするための機材になります。

自分の意思とは関係なく、広げられる下半身。女性なら誰しもが恥ずかしいと感じてしまうのではないでしょうか?

お腹の上にはカーテンがありますが、見えない向こう側でどのようなことが起こっているのかが、不安になる時もあります。

自動機能つきの内診台が、受診者を一様の姿勢にすることから、股関節の痛みを感じる人や、ベルトコンベヤー上のモノのような気分になる人がいます。

 

海外と日本との内診の違い

電動の内診台や、医師と受診者の間に引かれるカーテンは「日本独特」と言われることがあります。

実際にその通りで、イス型の内診台は、1980年代後半に婦人科医療に登場し、広く使われるようになります。

脱衣スペースで受診者が座ると、イスが電動で医師の前に運んでいき、背もたれが倒れると同時に、機種によっては自動で開脚させる機能も加わりました。

イギリスでは、簡単な検査は医師が患者をベッドに仰向けに寝かせ、ひざを外向きに倒すように指示しています。診察の目的に合わせて、このような対応ができたら、恥ずかしいという思いをする女性も減るのではないでしょうか。

そして、日本と諸外国との最大の違いは、医師と患者との間に仕切りとなる「カーテン」があることです。

諸外国の場合は、内診台の横にあるモニターを医師と患者が一緒に見ながら、医師が状況を説明してくれます。

例えば、「モニターのこの部分に、こういうものが映っていますが、このような症状は、特に心配はありません」といった感じです。

もちろん患者側から質問をしてもかまいません。

日本のスタイルに慣れている女性の場合は、カーテンはあったほうがプライバシーを保てると感じる人もいるのだと思います。

負担を減らすために

このように、羞恥心や身体への負担もある産婦人科での内診ですが、いまその負担を減らすために、様々な方法が考えられています。

例として、山王病院(東京都港区)の産科部長で、赤坂山王メディカルセンター(同)でレディース外来を担当する大柴葉子医師の対応があります。

対話で負担減

内診台には患者の羞恥心を和らげる目的で、患者側と医師側とを仕切るカーテンがついていることがありますが、それも負担軽減の一つの工夫といえます。

しかし、患者の中には、医師の姿が見えないことで、自分に行われる処置への恐怖心が募るという人もいます。

そういった場合は、カーテンを使わず患者さんとコミュニケーション(対話)することで精神的な負担感を減らせるように工夫しています。

「患者さんが痛みを感じていないか、表情や会話から把握します。例えば、内診台の高さや脚の開き具合について、『このへんでやめますか』と声をかける。医師が次はどんなこと(内診、触診など)をするのか、手順を共有することで、診察に前向きになれるかもしれないと考えています。」

内診台は「何度経験しても慣れるものではない」と言い、「ご自身に無理のない体勢や姿勢で、受診できるように、医師には遠慮せず要望を伝えてほしい」と語っています。

さいごに

山王病院の産科部長で、赤坂山王メディカルセンターで、レディース外来を担当する大柴葉子医師は、このようなメッセージを送っています。

「婦人科では下着を着けずに下半身を診察されて抵抗感があるのは理解できる。ただ自分の体を守るために必要な診察であることも理解してほしい」

婦人系の病気は、内診や触診をしないと判断できない場合もあります。

ご自身の身体に少しでも違和感を感じているのであれば、恥ずかしいという気持ちは、十分に理解されている上で、産婦人科の受診をオススメします。

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参考サイト

電動内診台、腹部カーテン 日本独特の産婦人科診療、背後にあるのは

婦人科カーテンの謎、日本と海外との違い | 大手小町

【みんなで考える 思いやりのカタチ】婦人科診察「恥ずかしさ」和らげ – 産経ニュース




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TANOSHIKAライター。うつ病、AC(アダルトチルドレン)、機能不全家族育ち。現代詩を勉強中です。セクシャルマイノリティ当事者。読みやすい、わかりやすいをモットーに様々な記事を書いていきます。