盲導犬同伴を病院に拒否され困惑する当事者。病院の対応や身体障害者補助犬法の趣旨とは。

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こんにちは、金次郎です。

 目の見えない方や弱視の方が外出などの行動をする時に、白杖を持っていたり、或いは盲導犬と呼ばれる補助犬に介助してもらいながら街を歩く場合があります。
 今回のお話は、その補助犬のうち盲導犬を連れていた目の見えない方が病院に「受診に際して盲導犬同伴で、そちらの病院に行きたいのですが?」と、盲導犬協会を通してお願いをしたのですが、病院から来院を断られてしまったお話です。

障がい者を助ける補助犬

 目の見えない人を助ける盲導犬は、皆さまもよくご存じだと思います。
 日本で盲導犬が誕生したのは1937年(昭和12年)ですが、世界に目を向けて見ると古代ローマ帝国時代の壁画や13世紀頃の中国の絵には既にそれらしき犬の様な絵が書かれているそうです。
 現代の日本では盲導犬だけではなく、耳の聞こえない人の為に音がしたら知らせる聴導犬や、動作の不自由な人が立ち上がったりドアを開けたりの行動を補助してくれる介助犬なども存在し、これらの犬を総称して「身体障害者補助犬」と呼び、2002年(平成14年)に身体障害者補助犬法で正式に定められました。

 現在日本にいる補助犬の頭数

・盲導犬:1067頭
・介助犬:  62頭
・聴導犬:  19頭

 合計1148頭の補助犬がいます。

厚生労働省のスタンス

 厚生労働省は、この補助犬に関して以下の様に定めています。

1補助犬はペットじゃない、からだの不自由な人のからだの一部です。
補助犬とは、目や耳や手足が不自由な人のお手伝いをする、盲導犬、介助犬、聴導犬のことです。からだの不自由な人のからだの一部であり、ペットではありません。
「身体障害者補助犬法」に基づいて認定された犬で、特別な訓練を受けています。
きちんとしつけられているので、社会のマナーも守れるし、お手入れも行き届いていて衛生的です。
だから、公共施設や交通機関をはじめ、飲食店やスーパー、ホテルなどのいろいろな場所に同伴できます。

2どこでもいっしょに行動します。
公共施設をはじめ、いろいろな場所で補助犬を受け入れることは、
「身体障害者補助犬法」で義務づけられています。「犬だから」という理由で受け入れを拒否せずに、あたたかく見守ってください。

引用:厚生労働省:「身体障害者補助犬を見かけたら」より
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/hojoken/mikaketa.html

 今回の病院の対応

 病院関係者は新聞社の取材に対して「患者の中には、犬に対してアレルギーの有る方や犬嫌いの人がいるかもしれない。法律の趣旨は理解できますが、少しでもリスクがある限り、現実的には盲導犬を含めた補助犬同伴の患者は受け入れられないです」と回答しました。
 盲導犬協会の職員は、自治体の担当職員と相談し自治体から法律の趣旨を病院に説明しましたがダメで、患者さんはやむを得ず盲導犬協会の職員に同行してもらい、受診中は盲導犬を協会職員に預けて受診したそうです。
 患者さんが住む自治体の障害保健福祉推進室の職員は「今回のように、行政が指導しても拒否される事は非常にまれです。法律の趣旨が正確に伝わらなかったのは大変残念です」と言っています

補助犬同伴を受け入れている病院では

 同じ自治体で、この病院以外で補助犬同伴を受け入れている病院では、約10年前に初めて受け入れた際に、盲導犬協会に助言をもらいながら院内の体制を整えました。
 診察室や検査室ごとに、補助犬と一緒に入室できる範囲を決めると共に、『当院は補助犬を受け入れています』と言うチラシを待合室に貼り、他の患者さんにも周知しました。
 補助犬同伴の患者は複数回来院しましたが、院内でのトラブルは特になかったそうです。

終わりに 

 家の近くにあるスーパーマーケットでは、入口に「介助が必要な方は、このインターホンのボタンを押してお知らせください」と書いてあり、インターホンの横には犬を繋ぐためのフックもあります。
 スーパーマーケットですから食品を扱っていますので、補助犬と言えど動物は入れられませんから、代わりに店員さんが介添えしながら買い物を手伝う感じです。
 病院の場合は、病気によって診療科目が違いますし、あまり遠い場所だと通院に苦労しますから近場を選びたいですが、それぞれの病院がどの様な対応をしているかですね。

参考元

(京都新聞)病院が盲導犬同伴を拒否、視覚障害者が困惑 不十分な補助犬への社会的理解
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/680532

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2 件のコメント

  • 同じ内容の投稿があり、私は、「犬アレルギーの人は、盲導犬だけでなく、介助犬や聴導犬も受け付けないということです。それらの犬について、服を着せて、無駄な毛が漏れないようにすることでアレルギーの発作が起きないのなら、アレルギー当事者の方々に説明を加えて納得を得ていく必要があると思われます」と述べました。法律だけを楯にとって権利主張することは、必ずしも上手くいかない場合があり、ケースバイケースで考えていくべきでしょう。

    • コメントありがとうございます。そうですね、自分の権利を主張していくことは大切ですが、犬アレルギーの方の権利もあります。
      アレルギーで重篤な症状の方には死亡例もあるそうなので、病院側も板挟みになって対応には苦慮されたかもしれませんね。

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