買い物弱者と言う、言葉を知っていますか?

買い物弱者

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こんにちは、金次郎です。

 皆さんは、普段の買い物に不便を感じたりする事は有りませんか?
 「家のすぐ近くに、コンビニが有るもん」と言う方は、恵まれた環境に住んでいますね。
 実は日本には「買い物弱者」と呼ばれる方がいて、日々の買い物に苦労している人がいらっしゃるのです。
 今回は、この「買い物弱者」について書いて見たいと思います。

「買い物弱者」とは?

 「買い物弱者」あるいは「買い物難民」と言う言い方をします。
 これは、住んでる地域の方々がお年をめして亡くなったり、働き盛りの人も社命で転勤となり引っ越したりで、そこに住んでいる人が少なくなり過疎化が進み、それ故に近所にあったスーパーマーケットやホームセンター等のお店が閉店もしくはその地域から撤退したりして、生活必需品や食料の買い物に行くにも、遠くのお店まで行かなくてはならなくなってしまい、生活に必要な物を購入するのが困難になった人たちの事を言います。
 特に高齢者は年齢から足腰が弱くなっていますので、遠くのお店まで買い物に行くのは余計に困難に感じるでしょう

では日本には、どのくらいの「買い物弱者」がいるのでしょう? 

 今から12年前の、2009年(平成21年)に経済産業省が初めて、この「買い物弱者」の実態調査をしまして、翌2010年(平成22年)に日本国内には「買い物弱者」と呼ばれる人が約600万人居ると報告書を公表しました。
 近年行った再調査では、この「買い物弱者」が約700万人と増えており、少子高齢化が進んでいる今後も、この「買い物弱者」が更に増加することが懸念されています
 この700万人と言う経済産業省が調査した数字も、65歳以上の高齢者を中心とした推計でして、自転車やマイカー等の移動手段を持たずに、バス亭や電車の駅から遠い場所に暮らしている若い世代も加えれば、「買い物弱者」は1000万人を超えるだろうと指摘する識者もいます

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上の図は、東京都の高齢者単身世帯と高齢者夫婦世帯の分布図です。
それに対して下の図は、飲料品や食料品を扱う小売店の分布図です。

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この図を見ても、高齢者が住んでいる地域に、食糧品や飲み物が買えるお店が少ない場所が有るのが分かります。

引用:買い物弱者とは(GIKEN SHOJI INTERNATIONAL CO., LTD.)   https://www.giken.co.jp/glossary/disadvantagedshoppers/

省庁で異なる見解

 この経済産業省の調査報告を受け、国も対策を考えていますが、「買い物弱者」の発生要因が地域の過疎化だったり交通の便だったりお店の経営問題だったりと多岐に渡りますので、所管する省庁も内閣府・総務省・経済産業省・農林水産省・国土交通省・厚生労働省と複数省にまたがっており、意見集約が中々出来ない状況です。
 例えば、経済産業省は「流通機能や交通網の弱体化により、日常の買い物が困難な状況に置かれている人々」と定義しているのに対して、農林水産省は「自宅からスーパーなど販売店舗までの直線距離が500m以上離れていて、移動手段を持たない人」と定義しています。
 ですので、先の経済産業省が調査した「買い物弱者」約700万人も、農林水産省が定義する「販売店舗までの直線距離が500m以上離れている人」で計算すると「買い物弱者」は、4600万人(総人口比36.2%)にもなってしまいます
 

「買い物弱者」を助ける、民間企業独自の「移動販売」と言うサービス

 この「買い物弱者」を助けながら障がい者の雇用にも繋げる、独自の取り組みをしている企業があります。
 流通大手企業イオンの食品スーパー「マックスバリュ西日本」が、岡山県美作(みまさか)市で障がい者支援を手がける「NPO法人美作自立支援センター」などと連携して、軽トラックを使っての「移動販売」を、2021年7月より始めました。
 美作市は、岡山県でも鳥取県と接する山奥に有る市でして、1950年(昭和25年)頃は人口も6万人ほど居ましたが、現在は2万4000人ほどしか居ません。
 その美作市内にあるイオン傘下のスーパーマーケット「マルナカ美作店」を拠点に、住民の高齢化率が40パーセント近い美作市東粟倉地域で「移動販売」を始めるものです。
 食料品や日用品に加えて、先のNPO法人が運営する就労支援事業所に通っている障がい者が栽培した野菜なども販売しています

終わりに

  私が住んでいる団地にも、以前は小さな商店街やホームセンターが有りました。
 商店街の方は、先ず酒屋さんが無くなり、次にお寿司屋さんが閉店しまして、現在残っているのは理・美容室とお米屋さんだけです。
 ホームセンターも15年ほど前に撤退し、跡地の建物はオークション会社が商品保管倉庫として使っています。
 昔は団地自治会主催の夏祭りもありましたが、団地住人の高齢化が進み住んでいる人も少なくなってからは夏祭りも無くなりました。
 私は毎週日曜日、母の買い出しの手伝いとして20分ほど歩いて駅向こうの団地にあるスーパーまでついて行き、荷物持ちの手伝いをしていますが、道すがらの家を見て「ここも空き家になっちゃったか」と思いながら歩いています。
   母がまだ歩けるから良いですが、いよいよ歩けなくなった時は「宅配業者にでも頼まないといけないかな?」とか、かつての団地商店街にこの「移動販売車」みたいなのが来てくれたら団地に住んでいる高齢者の方たちは、だいぶ助かるだろうななんて思っています。

参考元

買い物弱者とは         (GIKEN SHOJI INTERNATIONAL CO., LTD.)
 https://www.giken.co.jp/glossary/disadvantagedshoppers/

増え続ける「買い物弱者」、これからは大都市圏も例外ではない                         (LIFULL HOME’S PRESS)
https://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_00648/

買い物弱者支援×障害者の雇用確保 新たな移動販売がスタート【岡山・美作市】
                                             (8OHK 岡山放送)
 https://www.ohk.co.jp/data/26-20210628-00000014/pages/

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2 件のコメント

  • 記事を読ませていただきました。確かにそういう場所で生活をしている人の思いを考えるさせられました。少しでもそういう方達のことを知ってもらえることを願っています。

    • コメントありがとうございます。大都市でも少し交通網から離れただけで、買い物弱者になってしまうと言う事を知って頂きたかったのです。記事の写真の様に父は杖を突かないと歩けないので、私が休日の日の母の買い物の手伝いは私の役目ですし、少々重たい物が欲しい時は「あれ、買って来て」と頼まれます。頼りにされている分、私が実家にいる存在意義が有ります。

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