障害年金で得たもの

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MacBook Proを買ってから、2年が経った。
自分のお金で買える訳がない。
障害年金を使わせてもらって、購入した。
今でも覚えている。
天神のApple Storeで、三十万の札束を店員さんに渡した事。
そんな大金、触ったこともなかった。
手が震えて仕方なかった。
店員さんは、震える私を、微笑ましそうにニコニコしていた。

MacBook Proなんて、別に買わなくても構わなかった。
会社にもあるし、自分用なんて、いらないっちゃいらない。
でも、MacBook Proを買うことが、私の人生を変える一つの方法に見えた。
TANOSHIKAで得たデザインの技術。
その武器を、もっともっと磨いて、社会という大海を渡っていこう。
そう決心して、買ったのだった。

それから、デザインのオンラインスクールに入った。
家でも、フォトショップとイラストレーターを頑張った。

MacBook Proを開くたびに、私はあの札束を思い出す。
怠けるたびに、あの札束を思い出す。

あの札束は、私のお金のようで、私のお金ではない。
そう私は思う。
世間の皆様が、必死に働いて生まれたお金。
それが、巡り巡って、私の手にやってきた。
私は、いずれ、あの大金を、世間に返したい。
今は、福祉の力に頼ってばかりだけれど、いつの日か、世間に認められて、世間に返していきたい。
お金だけじゃない、貰った愛や、優しさ。
そういうものも返していきたい。

そのために、私は今日もそのMacBook Proの前で必死に頑張っている。

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