一般就労への想い

一般就労

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「一般就労をしたいんですが…」
ドキドキしながら、主治医に尋ねる。
「先生から見て、私は一般就労できると思いますか?」
私は、うっすら汗をかいていた。

今日は、絶対この質問をしようと、心に決めていたのだった。

先生は、そうねえ、と言って、宙を見上げた。
「もう少し、訓練が必要かもしれませんね」
先生は、私が、人と比べてパニックになる事を、理由にあげた。
「心理の先生ともう少し頑張りましょう。」
「将来的に無理ってことはありません。」
「もう少しです」
そして、こんな言葉をかけられた。

「一生、TANOSHIKAにいたらダメなんですか?」

そんな言葉を投げかけられて、私は…ほっとしていた。

私には、夢がある。
福岡市内で、一般就労する夢だ。

だけど、一般就労をしたくない。
怖い。
そんなことをずっと思っていた。
でも、TANOSHIKAのみんなは卒業していくし、いつまでもここにいたらだめだ…、と思っていた。
でも、怖い。
そんな矛盾した気持ちでやってきた。

TANOSHIKAが好きだし、ずっと今のまま幸せでいたい気がしている。

「一生、TANOSHIKAにいたらダメなんですか?」
なんで、あの言葉を聞いた時、私はほっとしたんだろう。
そこに、私の本当の幸せがある気がしてしまった…。

私は、いつになったら、ここを出られるのだろう。
もうずっと、暗闇の中にいる気がする。
暗闇の中の灯り。
TANOSHIKAは、そういうところだ。
私は、そんな灯りもいいけれど、太陽みたいな眩い光を浴びたいな、と思う。
子供の頃は、当たり前にそこにあった、太陽の光。
だけど、もう消え去ってしまった。
TANOSHIKAで、光っている灯りは、それは魅力的だし、美しい。
でも、もう嫌だと思う。
やっぱり、トンネルから抜け出したい。
そして、当たり前のように、太陽の光を浴びたい、そう思う。
その、太陽の光を浴びるためには、やっぱり一般就労しかない気がしている。

でも、TANOSHIKAの横のセブンイレブンで、朝、笑顔で手を振りながら「おはよう」と言ってくれるみんなとか、私の文章を褒めてくれるみんなとか、デザインを優しく教えてくれるみんなとか、私のファッションをおしゃれだね、と言ってくれるみんなとか…。
そういうのが、全部なくなるって事だ。
一般就労って、そういうのがなくなるって事なんだ。

一般就労には一般就労の優しさがあるんだろう。
でも、今ある、あったかい優しさを手放すのが、とても怖い。

診察室から出て、会計の待ち時間、精神科の待合室で、BTSのDynamiteを聴いた。
BTSのDynamiteは、私が天神に行った時、お店で流れていた曲だった。
その時、都会の雰囲気と、その音楽があまりにもマッチしていて、本当に感動したのだった。
それから、何度も何度も聴いている。
目を瞑った。
BTSのDynamiteを聴きながら、私はやっぱり福岡市内で一般就労して生きたいと、心から思ってしまった。

でも、その気持ちが前ほど強くない事にも、気づいてしまった。

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