うつはうつる?【感応精神病】【類似性による親近効果】

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「どうにもならない憂鬱感、不安感が続くので、病院へ行ってみたら、なんと『うつ病』と診断された……。家族、パートナーがうつ病を患っているのに……私までうつになったら支えてあげられなくなってしまう。どうしよう……」

このような人って、実はものすごく多いのです。

先日、「家族やパートナーが『自閉症スペクトラム』あるいは『情緒障害』などを持っていることが原因で発症する可能性がある『カサンドラ症候群』」のことを書きましたが、他の心の病気、とくに「うつ病ってうつるの?」ということを検索して調べている方ってたくさんいるんですよね。

1.正確にいえば、うつ病はうつりません。しかし……

これは「伝染しない」ということです。うつ病はウイルス性の病気ではないので、近くにうつ病の人がいるからといってそのうつ病に「感染」することはありません。絶対にありません。

しかし、うつ病患者の近くにいる人がうつ病を発症することは大いにあり得ます。それには次の三つのパターンが考えられます。

①うつ病患者の考え方に感応してしまう

『感応精神病(かんのうせいしんびょう)』という言葉があります(「感応」とは「外部からの刺激によって、心が深く感じ動くこと」です)。

感応精神病
日常生活において精神病患者と密接な関係にある人が、その患者と同じ病気を発症するもの。心因反応(精神的・心理的な原因による病態)である。親子、夫婦、恋人など、親しい間柄で発生することが多い。

感応精神病は基本的に『妄想』を伴う病気(妄想性障害など)に対して使われてきた言葉です。「妄想性障害患者と過ごすうちに、同じ妄想に囚われてしまうようになった」という状態を表す言葉として使われはじめました。これは一人対一人とは限りません。一人対数人の場合もあります。たとえば狂信的な教祖と、その信者たちなど。

「単なる間違った思い込み」と「妄想」の線引きをどこでするのかは、医学者の間でも人によりけりですが、人間は感応しやすいものです。近くにいるうつ病患者の世の中に対するネガティブな考えに感応して、その人までうつ病を発症してしまうのはあることなのです。

②類似性による親近効果

同じ趣味を持っていたり価値観が似ていたりすると親近感を覚えますよね。これが『類似性による親近効果』です。

また、親しい間柄だと価値観も似てくるものですよね。これはたとえば親子間、夫婦間、恋人同士の間で、片方がずっと続けていた趣味をもう片方も始める、同じタレントを好きになるといった具合に現れます。

つまり「似ていると親しくなる」、また「親しくなると似てくる」のです。

親しい間柄では考え方も似てくるので、物事に対するネガティブな考え方も似てくることがあります。親子間、夫婦間、恋人同士の間で片方がうつ病を抱えている場合、もう片方も同じような思考に囚われることになって、結果として同じうつ病を発症するということがあります。

③うつ病の人と接することによるストレス

うつ病に限らず、心の病気を持っている人と接するのはかなりの根気が要ります。事務的にこなすことができる人でもなければ、相当のストレスを溜め込むことになるでしょう。このストレスによってうつ病を発症してしまうのです。うつ病を治す立場にいる精神科のお医者さんがうつ病を発症しやすいのもこのせいです。

 

これらがいわゆる「うつはうつる」です。「伝染」とはちがいますが、そのように見えます。

2.うつ病の兆候

うつ病患者の近くにいる人はうつ病の人をよく見ているのに、同じ症状が自分にも現れはじめていることに気づかないということがよくあります。もし、少しでもご自身の心身におかしなところがあると感じたら、以下の項目にあてはまるかどうかチェックしてみてください。

・憂鬱な気分が続くようになった

・ネガティブな考え方をするようになった

・物事に興味を持てなくなった(それまで楽しんでいたことがつまらなく感じるようになった)

・何かをしようとするとおっくうに感じるようになった

・睡眠に変化がでてきた(あまり眠れなくなった、あるいはどれほど寝ても常に眠い状態が続くようになった)

・頭が重く感じたり、頭痛を覚えるようになった

・食欲に変化がでてきた(食欲がなくなった、あるいは異様に食べるようになった)

・疲労感が取れなくなった

 

これらはうつ病の兆候として典型的なものです。もちろんたくさん当てはまるほど要注意ですが、ひとつでも当てはまればうつの可能性はあります。「心身の状態に変化がでてきた」ということが重要なのです。

3.一人ですべてを抱え込まないで!

いまこのとき「心身に変調をきたしている気がする」という方は、うつになっていることに気づいていない、あるいはなりかけていることに気づいていないだけかもしれません。そんな方はいまこのとき、身近なうつ病患者をたった一人で支えているのではないでしょうか。

心の病を抱える方のご家族の相談窓口は全国各地にあります。

みんなのメンタルヘルス 厚生労働省(全国の家族会、患者会、自助グループを探すことができます)

どうか一人ですべてを抱え込まないでください。

 

参考:心の耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト 一般社団法人日本産業カウンセラー協会

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