ストーカーの心理とは? しつこいつきまといをしてくる人の心の闇【恋愛妄想(エロトマニア)】

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2019年3月26日、東京都杉並区で女性保育士が刺殺される事件が起こりました。逮捕されたのは同僚の31歳の男。

この事件について、『他人の支配から逃れられない人』『「自分が絶対正しい!」と思っている人に振り回されない方法』ほか多数の著書がある精神科医・片田珠美氏は「犯人は“恋愛妄想”に囚われていたのでは」との見解を述べています。

1.恋愛妄想とは

恋愛妄想
ある特定の人から愛されているという妄想。一度も話をしたことがない人や、少ししか知らない人が対象として選ばれることもある。相手の行動を「自分に対する好意である」と勝手に解釈する。エロトマニア(Erotomania)。

英語のエロトマニアという言葉はその響きから「色情症」「異常性欲」と誤解されることがあるが、エロトマニアは妄想症状の一種であり、精神の病気である。

「恋愛妄想」と打ち込んで検索すると「女性の7割が恋愛妄想中!」「恋愛妄想してます!」といったキャッキャウフフな記事がたくさん出てきますが、『妄想』とはそういった「想像をする」ということではありません。妄想とは「現実ではないことを『そうだ』と確信する」ことです。「もしもそうだったら」「そうかもしれない」程度のものではありません。「絶対にそうである」と確信することです。

恋愛妄想とは、現実はそうではないのに「相手が自分に好意を持っている」とはっきり確信していることです。

2.恋愛妄想とストーカー

恋愛妄想に囚われた人は、相手を勝手に理想化し、相手のどのような行動も「全て自分への好意によるもの」と受け取ります。相手がどれほど否定し、自分を拒絶しても、すべて「好意からきているもの」と捻じ曲がった解釈をします。

この症状をみせるようになった人の多くは、対象者が自分をどれほど遠ざけようとしてもしつこく接触を繰り返します。ストーカーです。そして「自分の行動がストーキングである」という自覚が無いことがほとんどなのです。

3.何を求めてつきまといをするのか

恋愛妄想に囚われた人が求めているのは対象者との肉体的な繋がりではなく、精神的なもの、ロマンスであることが多いといわれています。そのためなのでしょう、恋愛妄想に囚われている人は対象者に拒絶されると「照れくささからだろう」「二人の仲を誰かに妨害されている」「相手は、嫌いなふりをすることで自分を試している」と悪い意味で前向きに捉え、ますます心を燃え上がらせることが多々あります。こわいのは、男性がこの症状に陥ると暴力的な行為に出る傾向が強まるということです。

4.恋愛妄想に囚われる疾患

「恋愛妄想に囚われるのは精神を病んでいるから」と言ってしまえば簡単です。しかし心の病気にもいろいろなものがあり、すべてが同じ症状をみせるわけではありません。そこで「妄想」が主な症状である疾患を挙げてみると、

・妄想性障害(妄想症)

・妄想性パーソナリティ障害

・妄想性うつ病

・統合失調症

などがあります。また双極性障害(躁鬱病)も、躁状態に陥ったときに極端な思考や妄想に囚われることがあります。

このなかで、妄想性パーソナリティ障害の人が囚われるのは「誰かが自分を陥れようとしている」「誰かが自分を蹴落とそうとしている」といった被害妄想であることが多く、妄想性うつ病は「自分は(うつ病以外の)不治の病に侵されている」「自分の寿命は残りわずかだ」といったネガティブなもの、統合失調症の妄想は「頭の中にマイクロチップを埋め込まれており、誰かにずっと監視されている」「猫が自分を狙っている」といった支離滅裂なものが多いのが特徴です。

いっぽう妄想性障害(妄想症)の妄想は、一見きちんと筋が通っていて、実際にあっても「おかしい」とまでは言い切れないものであることが特徴といえます。

恋愛妄想(エロトマニア)の症状をみせる人は「妄想性障害」を患っている可能性が高いといっていいと思います。

5.『恋愛妄想(エロトマニア)』の正体

妄想性障害になる原因はまだはっきりわかっていませんが、要因として、遺伝、それから本人の性格が大きく関係していると考えられています。元からそのような性質があった、または嫉妬深い、疑い深いなどの性格が生活の中で強くなってしまった、ということになります。

もうひとつ、依存体質に関して。

ストーカーを対象にした研究によると、アタッチメント(特定の人に対する心理的な結びつき)、とくに幼少期における親子間のアタッチメント・スタイルに不安定な傾向がみられたそうです。幼少期における親の愛情不足が対人依存になる大きな要因であることは知られています。

「妄想症」と「依存体質」が重なってしまった人が、少し会話をした人やたまたま見かけた人を、無意識のうちに「依存対象」にしてしまう、これが恋愛妄想の正体であるといえるでしょう。

参考:妄想性うつ病に対する risperidone 併用療法の有用性の検討(PDFファイル)

アタッチメントと反社会性:その理解と支援 甲南大學紀要. 文学編 平野慎太郎(PDFファイル)

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