お金の管理ができない。自分で判断ができない。アダルトチルドレンが抱える「生きづらさ」

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「アダルトチルドレン」という言葉はすっかり一般に浸透していると思います。

しかし、言葉が知られているほどには、その実態は知られていないのではないでしょうか。

アダルトチルドレンとは

「アダルトチルドレン」という言葉は1970年代にアメリカで使われはじめ、もともとは「Adult Children of Alcoholics(アルコール依存症の親の元で成長した人たち)」という意味であった。

しかし現在は(とくに日本においては)、親のアルコール依存症に限らず、様々な要因で成り立った「機能不全家族※」の中で育ち、「大人になったのに、人間的に未熟なままである人」のことを指すようになった。

 

※機能不全家族

家庭内における対立、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト(育児放棄)などが恒常的に存在する家庭

アダルトチルドレンについて書かれたウェブサイトは検索すれば星の数ほど出てくるので、この記事では「アダルトチルドレンとはどういうものか」ではなく、「アダルトチルドレンになる具体的要因」と、それが「大人になってからのどんなことに影響を与えているか」を、ひとつひとつ考えていこうと思います。

アダルトチルドレンの特性と、要因

アダルトチルドレンの特性として次のようなものがあります。(※全て当てはまるわけではありません。ひとつの方もいれば、複数の方もいます)

①自分の判断に自信を持てない

②常に他人の賛同を必要とする

③傷つきやすく、引きこもりがち

④孤独感。自己疎外感

⑤物事を最後までやり遂げることが困難

⑥習慣的に嘘をついてしまう

⑦自己感情の表現、認識、統制が下手

⑧必要以上に自己犠牲的

⑨物事にのめり込みやすく、方向転換が苦手。衝動的、行動的。そのためトラブルが多い。

⑩リラックスして楽しむことができない

 

どのような要因が、これらの特性として現れているのでしょうか。

①自分の判断に自信を持てない

機能不全家族の中では、ほとんどの夫婦間、親子間で「絶対的強者」と「絶対的弱者」が形成されます。子供時代をこの「絶対的弱者」として過ごし、「こうしてはダメだ」「こうしろ」と行動を高圧的に制限され、「自分で判断して行動する」という機会を与えられなかった。その結果「判断力」という能力が未熟、あるいは皆無のまま大人になってしまう。これがアダルトチルドレンになる要因の多くの割合を占めています。

②常に他人の賛同を必要とする

物事に対する「正しいか」「間違っているか」という判断を他人に頼ります。これは「対人依存症」にもみられることですが、対人依存の場合は「人に頼ることによって『その人が側にいてくれている』という安心感を得るのが目的」です。これに対してアダルトチルドレンの場合はもっと単純で、「自分で判断ができない」のです。判断能力が乏しい、または判断能力が決定的に「無い」ためです。

③傷つきやすく、引きこもりがち

人間関係の様々なことに対する耐性が著しく低いため、些細なことで傷つきます。そこから立ち直ることも、いわば「人生の経験不足」のために上手くいきません。結果として自分の殻に閉じこもることが多くなります。

④孤独感、自己疎外感

協調性の未熟さから、対人関係で様々な失敗をします。そのことにより常に孤独感を感じ、自己嫌悪に陥ったりします。

⑤物事を最後までやり遂げることが困難

子供の頃から「自分の力で何かを成し遂げた」という経験が少ない、もしくは無いため、大人になってからも、ひとつのことを最後までやり遂げることがなかなかできません。

⑥習慣的に嘘をついてしまう

アダルトチルドレンの嘘は、悪気があってのものではないことがほとんどです。自分の考えより他人の意見を優先して他人に合わせるために嘘をついたり、判断能力の乏しさから、「これこれこうでしょ?」という問いかけに対して本当はそうではないのに反射的に「はい、そうです」と答えてしまうということが多くあります。

しかし他人からすれば、「あのときそう言ったのに! あれは嘘だったのか?」となり、「あの人はすぐ嘘をつく」と思われてしまうのです。

⑦自己感情の表現、認識、統制が下手

子供時代に「絶対的弱者」であったアダルトチルドレンは、「絶対的強者」の大人から行動を支配されてきており、自分の感情を表に出すことがほとんどないまま大人になってしまいました。そのため、自分の感情を正直に表に出すことが苦手です。

嬉しいときに嬉しさを表情・行動に表せない、楽しいときにそれを表せない、辛いときにそれを表せないのです。

また、「感情そのもの」が「わからない」という場合もあります。「楽しい」とはどういうことなのか、「嬉しい」とはどういうことなのか、「辛い」とはどういうことなのかが「わからない」のです。普通の人なら誰でも自然に覚える「感情」を、身に付けていないのです。

⑧必要以上に自己犠牲的

「人にやさしく接する」ということに関しても、アダルトチルドレンは加減を知りません。

自分の懐具合をかえりみず金銭的な援助をしたり、自分の健康面をかえりみず献身的に世話をしたり……そしてそれらによって不眠や抑うつ状態に陥ったりすることもあります。

⑨物事にのめり込みやすく、方向転換が苦手。衝動的、行動的。そのためトラブルが多い

アダルトチルドレンは、感情、行動を押さえつけられて育ってきました。行動は絶対的強者・大人にコントロールされてきており、自分で自分の行動をコントロールすることが未熟、あるはその術(すべ)自体を知りません。そのため、大人になって初めて自分の意志で行動するようになったとき、自分の行動をコントロールできないのです。

⑩リラックスして楽しむことができない

親など身近な大人から常に高圧的に接してこられたため、常に人の顔色をうかがい、人を怒らせないよう遠慮がちになるという習慣が完璧なまでに身についてしまっていることがあります。そんなアダルトチルドレンは、自分が楽しい場所、状況にいても、無意識にまわりの人の顔色をうかがうようになっています。そのためリラックスすることが難しい、あるいは不可能で、心から楽しむこともできません。

アダルトチルドレンの「生きづらさ」

アダルトチルドレンは、ひとつのことに途方もない額のお金をつぎ込みます。

アダルトチルドレンは、ふと思いついたことを後先考えずに実行します。

アダルトチルドレンは、同じ失敗を何度も繰り返します。

アダルトチルドレンは、いとも簡単に人に騙されます。

 

アダルトチルドレンはとても純粋です。

しかしその純粋さが、皮肉にも「生きづらさ」となっているのです。

参考:東京成徳大学臨床心理学研究3号『家族機能とアダルトチルドレン的傾向に関する実証的研究』PDFファイル

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ABOUTこの記事をかいた人

パニック障害歴9年、うつ病歴5年。いつも元気にパニクったり落ち込んだりしています。 愉快なパニック体験談、うつ病との飽くなき闘いを発信していきたいと思います。