パニック障害と境界性パーソナリティ障害の関係

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こんにちは。TAMAOです。

「パーソナリティ障害(人格障害)は不安障害に併発しやすい」という一文で始まる、とても興味深い論文を読みました。読めば読むほど「僕のことを診ながら書いたのか?」というくらい当てはまっていて、ちょっと驚きました。

【神経科精神科・古参医の戯言】

1.パニック障害とパーソナリティ障害の、切っても切れない関係

論文によると、とくに『パニック障害』に関してはパーソナリティ障害との関係が深く、「何らかのパーソナリティ障害を併発する可能性は『広場恐怖を伴うパニック障害患者』で69.4%、『広場恐怖を伴わないパニック障害患者』は44.1%」なのだそうです。

広場恐怖とは
街路や広場に行く、あるはそのような場所に取り残されることに対する克服し難い不安と恐怖。当事者は家の外へ出ることが困難になるが、親しい同伴者がいれば不安は軽減し外出可能となることが多い。精神力動的には親との歪んだ結びつきが強く、自立と依存を巡る葛藤を抱く者に多い。

僕はパニック障害を持っています。それも「広場恐怖を伴う」型でした。いま現在は広場恐怖は克服できたと思っていますが、以前は確かに、間違いなく広場恐怖を持っていました。まったく外出できない時期がありましたからね。

そして僕はあるパーソナリティ障害でした。現在それは寛解状態にあると思いますが、紛れもなくあるパーソナリティ障害を併発していました。

「広場恐怖を伴うパニック障害患者は何らかのパーソナリティ障害を併発する可能性が69.4%」ということで「なるほどねえ、どうりで」と思いましたが、論文を読み進めていくうちに……さらなる驚愕の事実が明らかに! 

2.パーソナリティ障害の中でも、とくに「境界性パーソナリティ障害」が

広場恐怖を伴うパニック障害患者のうち69.4%が何らかのパーソナリティ障害を併発するそうですが、その69.4%の中で実に51.0%が「境界性パーソナリティ障害」なのだそうです。パニック障害と併発するパーソナリティ障害の中で最も高確率なのが「境界性パーソナリティ障害」なのです。

実は僕が持っていたパーソナリティ障害は『境界性パーソナリティ障害』です。「メンヘラといえばコレ!」といわれるくらいの、例のアレです。「特定の人に対する異常なまでの依存」「突発的な破壊行動」「二極思考、白黒思考、ゼロ100思考と呼ばれる超超超両極端な考え方」が特徴のアレです。

※過激な表現がある記事です。ご了承ください

・広場恐怖を伴うパニック障害患者が何らかのパーソナリティ障害を併発する確率は69.4%←該当

・その69.4%の中で、併発するのが境界性パーソナリティ障害である確率は51.0%←該当

僕という人間は実に確率に素直な人間のようです。

3.広場恐怖あり・なし でパニック障害の程度にも差が

アメリカの研究報告で「広場恐怖を伴うパニック障害患者がそうではないパニック障害患者に比べて境界性パーソナリティ障害を併発する確率が高い」ということがわかりましたが、同時に「広場恐怖を伴うパニック障害患者が境界性パーソナリティ障害を併発した場合、そうではない患者に比べてより重症になる」ということも報告されています。また前者は後者に比べて強迫観念に囚われることが多く、怒り発作(あるいはヒステリー)を起こしやすい傾向にあるとのこと。ひどい。踏んだり蹴ったりです。僕、ぜんぶ当てはまっていますよ。

4.パニック障害と境界性パーソナリティ障害、どちらが先?(鶏が先か、卵が先か)

パニック障害が境界性パーソナリティ障害を連れてくるのか、それともその逆なのかは、臨床例が少ないことから(発症前の患者の状況を知ることが難しいことから)、結論を出すまでは至っていません。しかし、パニック障害患者が抑うつ状態を示すこと、パニック障害患者がパーソナリティ障害を併発しやすいこと、パーソナリティ障害患者が抑うつ状態を示すこと、パーソナリティ障害患者がパニック障害を併発しやすいこと、そして抑うつ状態にある人やパーソナリティ障害患者が怒り発作(あるいはヒステリー)を起こしやすいことから、「どれが先か」というよりも、「パニック障害、抑うつ状態、パーソナリティ障害、怒り発作は互いにリンクし合っており、どれが最初であっても他の症状を引き起こしやすくなる」と考えられています。

5.パニック障害とパーソナリティ障害、それぞれは先天性のものなのか? それとも?

パニック障害は遺伝的(先天的)要因と環境的(後天的)要因、どちらも関係していると考えられています。たとえばパニック障害発症の直接的な要因は脳内のセロトニン不足ですが、遺伝的なもので生まれつきセロトニン不足になりやすい体質だったのかもしれません。後天的な理由としては「長期的にストレスを感じ続けた」などが考えられます。

パーソナリティ障害のほうも先天的要因と後天的要因、どちらも関係していると考えられています。いちばんイメージしやすいのは、生まれ持った性格傾向(たとえば極度の心配性など)が生活環境によって強化されていまい、その結果としてパーソナリティ障害(=人格障害=人格の歪み)にまで発展してしまった、という感じではないでしょうか。

6.結局のところ……

パニック障害になりやすい人の特徴として、

・他人からの評価を気にする人

・責任感の強い人

・完璧主義の人

・感情を引きずる人

などが挙げられます。これらは総じて「ストレスを感じやすい人」であり、パニック障害だけではなく「うつ病や強迫性障害などを発症しやすい人」でもあります。結局のところ、このような人は何らかの心の病気になりやすく、そして 4.の項で触れた「パニック障害、抑うつ状態、パーソナリティ障害、怒り発作は互いにリンクし合っており、どれが最初であっても他の症状を引き起こしやすくなる」の連鎖が発生、ダブル発症に至るということが起こってしまうのでしょうね。

7.ひとまずのまとめ

以前の僕は、たしかにパニック障害と境界性パーソナリティ障害を併発していました。パニック障害のほうはいまでも残っており、境界性パーソナリティ障害のほうはいまは鳴りを潜めていますが、境界性パーソナリティ障害に付き物の激しい怒り発作だけは残っています(いや、もしかしたら「異常なまでの対人依存」も、ただ単に現在は依存相手がいないだけで、本当は残っているのかもしれません)。

しかし、長期間の薬の服用と、長患いゆえの慣れから、僕のパニック障害は初期の頃よりは付き合いやすくなってきました。それに伴い境界性パーソナリティ障害のほうもおとなしくなってきたのかな、と思います。

やはりこれらは密接にリンクし合っており、同時に発症することがあるのであれば、同時におとなしくなることもあるのかな、と感じています。

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