【バイトテロ】バイトテロリストの心理とは?

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こんにちは。TAMAOです。

僕は長く飲食店で働いていました。イタリアンレストランではホール業務と調理業務を、ショットバーではバーテンを、居酒屋では店長を、それからいわゆる夜のお店でも店長に就いていたことがあります。

ですので僕は、飲食店の裏側、お客さんの目からは見えない部分のこともよく知っています。今日は、最近また問題になってきている『バイトテロ』について考えてみようと思います。

1.『アイドルタイム』という時間帯

夕方以降に開店する、アルコールを出すことがメインの店(たとえば居酒屋やバーなど)には当てはまりませんが、日中に営業している、つまり食事の提供がメインの飲食店には『アイドルタイム』という時間帯が存在します。これは英語の「idle」という単語が「仕事がない」「働いていない」「遊んでいる」といった意味であるため、お昼時や夕飯時などのお客さんがたくさん来る『ピークタイム』に対し、お客さんがあまり来ない時間帯のことをそう呼んでいます。(ちなみに日本の、たとえばAKB48のような人たちのことは「idol」と書いてアイドルと読みます。この「idol」という言葉は「偶像」などの意味があり、これは「憧れの存在」などといったことになります。アメリカでは憧れのスポーツ選手のことを「僕のアイドルは誰々なんだ」と言ったりします)

さて、このアイドルタイム。レストランなどでは午後2時から午後5時くらいまで、いったん店を閉めるところもあります。でも牛丼屋さんなどの場合、ぽつぽつとお客さんが来たりもするのでそのまま営業を続けます。バイトテロが起こるのはこういったときだと思います。最近話題になったくら寿司もそうだったのではないでしょうか。

2.アイドルタイム中のアルバイトたち

飲食店は、お客さんが入っていないときは本当にヒマです。しかし、たとえな~んにもすることがないときでもアルバイトたちは店にいる限り時給が発生しているのですから、基本的には社員の人たちはアルバイトに店内の清掃を指示したり、何かしらの仕事を与えます。

しかし、やはりどうしても場の責任者がそこからいなくなることがあります。トイレだったり他の社員との打ち合わせだったり、いろいろな事情で。

そうなるとアルバイトたちは素晴らしく開放的な気分になります。たとえば小学生が、教室から先生が出ていったとたん開放的になるのと同じですね。おとなしい性格のアルバイトはふだんと変わらないかもしれませんが、元気なアルバイトは話声が大きくなり、ふだん社員がいるところではしないような話をしたりしはじめます。

3.バイトテロリストたちは自分の行動が「悪いこと」と知っている

先生が教室にいないときの小学生の場合、いたずらっ子は黒板に落書きをしたり、消しゴムのカスを誰かに投げたりといったいたずらをしたりしますよね。いたずらっ子たちはこのとき、「本来これは悪いことである」と知っています。知っているからこそするんですよね。「知っていて、あえてそれをする」というのが「いたずら」なんですよね。「悪いこと」と知っているからこそ、先生がいるときではなく、先生がいないときにするのです。

バイトテロリストのテロ行為も、じつは「ほんの些細ないたずら」のつもりなんですよね。なぜそうかというと――

4.いたずらをバイト仲間に見せている

「バイトテロ」として世間を騒がせる動画などが拡散された人たちは、バイト仲間など友人の前でいたずらをしています。いたずらを目の前でスマホで撮らせていますからね。これは、「こんな所でこんなことをしちゃう僕、面白いだろう?」というところを見せたいがゆえの行動と見て間違いないと思います。たとえ一人のときにいたずらをしたとしても、バイトテロリストはその画像、動画を友人に送っています。やはり「こんな所でこんなことをしちゃう僕、面白いだろう?」の心理ですよね。

5.バイトテロリストたちのテロ行為は、ある欲求の表れ

アメリカの心理学者アブラハム・マズローは、人間の欲求は5段階のピラミッド型になっていると唱えました。

基本的にまず低階層の欲求を感じ、それが満たされると一段上の欲求を、という説になっています。

一番下の「生理的欲求」とは一般にいわれている三大欲求、食欲・性欲・睡眠欲です。人によっては性欲のところに「排泄欲求」を入れますが、どちらにせよ生理的欲求に変わりありませんね。

 

人間はまずこれら生理的欲求が満たされると、つまり生理的な現象に問題はないと感じると一段上の欲求「安全欲求」を感じます。「安全」といってもこれは「危険から逃れたい欲求」と受け取るより「安定した生活を送りたい欲求」と受け取るほうがしっくりくると思います。

 

そして「安定した生活を送りたい欲求」が満たされると、その上の欲求、「所属と愛の欲求」を感じるようになります。「親和の欲求」「社会的欲求」とも呼ばれます。この欲求は、他の人と繋がりをもつことによって孤独や不安を解消するとともに、「自分という人間の存在」を自分で確認するための、いわば「アイデンティティの確立」のためのものです。

 

「所属と愛の欲求」が満たされると、その上の欲求「承認欲求」が芽生えます。「尊厳欲求」とも呼ばれ、「他者から認められたい、尊敬されたい」と感じるようになるというものです。アブラハム・マズローは承認欲求はさらに二つに分けられるとしています。

①他者承認

他者から認められたい、評価を得たいという欲求です。「称賛されたい、注目されたい」と感じるこの欲求は、他の欲求よりも強力であるとされています。アブラハム・マズローは「他者承認欲求を感じ続けることは危険である」と言っています。

②自己承認

こちらは自分自身を磨くことによって自分に自信をつけたい、それによって自分で自分を認めたいという欲求です。とても前向きな欲求ですね。

 

さて! 承認欲求の上にはもうひとつ「自己実現欲求」という「自分は成るべきものに成りたい」という崇高な欲求がありますが――バイトテロを行うバイトテロリストたちが強く感じているのはその一歩前、「承認欲求」です。それもアブラハム・マズローが「危険だ」と言っている「他者承認」のほうです。

6.くだらないいたずらをすることで

お笑い芸のいわゆる「ボケ」をしているつもりになっているんですね。ボケの基本は「おい!」や「なんでやねん!」とツッコミをもらうことですから、本来それをするべき所ではないところでそれをして、「おい!」と言われようとしているんですね。そうすることによって「人に面白いと思われたい」という承認欲求を満たそうとしているんですね。

7.SNSの普及により、遠くの友達にもリアルタイムで報告ができるようになった

SNSが無かった時代にもイタズラをする人はいました。その頃は、「この前、どこどこでこんなことしてやったんだぜ!」とまるで武勇伝のように、得意気に人に話して聞かせていたものです。

それがSNSの普及により、いたずらをしていることをリアルタイムで友人に報告できるようになりました。けっきょくのところ、くだらないいたずらで人から「面白い」と思われたいという承認欲求→「SNSで友人にその様子を報告しよう!」→SNSの便利さであり恐さでもある「誰でもそれを見ることができる」という面をナメテていた、それがバイトテロの正体なんですね。

 

昨今世間を騒がせている悪ふざけ動画は、舞台が飲食店だったからこそここまでの事態になりました。しかし飲食店以外でも、軽々しい承認欲求からちょっとした騒ぎになったことはたくさんあります。ホテル従業員が「今日、タレントの○○が来た! きれいな女性と一緒だった!」などとTwitterに投稿したとか、洋服店のスタッフがやはりTwitterに「今日○○が来た! チョー愛想悪かった!」などと投稿したとか。これも今でいえばちょっとしたテロですよね。

8.結局のところ……

バイトテロを起こすバイトテロリストは男性が多いですね。女性のしょうもない悪ふざけ動画もあることはありますが、やはり圧倒的に男性が多いです。これは「同じ年齢でも、女性のほうが精神年齢が高い」と一般にいわれていることに関係しているのでしょうか。わかりませんが、結局のところバイトテロ事件を起こす人が人間的にまだまだ未熟であることに間違いはないのでしょう。

 

承認欲求を持つことは人間として普通のことです。それ自体は悪いことではありません。ただ、「他者から認められたい」という承認欲求「他者承認」を、よりレベルの高い、「自分を磨いて自信をつけたい」という「自己承認」に持っていくことができれば、その人は人間として大きく成長できます。そのようなときこそ、便利な便利なSNSをフル活用していただきたいと思うのです。

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