障害基礎年金とは 等級、受給までの流れなどをわかりやすく説明します

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『障害基礎年金』とは、一定の受給要件を満たした人に支払われる国民年金です。老齢年金、遺族年金と併称するときに『障害年金』とひと言で呼ばれますが、障害年金には『障害基礎年金』と『障害厚生年金』の2つがあり、障害基礎年金は「国民年金に加入している人が受給する年金」、障害厚生年金は「厚生年金に加入している人が受給する年金」ということになります。

今日は、僕が実際に受給している障害基礎年金について、対象や受給までの流れについて書いていこうと思います。

1.障害基礎年金の受給資格

障害基礎年金を申請するにあたり、次の3つが最低条件となります。

①初診日時に国民年金の被保険者である

②初診日から1年6ヶ月経過した時点で、障害の程度が国民年金基準の1級2級に該当する

③保険料納付(免除を含む)が、初診日の属する月の前々月までの期間のうち2/3以上ある、または初診日の属する月の前々月までの1年間に保険料の滞納がない

2.精神疾患における障害基礎年金の受給対象

現在、障害基礎年金の受給対象となる疾患は次のようになっています。

統合失調症、躁うつ病、うつ病、知的障害(精神遅滞)、てんかん、発達障害など

一方で、現在は『人格障害』と『神経症』は受給の対象にはならないとされています。

人格障害は「パーソナリティ障害」とも呼ばれる、ひと言でいうと「人格の歪み」です。一般常識からかけ離れた思考や行動をとってしまう障害です。

神経症は「不安障害」とも呼ばれる、神経が過敏になる障害です。恐怖症、パニック障害、強迫性障害などが挙げられます。

神経症もじゅうぶん苦しい疾患であり、それこそ日常生活に支障をきたすレベルになることは普通にあるのに、なぜ障害年金受給不対象となっているかというと――

「神経症患者は、自ら疾患に向き合い、主体的に治癒に持ち込むことが可能であり(自己治癒可能性)、また患者本人が心理的葛藤から逃避することで疾病利得(疾患によって得る心理的・社会的・経済的利益)を得ているが、保護的環境が無くなれば疾病利得を得ることができなくなり、症状が消失することが臨床例からしばしば観察されている」からだそうです。いやいや、「しばしば」って! なんと理不尽な!

しかし、パニック障害、強迫性障害などのいわゆる神経症でも、お医者さんが「もはや精神病のレベルである」と判断してくれれば受給審査に通ることもあります。僕の場合、第一の診断名はパニック障害でしたが、過去に数回自殺未遂があり、診断書を作成してもらう時点の診察でも自殺をほのめかす言動をしていたことから、「希死念慮あり」ということで、『パニック性不安うつ病』という傷病名となりました。

3.障害基礎年金の等級と支給される金額

障害基礎年金の等級は次のように定められています。

1級

身体または精神の障害によって、日常生活ができない程度のもの (他人の介助を受けなければ自分の身の回りのことができない程度)。

2級

身体または精神の障害によって、 日常生活に著しい制限を受ける、または日常生活に著しい制限を設けることを必要とする程度のもの(必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で労働により収入を得ることができない程度)。

1級に認定されると年間974,125円(月額にすると81,177円)、2級に認定されると年間779,300円(月額にすると64,941円)支給されるようになります。

4.障害基礎年金の受給申請の流れ

①市(区)役所の年金課へ行き、必要な書類一式を受け取る

書類に記入する(診断書は医師に記入してもらう)

③記入した書類、印鑑などを持って再び市(区)役所へ行く

④審査を待つ

⑤認められれば晴れて受給開始(一安心)

全ての書類に、必要なことを全て記入することは1日では不可能です。なにしろ中にはすごく手のかかる書類がありますからね。それに診断書もお医者さんにお願いしてから数日はかかります。

5.障害基礎年金受給申請の書類は

①年金請求書

②病歴・就労状況等申立書

③診断書

④受診状況等証明書

⑤住民票謄本

⑥銀行預金通帳のコピー

となっています。このうち、1~4は市(区)役所の年金課で受け取ることができます。5は市民課です。

各書類について少し詳しく説明すると、

①年金請求書

その名の通り、障害基礎年金を請求する書類です。名前、生年月日、住所、請求理由などを記入します。必要事項を淡々と記入するだけなので、とくに難しくはありません。

②病歴・就労状況等申立書

少々手のかかる、しかしとても重要な意味をもつ書類です。唯一、自分で、自分の置かれている状況、苦しさを訴えることができる書類になります。

この書類には、発病したそのときから現在までの経過を、期間をあけず詳しく記入していきます。発病から現在までの時間が長いと一枚では収まらず、同じ用紙にページ番号をふって何枚か書くことになります。僕は二枚を使って書き上げました。

③診断書

診断書はお医者さんに書いてもらう書類です。市(区)役所でもらった用紙をお医者さんに渡し、書いてもらいます。ある程度の日にちと、診察料以外の手数料がかかります(病院によってちがいがあるのかもしれませんが、僕の場合8,000円でした)。

④受診状況等証明書

初診日がいつなのかを証明する書類です。

これは初診の病院と現在通院している病院がちがう場合に必要になります。初診の病院が現在も通院している病院のままであれば必要ありません。僕の場合、初めて診察を受けた病院の先生が自分に合わないと感じたため、すぐに病院を変えました。ですので、嫌でしたがその合わない病院に出向き、書いてもらいました。

もしも初診の病院が廃業していた場合は、「初診日証明がとれない理由書」という書類を発行してもらうことになります。

ちなみに、意外に知られていないことなのですが(実は僕も知らなかったことなのですが)障害基礎年金の申請には障害者手帳はとくに必要ではないのです。障害者手帳と障害年金は制度も管轄も別のもので、手帳を持っていなくても障害基礎年金の申請はできます。

6.少々(けっこう)面倒な、病歴・就労状況等申立書

『病歴・就労状況等申立書』は、自分の苦しい状況を文章にして訴える書類です。箇条書きではなく作文のように書くため、文章を書くことが苦手な方にはなかなかツライ作業になります。

この書類を書くにあたってポイントなどを調べようとネットで検索すると、「『社会保険労務士』に手伝ってもらう」などという、その社会保険労務士による記事がたくさん出てきます。まあそれもひとつの方法ですし、それもアリだと思いますが、料金が発生します。

この書類、頑張れば自分で書き上げられますが、頑張るのが大変で難しい場合は、別の方に手助けしていただくことができます。しかも無料で! 僕はそちらを利用しました。

《障害者相談支援センターとは》厚生労働省ホームページ

障害者相談支援センターは、障害のある人が自立した日常生活または社会生活ができるよう、各市町村に置かれた事業所です。訪ねていけば、ケースワーカーの方が、こちらの悩み、相談、世間話にでも、何でも対応してくれます。役所に一人で行く自信がない方には同行してくださるし、書類作成となると頭が混乱してしまう方にはその手伝いをしてくださいます。僕はケースワーカーの方に手伝ってもらって、『病歴・就労状況等申立書』を書き上げました。具体的には、ケースワーカーの方が「初めて病気を自覚したのはいつで、何歳のときでしたか?」「そのときのエピソードはありますか?」等の質問をし、僕がそれに答えるという形でした。そのインタビューのようなやりとりをしながら、ケ ースワーカーの方がパソコンで、僕の言葉を文章に起こしてくれました。そしてその文章を書き写すという方法で、この大変な書類を完成させました。

障害福祉サービス等情報検索『WAM NET』 全国の障害者相談支援センターを検索することができます。また、ここに掲載されていない事業所も多くあります。各市町村役所の福祉課には必ず障害者相談支援センターのパンフレットが置かれているので、そちらで探すのもよいでしょう。

追記:病歴・就労状況等申立書の書き方についてまとめた記事を書きました。実際に僕が提出し、審査を通過した書類をサンプルとして載せています。

7.審査にかかる時間は

書類を全て完成させ、提出して申請終了。それから審査を待つのですが、この審査もなかなかの時間がかかります。僕の場合は3ヶ月ほどかかりました。いちばん最初の書類集め、書類作成なども含め、なんだかんだで申請のための行動を起こしてからいざ受給開始となるまでに4ヶ月くらいはかかりました。

8.最後に。生活を立て直ために。自立するために。

心の病を患うと、仕事ができなくなったり、なんとか仕事ができても著しい制限を設ける必要に迫られたりと、生活していくうえで絶対に必要な「お金」の問題が出てきます。年金制度は、そのような「困っている人」を助けてくれるためのものです。困っているときはぜひとも助けていただいて、まずは生活を立て直しましょう。そして自立への道を歩いていきましょう。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

パニック障害歴9年、うつ病歴5年。いつも元気にパニクったり落ち込んだりしています。 愉快なパニック体験談、うつ病との飽くなき闘いを発信していきたいと思います。