恐怖症は克服できるのか【フォビア】

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1.「○○フォビア」とは「○○恐怖症」、特定の事柄に対して心理的、生理的に異常な恐怖を感じる症状

高所恐怖症、閉所恐怖症、先端恐怖症などは有名ですね。ただ、「○○恐怖症」という言葉は、現在では少々気軽に使われすぎている気がします。

『恐怖症(フォビア)』とは『疾病及び関連保険問題の国際統計分類(※ICD)』によると『不安障害』に分類される、立派な疾患なのです。

よく「自分、高所恐怖症なんだよ」と聞きますが、人間は基本的に高所に恐れを感じるものです。「もし落ちたら生命の危険がある」と本能的に感じるものなのです。しかし本物の高所恐怖症の人は、高い所に連れていかれたらパニックを起こします。本物の閉所恐怖症の人は狭い所に入ったらパニックを起こします。本物の先端恐怖症の人は、尖った物を突きつけられたら「うわっ、やめて、こわい! 自分、先端恐怖症だから!」なんて言うひまもなくパニックを起こすのです。

※ICD=International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems

2.いろいろな恐怖症

高所恐怖症、閉所恐怖症、先端恐怖症などは、人間誰しもが持つ本能的な「死への恐怖」が原因で、それが極端化したものといえます。しかし世の中には、他者にはなかなか理解が難しい、でも本人にとってはとても深刻な恐怖症を抱えている人がいます。

ピーナッツバター恐怖症(アラキビュティロフォビア)

アメリカではわりと知られている恐怖症です。ピーナッツバターが恐いのです。

ピーナッツバターを恐れるようになる原因は人それぞれだと思いますが、たとえば、鬼のように恐ろしい親に毎日無理やりピーナッツバタートーストを食べさせられていたのかもしれません。あるいは、ピーナッツバタートーストをうっかり床に落としてしまい、それで烈火のごとく叱られたことがあるのかもしれません。そのようなことがトラウマとなり、ピーナッツバターを見る、あるいはその名を聞くだけで激しい恐怖にかられるようになったのかもしれません。

子供恐怖症(ペドフォビア)

「子供はうるさいから嫌い」「よだれやら何やらで汚いから嫌い」というのはただの子供嫌いです。そうではなく、子供恐怖症とは「子供が恐い」のです。

子供恐怖症の人は、小さくてか弱い子供に対し、「自分が何か恐ろしいことをしでかしてしまうかもしれない」という恐怖を感じたり、「子供に何かされたときに、どう対処していいのかわからず恐ろしい」という思いを抱きます。たとえば、目の前の繊細なガラス細工に対して「これを壊してしまいそうで恐い」と感じるのに似ているかもしれません。ただその「恐い」が病的にまでなってしまうと『恐怖症」となります。

風船恐怖症(グローボフォビア)

実は僕、これです。風船がすごく恐いのです。

子供の頃、家にバラの木があり、持っていた風船がバラの棘で割れてしまったんです。突然の破裂音に、子供の僕は泣き出しました。それ以来、風船は恐怖の対象になりました。

大人になった現在も風船は恐いままで、歩いているときに風船を持った子供を見ると足を止めてしまいます。休日にショッピングモールへ行くと子供達に風船を配ったりしていますが、僕にとっては悪夢です。子供が持つ風船は僕の目の高さににくるため、もういたるところ、目の高さに安全ピンを抜いた手榴弾が漂っている気分です。冷や汗が噴き出し、恐くて仕方ありません。

ちなみに風船の他に、パーティーなどで鳴らすクラッカー、音の出る花火もダメです。とにかくいきなり大きな音がすることに対して、病的な恐怖を覚えます。

他にもある、珍しい恐怖症

アリ恐怖症、ハチ恐怖症、飛行機恐怖症、広場恐怖症、不潔恐怖症、ピエロ恐怖症、ダニ恐怖症……ニワトリ恐怖症なんていうのもあるそうです。その物事に関するトラウマ体験があれば、何でも恐怖の対象になり得るということですね。「スマホ恐怖症」なんていうことになったってなんら不思議ではないわけです。

3.恐怖症は克服できるのか

恐怖症は、ある事柄を脳が「危険である」と認識してしまうことにより発症します。まったく危険はない事でも、脳が「それは危険である」と判断すれば恐怖の対象になるのです。

たとえば対人恐怖症。「ただのあがり症」程度ではなく、人前に出るとパニックになってしまうようになると、「社会不安障害」とも呼ばれる疾患、れっきとした病気に分類されます。対人恐怖症は「人前に出ると恥をかくぞ」「取り返しのつかない失敗をするぞ」と脳が必要以上の警戒信号を出していることが原因です。

恐怖症を克服するには、脳に「これは安全である」と再認識させればいいのです。それには『認知行動療法』が有効です。自分の恐怖の対象にあえて立ち向かい、心と身体に「これは恐いものではない」と覚えさせるという方法です。しっかり計画を立てれば個人でも行えますが、ひどい恐怖症に悩んでいるときはカウンセラーに相談し、方法を提示してもらうほうが確実です。「お医者さん」ではなく「カウンセラー」、簡単に言ってしまえばお医者さんは症状を診てお薬を出す人で、カウンセラーは、臨床心理学に基づいて状況に応じた解決法を提示してくれる人です。

『認知行動療法』は、もちろん最初から対象そのものに挑戦するわけではありません。パニックを起こしてしまいますからね。最初は「恐怖の対象をなんとなく思い浮かべさせるもの」、次に「恐怖の対象に関連するもの」、その次に「恐怖の対象に近いもの」、やがて「恐怖の対象そのもの」と、段階を踏んで慣れていくのです。

4.最後に。すべての恐怖症を克服する必要はない

「恐怖を感じる」というのは脳の大切な機能でもあります。人は恐怖を感じることによって、危険を遠ざけよう、身を守ろうとするからです。『高所恐怖症』を克服しすぎると、それはそれで困ったことにもなりかねません。いま、『ルーファー』と呼ばれる、高層ビルや高い塔などで命綱もなしにパフォーマンスをしてSNSやYou Tubeに動画を投稿する人が増えています。当然それで命を落とす人も増えています。

日常生活に支障をきたすほどの恐怖症は克服したいですが、心の中から100%全ての恐怖心を取り除く必要はないのです。

ちなみに僕は風船恐怖症は放っておいてます。風船が近づいてきたら恐くて逃げますけどね。それでいいと思っています。

 

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パニック障害歴9年、うつ病歴5年。いつも元気にパニクったり落ち込んだりしています。 愉快なパニック体験談、うつ病との飽くなき闘いを発信していきたいと思います。