抗うつ薬『SSRI』とは? 効果と副作用、どのように作用するのか

この記事は約 6 分で読むことができます。

1.うつ病、パニック障害などの病気は脳内のセロトニン不足が主な原因です

セロトニンという神経伝達物質は消化管、血小板、脳内に存在していますが、心の病気の原因となる脳内セロトニンはなんと全体のわずか2%にすぎません(その他は消化管に90%。血小板に8%)。しかしまぎれもなく、このわずか2%のセロトニンの間違った働きによって、心の病気は引き起こされるのです。なぜなら脳内セロトニンは心の安定そのものを司っているからです。

2.SSRIとは

脳内セロトニン(以下、「脳内」を省略)の濃度を上げるため、つまりうつ病やパニック障害などの病気の治療のため、現在一般的に使われているのが『SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)』という薬です。

ネットで「SSRIとは」で検索してみると「シナプス間隙における――」とか「神経終末に再吸収――」とか難しい言葉が出てきますが、要するに、

「脳内の神経細胞から分泌されたセロトニンは、別の神経細胞にある受容体にくっつくことで精神のバランスを安定させるが、受容体にくっつかずに元の細胞に帰っていってしまう場合がある(再取り込み)。この割合が増えると脳内がセロトニン不足に陥り、精神のバランスが乱れる。これを防ぐ作用、つまりセロトニンが元の細胞に帰れなくするよう働きかけるのがSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)である」、こういうことなんですね。

3.街(脳内)に平和を取り戻せ! SSRIこと『選択的セロトニン再取り込み阻害マン!』

今日も街(脳内)を幸せにすべく、セロトニンさんたちがぞくぞくと、それぞれの家(神経細胞)から出てきました。街の広場(セロトニン受容体)に大勢のセロトニンさんが集まれば、それだけ街は穏やかで平和に、明るく楽しくなります。

おや?

様子が変です。せっかく家を出てきたセロトニンさんたちが、街の広場に集まることなく、家に帰りはじめました(再取り込み)。

おーい、セロトニンさんたちー! 帰らないでおくれー! 広場に集まっておくれー! 街に活気がなくなっちゃうよー!

セロトニンさんたちが集まらないので広場はがらんとしたまま。セロトニンさんの数が足りないので、街の雰囲気はどんどん、どんより寂しくなっていきます(うつ病、)。また、秩序が乱れ、ちょっとした事件まで起こるようになってきました(パニック障害)。

セロトニンさんたちは家からいったんは出てくるものの、やっぱり広場に集まる前に帰ってしまいます。このままでは街はどうなってしまうのでしょうか……

と、そこへ現れたのが阻害マン! 名前に「害」という文字が入っていますが、れっきとした正義の味方です。

この阻害マン、なびくマントには『選択的セロトニン再取り込み阻害マン』と書かれています。しかし名前がとても長くて本人もたまに舌を噛んでしまうため、めんどくさくなって『阻害マン』と名乗っています。

阻害マンは、セロトニンさんが家を出た瞬間にすぐに家のドアを閉め、鍵をかけはじめました。次々とセロトニンさんたちの家に鍵をかけ、セロトニンさんたちが家の中に戻れないようにしていきます。

家の中に入れなくなったセロトニンさんたち、ハッと我に返り、次々と街の広場を目指しはじめました。

やがて――

広場にはたくさんのセロトニンさんが集まり、街は平和を取り戻したのでした。

めでたしめでたし。

 

これがSSRIこと選択的セロトニン再取り込み阻害薬の働きです。

ただ、このお話のように阻害マンが一発で街(脳内)に平和を取り戻してくれればそりゃあもうハッピーなのですが、残念ながら現実ではセロトニンさんはかなりの強情っぱりで、阻害マンの隙をみてはサッと家に帰ってしまいます。だから脳内に阻害マンを毎日送り込み(薬を毎日飲み)、頑張ってセロトニンさんを家に帰らせないようにしてもらう、そしていずれはセロトニンさんたちに本来の行動である「広場(セロトニン受容体)に集まって街(脳内)を活気づける」ことを思い出させ、習慣づけてもらう、というのが、うつ病やパニック障害など「セロトニン不足」によって起きる病気の治療です。

4.効果が現れるのは服用を始めてからどれくらい?

個人差はありますが、飲み始めて2週間がひとつの目安になります。

最初は少量を処方され、2週間飲み続けて効果が薄いようであれば少しずつ量を増やしていき、また様子をみます。

増量に関しては、その薬ごとに1日の限度が定められており、例えば僕が愛飲(?)しているセルトラリン(ジェイゾロフト)は1日に200mgまでと決められています。

5.副作用は?

SSRIの副作用として挙げられる症状に、吐き気、嘔吐、便秘、下痢、口渇、食欲不振、眠気、ふらつき、頭痛などがあります。

これらは服用初期に起こることが多く、2週間ほどで軽減、やがて無くなる傾向にあります。

薬の効果が現れるのも2週間くらいからなので、これはつまり体が薬に慣れるまでの反応ですね。体が「おおい! なんか変な物が入ってきたぞ!」と言っているのですね。

ちなみに副作用の現れ方にも個人差があります。僕の場合は「多少、喉が渇くようになったかな?」とも感じましたが、「気のせいかも」で済むレベルでした。

6.最後に。飲み続けてこそ効果があるSSRI

パニック障害とうつ病を患っている僕は、いちばん多いときでセルトラリン(ジェイゾロフト)を毎日150mg飲んでいました。その他にも抗不安薬のアルプラゾラム(ソラナックス)とセパゾン(クロキサゾラム)、睡眠導入剤であるブロチゾラム、その効き目を強化するためのコントミン(クロルプロマジン)を飲んでいました。

現在はセルトラリン(ジェイゾロフト)は50mgに減らし、コントミン(クロルプロマジン)は飲まなくなりました。少しずつ、病状が落ち着いてきたからです。

うつ病やパニック障害との闘いは長期的なものです。お医者さんとしっかり相談しながら自分に合った薬を見つけ、きちんと服用していくことが大切です。

まずは焦らず気長に治療に専念し、そしていつの日か、脳内セロトニンさんたちにしっかりと正しいお仕事をしてもらえるようになりましょう!

 

パニック障害とうつ病を併発しているTAMAOのおすすめ記事5選!

2018.10.26

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

パニック障害歴9年、うつ病歴5年。いつも元気にパニクったり落ち込んだりしています。 愉快なパニック体験談、うつ病との飽くなき闘いを発信していきたいと思います。