『駐車場のルールを守れ強迫』に取り憑かれた話

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ルールを守らない人が許せない! あの車が許せない!

 

僕、『強迫性障害』と診断されたことはないのですが、一時期どうにもならない強迫観念に取り憑かれたことがあるんです。

強迫性障害のメジャーな症状である『確認強迫』はもちろん経験済み、それよりも厄介というか、いま思えばヤバイなというのが――名前を付けるとすれば、

『駐車場の車椅子マークの所に駐車している元気な人の車を許してはならない強迫』

です。どういうものだったかというと――

スーパーやドラッグストアなどに行くと、店の入り口にいちばん近いところに車椅子マークが描かれた駐車スペースがありますよね。そこに、何の問題もない人が「入口まで近いから」という理由だけで車を停めていることが許せなかったんです。

はじめはそういう車を見ても「あのさあ、あんたがそこに停めたら足が不自由な人とかどうするんだよ」と心の中で思うだけで済んでいました。でも心のバランスが悪いほうに傾いていたある時期、「許してはいけない! このまま許していてはいけないんだ! どうにかしないと!」という強迫観念に取り憑かれました。

 

僕は行動を起こしました。A4の紙にマジックで、「私は頭の障害者です」と大きく書き、それを家のプリンターで何十枚もコピーしたのです。これを、駐車場の秩序を乱す車の窓という窓にガムテープで貼り付けようと考えていました。

チラシの束を持ち、車に乗り込んで近所のスーパーの駐車場へ行きました。

人が多い……。

いかに強迫観念に取り憑かれた僕の頭でも、やろうとしていることが異常であることは理解していました。「別の場所にするか」僕はそのスーパーの駐車場を出て、ドラッグストアへ向かいました。

「いたいた。いたぞ、頭の障害者が」

車椅子マークの場所に、何のマークも札も付けていない車が停められています。

僕は車を降り、チラシを数枚とガムテープを持って、その車に近づきました。

車の正面に立ち、まずはフロントガラスに貼り付けようと、ガムテープを伸ばすと――

ビーーーーーーッ!

ガムテープってけっこうな音がしますよね。その音に、少し離れた場所にいた人が振り向きました。

ヤバイ! と思いました。

僕は逃げるように自分の車に乗り込み、そのまま家に帰りました。そしてチラシを貼り損なった車と、ガムテープの音に反応したぜんぜん関係のない人を呪いました。

 

けっきょく一晩たったら少しだけ落ち着き、「チラシを貼りに行かなきゃ!」という強迫観念は和らぎました。

その後もしばらくは、また同じ強迫観念に襲われたときのためにチラシは保管しておきましたが、「やっぱりやめよう。貼り付けてやりたい気持ちはまだ残っているけど、そこまでするほどのことでもないじゃないか。それに、いざ貼ろうとしたときはすごく緊張しちゃったし。僕はビビリなんだから」と思い直し、数十枚のチラシを全て捨てました。

 

まったく……もう襲ってこないでおくれよ、『駐車場の車椅子マークの所に駐車している元気な人の車を許してはならない強迫』さん。

それと、僕の脳ミソの中のセロトニンさん、ちゃんと正しいお仕事をしておくれよ……。

 

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パニック障害歴9年、うつ病歴5年。いつも元気にパニクったり落ち込んだりしています。 愉快なパニック体験談、うつ病との飽くなき闘いを発信していきたいと思います。