クロザピンによる統合失調症治療の表と裏

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「クロザピンによる統合失調症治療の表と裏:劇的な回復と重篤な副作用」

 統合失調症の劇薬『クロザピン』の効果と副作用、その適切な使用方法を綴ります。この内容は「統合失調症:岡田尊司著」を参考にしています。

~クロザピンは革命的な薬だった~

 クロザピンは1960年代に開発された統合失調症の治療薬です。それまでの薬の副作用だった手の震えや体がこわ張るという症状がなく、その上で統合失調症の症状を劇的に改善させる効果がありました。陽性症状である幻聴・幻覚だけでなく、陰性症状の無気力や引きこもりなども改善させる効果がありました。これを服用した統合失調症患者は、まさにからだがもとにもどったかのように回復しました。難治性のタイプにも効き、奇跡の薬と呼ばれました。

~重篤な副作用~

 統合失調症の症状を劇的に改善させるクロザピンでしたが、残念ながら重篤な副作用が1970年代に発覚しました。クロザピンを服用すると、細菌を食べる白血球が極度に減少し、それにより死に至る場合があるということがわかったのです。他にも炎症を起こすなどの副作用が認められました。このことがわかり、使用は一旦停止となりました。

~血液検査での管理により再導入~

 使用が停止されたクロザピンでしたが、アメリカでは1989年から再導入されました。使用中は毎週血液検査を行い白血球の減少が起きていないか必ずチェックすること、仮に減少していた場合は使用をただちに中止することが条件でした。まさに、命をかける治療方法になります。日本ではもともと使用されていませんでしたが、2009年から難治性に限って使用許可がおりるようになりました。

~メカニズムの研究の発端になった~

 重篤な副作用を起こす可能性がある劇薬ですが、クロザピンはのちの新薬開発のきっかけになったものでもあります。当時わかっていた薬のメカニズムにクロザピンが当てはまらなかったのです。新たに浮かび上がった不明なメカニズムは、新しい研究の指針となりました。

~久留米でクロザピンを使える病院~

 TANOSHIKAのあるこの久留米市では、久留米大学病院神経精神科でクロザピン治療を行うことができるそうです。重篤な統合失調症の症状で悩んでいる方は、久留米大学病院に問い合わせをしてみるといいかもしれません。

~まとめ~

 タイトルの通り、劇薬でも使いようによっては高い効果が得られる可能性があります。このような薬は、難治性の患者さんにとって最後の頼みのようなものなのかもしれません。ちなみに、日本国内で使える薬というのは海外と違っており、アメリカでは使用されているけど日本では使えない薬もあります。今回も他の記事の結びと同じになりますが、研究が進んで新しい薬ができてくれることを本当に心待ちにしています。

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ABOUTこの記事をかいた人

30代になりたて、統合失調症&適応障害持ちの、元教職員です。生物学が好きで、生物学習サイト「高校生物の学び舎」をはじめました。気になる方は検索してみてください。