生物多様性とは?高校生レベルで解説します!

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1.はじめに

今回のお題、“生物多様性”ですが、AKARI仲間のshinさんから要望があって、自分の知る限りでまとめることにしました。久しぶりに生物学をやるのでうまく頭が働く自信がありませんが、頑張ってまとめてみたいと思います。

2.生物多様性の概略

“生物多様性”の意味は、ぼんやりであれば簡単にイメージすることができます。「地球上にいろんな生物がいること」と捉えることができれば、それだけでも核心を突いています。地球上にはわかっているだけで200万種の生物が存在し、科学者の予想では2000万種存在するらしいです。生物のかたちや生き方にはいろんなものがあり、地上で生活する生物もいれば、深海で生活する生物もいます。それだけ“多様”な生物が、この地球上にいるのです。

3.生物多様性と生物学

生物学において生物多様性は、3つのスケールに分けることで研究されています。小さなスケールから順に言うと、“遺伝的多様性”、“種多様性”、“生態的多様性”です。簡潔に意味をまとめてみます。

  • 遺伝的多様性:同じ種でもDNAの塩基配列には違い、つまり多様性があること。例えばヒトの塩基配列では、個体間で約0.1%の差がある。
  • 種多様性:先述の通り、さまざまな種が存在すること。
  • 生態的多様性:森林、川、海洋、砂漠などの環境(とそこに住んでいる生物)の違いのこと。

生態学者は、この3つのスケールに分けて研究を行っているようです。遺伝的多様性が一番わかりにくいと思うので、それを解説してみたいと思います。

4.血筋(遺伝子)が近いとリスクが高い

遺伝的多様性がないと滅びやすい理由を、近親交配を例に考えてみましょう。近親交配の場合、流産のリスクや子供が障害を持つリスクが高いとされています。この理由は、簡単に説明することができます。血統の似た個体が両親だと、両方の親から同じ異常遺伝子を受け継ぎ、その遺伝子が正常に働かず、生命活動に支障が出てしまう、という感じです。“両親の血筋が似ている”ため、同じ異常遺伝子を受け継ぎやすいのです。なので、生物が交配を行う場合は、ある一定以上の血筋の違いが必要になるのだと思われます。そのためには、遺伝的多様性はあって必然なものです。

5.遺伝的多様性が高いと環境の変化に強い?

さらに説明をすると、遺伝的多様性のレベルが高いほど、その種は大きな環境の変化で生き残りやすいとされています。大きく変わった環境で生き残ることのできる遺伝子をもつ個体が存在するかもしれないからです。このことが結び付いた事実かどうかはわかりませんが、殺虫剤と虫の関係がよい例えかもしれません。殺虫剤を使うと虫は大量に死にますが、長年使っているとその殺虫剤でも生き残る個体が出てきて、また個体数が増えたりします。これは、全滅の原因である殺虫剤の成分に強い遺伝子を持つ個体だけが生き残り、その個体が増殖した、という風に考えることができます。

6.多様性を研究する理由はなにか?

多様性を研究する理由は、スケールの大きさで変わってくると思います。スケールの大きい生態学的多様性では、その環境と生物の結びつきを調べるだけでも意味があると思います。環境が生物に与える影響やその逆の影響を調べれば、環境と生物が共存するメカニズムがわかるものだと思います。種多様性の研究では、意外な予想がされています。最初に地球上の生物の種数は約2000万と言いましたが、これは生物の大きさと種数に指数関数的な負の相関傾向があるとわかったからです。つまり、発見されていない小さな生物が相当存在するらしいです。遺伝的多様性は、研究する甲斐があります。遺伝子はタンパク質をつくるもとの情報のようなものなので、遺伝子がたくさんわかればそれだけ未解明のいろんな物質を知ることができる、というかんじです。

7.終わりに

多様性の解明はまだまだ進んでいないのが実情です。生態学的多様性と種多様性は、地球や環境といったスケールの大きいものを研究対象としなければならないので、解明には時間がかかります。遺伝的多様性は、多数いる生物の遺伝子をしらみつぶしに調査していくことになるので、それもまた時間がかかります。ですが、上記のように、研究する甲斐はあると思います。きっと新しいことが次々とわかるはずです。もし興味がある方は、下に紹介する本を読んでみてください。難しいですが、ぼんやりとした“多様性”の意味を深くさぐることができるはずです。以上で今回は終わります。

本の紹介

  • 学んでみると生態学は面白い(ペレ出版:2013年発行)
  • 生物多様性と生態学(朝倉書店:2012年発行)

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ABOUTこの記事をかいた人

30代になりたて、統合失調症&適応障害持ちの、元教職員です。生物学が好きで、TANOSHIKAの仕事でなぜなに生物学を企画したり別に生物サイトを立ち上げたりしています。生物学習サイト「高校生物の学び舎」をはじめました。(↓のwebsiteをクリックで閲覧できます)