自殺をめぐる、ある仮説 

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 年間2万を超える自殺者がでる日本ですが、社会学の分野では、この自殺をめぐる、ある仮説があります。それは、殺人事件が多い国では自殺が少なく、逆に殺人事件が少ない国では自殺が多い国が存在する、という仮説です。

 下の表は、2010年の殺人発生率(国連薬物犯罪事務所)と自殺率(世界保健機構)の国際統計を集計したものです。どちらも人口10万人あたりの数値です。

                 主要国の殺人率と自殺率(人口10万人あたり)

   殺人率(a) 自殺率(b)   内向率(b/a+b)

日本   0.4           23.4      98.3

ドイツ  0.8             12.3        93.9

韓国   0.9       31.7                97.2

イギリス 1.2      6.7             84.8

フランス 1.3      16.5         92.7

アメリカ 4.7      12.3         72.4

ブラジル 23.              4.8                 17.8

 統計を見てみましょう。殺人率はブラジルが23.3と高く、日本は0.4と最も低い数値でした。自殺率は反対にブラジルが最も低く、最も高かったのは韓国で、次に日本が続きました。総じて、南米は殺人発生率が高い「殺人型」、日韓は自殺発生率が高い「自殺型」で、ほかの欧米諸国は中間に位置しています。

 内向率という数値は、殺人と自殺をプラスした値に占める自殺の割合(%)で、各国民かどれだけ内向的かを示しています。これをみると、日本が98.3と最も高く、その次が韓国で97.2%、アメリカは72.4%で、ブラジルに至っては17.8%でした。

 このことは、危機的な状況に陥った時、外側に攻撃が向かっていくか(殺人)、内側に向かっていくか(自殺)ということを指し示しています。日本の社会は治安がよく安全な社会ですが、危機がすべて「自殺」として処理されていることを表しているのです。

  参考

舞田敏彦(2015)「殺人より自殺に走る『内向型』日本人は政府にとって都合が良い」  

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2018.10.25

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