認知症とはどういう病気? なりやすい人はいる?

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認知症とはどういう病気? 

1.はじめに

 日本は世界に例を見ない高齢社会に突入しました。寿命が延びたのは喜ばしいことですが、高齢になればなるほど、心身にさまざまなトラブルが起こります。

 そのなかでも大きな問題となってくるのは、認知症です。認知症の患者数は、年齢とともに急カーブで上昇します。厚生労働省の調査によりますと、85歳以上では約4人に1人が認知症であると報告されています。

 今回は、この認知症についてまとめてみました。

2.認知症とは

 認知症とは、アルツハイマー病レビー小体病脳血管疾患などといったさまざまな原因で、脳の神経細胞が損傷されることのによって起こります。その症状がいろいろであることから、「症候群」であるともいわれています。

 認知症の症状を分類すると、「中核症状」と「周辺症状」とに分類することができます。中核症状とは、脳の神経細胞の損傷自体によって起こる症状で、認知症のすべての人に共通して起こります。一方、周辺症状は、中核症状にともなって生じる行動障害や精神症状であり、もともとの性格、体験、環境などが関連して起こり、どんな症状があらわれるかは、個人差があります。

 以下に認知症でよく見られる症状をまとめてみました。

中核症状

記憶障害(もの忘れ)、見当識障害(時間、場所、人物などを忘れる)、判断力の障害、認知機能(ものごとを認識する、考える、記憶する、学習する、言葉を操る、計算する)の障害

周辺症状

徘徊、不潔行動・失禁・弄便、暴言・暴力、幻覚、妄想、抑うつ、不安・焦燥・依存、人格変化、性的逸脱行動、睡眠障害、多弁・多動、譫妄、食行動の異常、介護への抵抗

3.認知症の種類

 認知症の原因となる病気は約70種類あるといわれていますが、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症を3大認知症といいます。

 以下にそれぞれの特徴をまとめてみました。

アルツハイマー型認知症レビー小体型認知症血管性認知症
性差女性に多い男性に多い男性に多い
初期の症状同じ話を何度でも繰り返す

つくり話

もの盗られ妄想

幻視、認知の変動

パーキンソン症状

睡眠時の異常行動

抑うつ

自律神経症状

頭痛、めまい、嘔吐、意識障害
経過中期には失見当識(時間や方向感感覚が失われること、相違を区別して認識できなくなるような認識力を失うこと)、徘徊、幻覚、妄想、譫妄など問題行動が多くなる

後期には会話がなりたたず、寝たきりに

血流の途絶えた範囲と持続時間により、片マヒ、単マヒ、言葉のもつて、もの忘れなどが起こる
進行の速度ゆるやかに進行ゆるやかだが、早く進行するケースも段階的に進行
脳の変化老人班

神経原線維変化

海馬の萎縮

大脳全体にレビー小体

海馬の萎縮は少ない

梗塞

 

3.認知症になりやすい人

 さて、認知症になりやすい人というのは存在するのでしょうか。たとえば、ノエコルブという精神科医が1958年に出版した精神医学の教科書には、「老年痴呆になるような人は元来、融通の利かない、かたくなな人が多い」と書かれてあります。

 この事実を日本で初めて証明したのが、1990年に発表された柿澤明秀博士(東京都老人総合研究所副所長・当時)の研究です。調査にあたり、柿澤博士は新しい性格評価表を作成し、「明るい、開放的」「劣等感を持ちやすい」「あいそがない」など40項目のチェックリストを用いて、被験者の性格を8つに分類しました。

 柿澤博士らは、認知症患者165名とほぼ同年齢の健康な老人376名を対象に、40~50歳ころの性格はどうだったかを近親者に質問しました。

 その結果、無口、気性が激しい、劣等感を持ちやすい、がんこといった性格が、認知症患者に多かったことがわかりました

4.「予備能」が多いとボケにくい

 脳に何か異変が生じても、それに対抗して認知機能を保持する能力があります。これが「予備能」といいます。人間は日常、潜在的に持っている能力の10%程度しか使っていません。たとえば肺の場合、平常時の呼吸では、健康診断などで測定した肺活量の10%程度しか使っていないといいます。残りの90%が肺の予備能です。同じことが、脳にもいえます。

 脳の予備能が多い人の特徴はわかっています。第1に幼少期の成育環境(遊びや学習の機会が多いこと)。第2に学歴が高いこと。第3に頭をよく使う職業に従事していること。第4に中年期から高齢期にかけて社会的ネットワークが豊富で、活動的な生活をしていることの4点です。

 脳の予備能は、生涯を通じて神経入力量、つまり脳への刺激の合計で決まります。脳に刺激が入ると、神経細胞(ニューロン)の密度が高まり、シナプス(ニューロン同士の網)が形成されます。これが脳の予備能をつくるのです。

 このため、内向的で非社交的な性格の人は、刺激が少ないために認知症になるリスクが高いといわれています。

5.認知症の予防

 1人でいることが好きなら、1人でできることをやりましょう。1日30分の速歩きを週3回、1年間継続することで、脳の海馬の容積が2%も増えたという結果もあります。海馬の容積は60歳を過ぎると毎年1%ずつ減るといわれていますから、こうした有酸素運動はとても有効です。脳血流が増えるので、血管性認知症のリスクも減ります。

 また、クロスワードパズルなどを頻繁に行っていた高齢者は認知症の発生率が低かったという研究もあります。

 一方で、「ぼーっとテレビをみる」というのは認知症のリスクを高めるといいます。テレビをみるなら、能動的に楽しめる番組がいいです。クイズ落語のような集中力の必要な番組がいいです。もちろん、本や雑誌を読むこともいいと思います。

6.最後に

 私は今まで、手を使う、頭を使って計算していれば認知症にはならないのと思っていました。しかし、ただいつもと同じように手を使う、計算をするだけでは認知症予防には効果が低いということがわかりました。

 私の亡くなった母は、いつも同じことをしていて、気づかないうちにイライラやストレスを抱えていたのではないかと思っています。

 私はそんな母のような思いをしないように常日頃から、通勤途中の車窓から季節の花を楽しむ、川の流れを見ながら職場に来る、休日はゆっくり本を読む、気分転換にでかけるなどして心のリフレッシュをして、新しいことにもチャレンジできるようなことを見つけようと思っています。

  参考

杉山孝博(2011)『最新医学がとことんわかる 認知症・アルツハイマー病 早期発見と介護のポイント』PHP研究所.

辻一郎(2016)『病気が逃げていく「性格・体形・習慣」「無口でがんこ」な人が認知症になりやすいのは本当か』(参照2018-9-19)

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私は関節リウマチになっていろいろな制限があります。その他にも困難なこともありますが、今その時々を楽しむように頑張っています。読書に風景・動植物にいやされています。