世界一幸せな国・フィジーの秘密 貧しくても幸せ!  

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1.世界幸福度調査

 以前、世界幸福度ランキングというものをお伝えしましたが、「幸せ」の指標を表すための調査として、「世界幸福度調査」というものもあるのです。世界幸福度ランキングが、一人当たりの実質国内総生産(GDP)や健康寿命など、客観的な指標も基準としているのに対して、世界幸福度調査は、シンプルに「あなたは幸せですか?」と質問する‟主観的”な問いかけを行います。

 アメリカの世論調査会社ギャラップ・インターナショナルなどが、世界55か国の男女約5万3000人に対して、対面、電話、インターネットで調査を行いました。

2.気になる順位は?

 では昨年末に発表されたランキングを見ていきましょう。

1位 フィジー(92)

2位 コロンビア(87)

3位 フィリピン(84)

4位 メキシコ(82)

5位 ベトナム(77)

6位 カザフスタン、パプアニューギニア(74)

8位 インドネシア(68)

9位 インド、アルゼンチン、オランダ(64)

 カッコ内の数字は「純粋幸福度」で、

 

    「幸福を感じている人の比率」-「不幸を感じている人の比率」

 

で示されています。純粋幸福度の平均値は48ポイントでした。前回の調査での平均値は、59ポイントだったので、世界の幸福度は20%も下がってしまいました。

3.幸福度先進国フィジー

 今回の調査で唯一、90ポイント以上を獲得したフィジーは、前回の調査でも1位、その前が2位、そしてその前は1位と、ここ直近の4年間で3回も1位を獲得している、「幸福度先進国」と言ってもよいでしょう。

 しかも、フィジーの幸福度は世界の平均が20%近くも下がっている中で、前回の89ポイントから92ポイントと、幸福度も高めています。

 しかし、なぜフィジーの人々はこんなに幸せなのでしょうか。たとえば、さまざまな指標でフィジーはこんな順位となっています。

〇平均寿命119位(194か国中) 日本は1位  WHO(世界保健機関)調査

〇一人あたりのGDP100位(184か国中) 日本は26位 IMF(国際通貨基金)調査

〇失業率(低い順)111位(178か国中) 日本は26位 ILO(国際労働機関)調査

〇乳児死亡率(1歳未満の千人あたりの死亡率。低い順)109位(194か国中) 日本は1位

 WHO調査

〇民主主義指数91位(167か国中) 日本は20位 EIU(エコノミスト・インテリジェンス ユニット)調査

 このような数字を見てみると、フィジーの社会は決して「豊か」であるとは言えません。ですがフィジーの国民は幸せなのです。その理由は、いくら寿命が長くても、字が読めても、学校に行けても、お金を稼げても、「あなたは幸せですか」と質問されたら、あなたは「YES」と素直に答えられますか、というちょっと哲学的なテーマでもあるのです。

 ではなぜ、フィジーの人々はこんなに幸せなのでしょうか。それは、社会の環境うんぬんではなく、「自分が幸せだ」と率直に言えるかどうか、らしいのです。

4.フィジーの人が持つ四つの幸せの習慣 

 フィジーに移住している永崎祐麻さんは、フィジーの人が持つ四つの幸せの習慣を以下のように指摘しています。

①モノもお金も何でも「共有」する習慣

 フィジー人には「私有」という感覚があまりなく、何でも「共有」するらしいのです。Tシャツを無断で着られたり、車を誰かが買えば近所の人たちで共有したり・・・。さらには自分が借金してでも物乞いに寄付を行う資金に充てたりするらしいです。

②自分にも他人にも「テキトー」な習慣

 レストランでオーダーしたメニューがそのとおりに出てこなかったり、会計の金額が間違っていたり。また、「海外では命の次に大切」と言われるパスポートですら、名前や誕生日が間違っていたりもするらしいです。

③どんな時にも「現在フォーカス」する習慣

 フィジー人は過去を反省しないのです。未来の心配もしません。ただ、今この瞬間を大事にするらしいです。いつも「今ここ」を生きています。

④光の速さで「つながり」をつくる習慣

 フィジーでは、知らない人から呼び止められ、5分くらい雑談すると「今からうちでランチはどう?」と招待されるらしいです。また、温暖化の影響で水没の危機にある隣国のキリバスに対し、大統領は「全員、フィジーに移住していい。我々は困っている隣人に背を向けることはない」と宣言します。ご近所さんのレベルから、地球規模の大きさまで、まるで「自分の家族」のような感覚でいるらしいです。

 このように、フィジーの人々の「常に前向きに」「ポジティブに」という心持ちが、幸せをつくると永崎さんは指摘します。

5.日本の若者にも幸せの習慣が芽生えている?

 さらに永崎さんは、現代に生きる日本の若者にも、フィジー人のような四つの幸せの習慣が芽生えはじめたと指摘しています。それでは順に見ていきましょう。

①「共有」について

 近年、「シェアリング・エコノミー」という言葉が生まれてきました。日本語に訳すと、「共有型経済」です。日本では、カーシェアリングで車をシェアしたり、シェアハウスに住む若者もいます。

②「テキトー」について

 かつて日本では、仕事の優先順位が高かったがために労働時間が長かったり、過労死という言葉も生まれました。しかし近頃は「ゆとり世代」なる言葉も生まれ、上司の飲み会の誘いを平気で断る若者がいたり、「週休4日」のゆるい、あるいは良い意味で「テキトー」な働き方も誕生してきました。

③「現在フォーカス」について

 日本では東日本大震災の後から「いつ死ぬか分からない」という考えが生まれてきたと、永崎さんは指摘します。いつ死んでも良いように「今を生きる」という発想が広がり、変化に柔軟な若者たちはそれを実践するようになりました。

 そこから「ミニマリズム(最小限主義)」という言葉が生まれ、「モノを買って増やす」ことよりも、「モノを減らす」ことによって、精神的にゆとりを感じるシンプルな生活を目指す生き方をする若者も増えてきました。

④「つながり」について

 生まれた時からインターネットのある世代の若者たちは、従来の企業と個人、上司と部下といった「縦」の関係だけでなく、SNSを駆使して「横」のつながりをどんどん拡大しています。インターネットによって、趣味や価値観の近い人を簡単に探し出し、親交を深めることが可能になりました。

6.人は弱い、だからつながる

 ある研究によれば、幸福度の高い人上位10%の人々たちの共通点はたった一つだけあり、それは「社会との結びつきが強いこと」らしいのです。「人は弱い、だからつながる」のです。

 また社会活動家の湯浅誠さんは、

   「貧困とは、お金だけでなく、頼れる人間関係もなく、精神的にも疲弊し、

   自信を失い、自分の尊厳を守れなくなっていしまう状態」

とも語っています。

 フィジーの人々は決して経済的には満たされませんが、人間関係は豊かなのです。だから「幸せ」なのです。また『北の国から』で有名な脚本家の倉本聰さんは、

       「貧幸」

という言葉も生み出しています。貧しくても幸せな生き方もあるのです。それがフィジーの人々の暮らし方でもあるのです。 

  参考

永崎祐麻(2015)『世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論』いろは出版.

永崎祐麻(2018)『最新版「世界幸福度調査2018」発表!直近4年で3度目の王座獲得。圧巻の幸福先進国は?

 

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