まるで映画の世界!?ーIT技術による医療・福祉の未来ー

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1.はじめに

 まず初めに、2本の映画をご紹介しましょう。

 1本目はミクロの決死圏。敵の襲撃を受け脳内出血を起こし意識不明の状態となった科学者を救うため、医療チームを小さくミクロ化し、体内に侵入させて体内から治療を行うというストーリーです。

 2本目は『素敵な相棒~フランクじいさんとロボットヘルパー~。かつて、いくつもの泥棒を働いてきた老人と、超高性能な介護のために開発されたロボットとの、人間と機械の垣根を越えた交流を描くコメディードラマです。

 この2本の映画の設定が、今、現実化しようとしています。キーワードは、「体内病院」と「介護ロボット」。今回は、この二つのキーワードをもとに、IT技術による医療・福祉の未来について考えてみたいと思います。

2.『ミクロの決死圏』・・・体内病院

 体内病院(in-Body Hospital)とは、50ナノメートル(1mmの5万分の1)という大きさのナノマシンを体内に投与して、治療を行うことです。マシンといっても機械ではなく、内部に薬剤を包み込んだ高分子の粒子でできています。

 この粒子が、体に何か異常が発生すれば、包み込んでいる薬剤を放出し治療を行います。ナノマシンが実現化すれば、これまで病院でやっていた検査や診断、治療を、病院に行かなくても自宅でも勝手にやってくれるのです。これが、体内病院のプロジェクトです。

 研究の開発を主導するのは、川崎市産業振興財団・ナノ医療イノベーションセンター。プロジェクトには、ほかにも26の大学や企業、研究機関が集結し、日本発の医療イノベーションを目指しているそうです。 

 この体内病院プロジェクトは、様々な医療の常識を覆されることが期待されていますが、とくに先行しているのは、がん治療の分野です。ナノマシンは、まず開けられた血管の穴からがん細胞に入り込みます。そして、がんの核近くに到達すると、内包していた抗がん剤を一気に放つということができます。しかも、ナノマシンは健康な血管の穴は通ることができないので、副作用も起こさないといわれています。

 プロジェクトでは、軟骨肉腫というがんの一種におかされた犬での臨床実験で、足に体重をかけることすらできなかった犬が、わずか1週間で歩けるようになるなどの成果を出しています。実用化は、早ければ3年後を目指しています。

 体調を崩したら、病院に行く。そんな当たり前の光景が、過去のものとなるかもしれないという可能性が、この体内病院プロジェクトに秘められているのです。

3.『素敵な相棒~フランクじいさんとロボットヘルパー』・・・介護ロボット

 介護ロボットは、「福祉ロボット」や「ロボット介護機器」、「次世代福祉機器」などと呼ばれることがあります。あるアンケートによると、現在、3割の介護施設がなんらかの介護ロボットを導入しているそうです。

 介護ロボットは、介護する人の負担を軽減するためだけではなく、介護される要介護者の負担も削減する機能もはたしています。現在、介護ロボットは、介護支援型、自立支援型、コミュニケーション・セキュリティー型の3種類に分かれます。

 介護支援ロボットは、要介護者の移乗・入浴・排泄など、介護職員の業務の支援をするロボットです。現在、要介護者の移動や移乗は多くの場合、介護者の人の手によって行われおり、それによる介護職員の腰痛などが問題となっています。介護支援型ロボットは、それらの負担の軽減をすることが期待されています。

 自立支援型ロボットは、要介護者の歩行・リハビリ・食事・読書などの行動をサポートし、介護される側の自立を支援するロボットのことです。要介護者が腕や足などに装着して運動機能を補助するものや、体の一部を動かすだけで自分の食事ができたりするようなものもあります。

 コミュニケーション・セキュリティー型ロボットは、要介護者とコミュニケーションを取ることで、心のケアや見守りに活用するロボットのことです。言葉によるコミュニケーションだけでなく、音楽や体操などのレクリエーションにロボットを活かすことによって、要介護者の心のケアをするものもあります。また、介護施設や在宅介護において、ロボット技術を用いた見守り支援を行うロボットもあります。センサーなどで情報が介護職員に知らされることで、見守りが可能となります。

 現在、国を挙げてこの介護ロボットの開発と普及の取り組みが行われていますが、政府は、重点的に、「移乗解除」「移動支援」「排泄支援」「認知症の要介護者の見守り」「入浴支援」などに介護ロボットが活用できないか、研究がなされています。

4.まとめ

 今回は、2本の映画の題材を用いながら、医療・福祉とIT技術の未来について書かせていただきました。IT技術の活用は、健康寿命をもっと伸ばしたり、医療や福祉サービスの質の向上と効率化、医療技術のさらなる発展に力を発揮しそうです。

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2018.10.25

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