これからの企業経営のお手本? ダイバーシティって知ってます?

この記事は約 6 分で読むことができます。

1.はじめに

 「ダイバーシティ」という言葉をご存知でしょうか? ダイバーシティとは、直訳すると「多様性」と訳され、「幅広く性質のことなるものが存在すること」を意味します。

 たとえば、小池百合子東京都知事は、男性も女性も、また子どもも高齢者も障害のある人も、そしてLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)の人々も、誰もが自分の力を発揮し、より充実した生活を送ることのできる東京をつくるための「東京大改革」を実現するための政策として、このダイバーシティの取り組みを取り入れようとしています。

 また、このダイバーシティの取り組みは、様々な企業の経営戦略に「多様な人材を活かす戦略」として取り入れられ始めています。

 今回は、これからの企業経営のお手本になるであろう、このダイバーシティについてまとめてみました。

2.ダイバーシティの基本概念

 ダイバーシティの基本概念は、個人個人の違いを尊重し、受け入れ、その「違い」に付加価値を見出そうとすることです。

 また、ダイバーシティの取り組みを企業に取り入れようとする際には、性別、年齢、国籍などにとらわれず、個人個人の成果、能力、会社への貢献をできるかぎり評価し、個人の「違い」にかかわらず、全社員が会社組織に平等に参画し、能力を最大限に発揮できるようにしなければなりません。

 それにより、「会社組織のパフォーマンスを向上させること」がダイバーシティの目的となります。

 ダイバーシティを成功させている企業は、多様な人材の採用や社員の定着だけではなく、人材の「活用」により着目しています。そのことによって、企業内の人材を誰ひとりとして無駄にしないことへとつなげています。

3.ダイバーシティの歴史

 ダイバーシティの歴史は、アメリカから始まりました。1964年の公民権法の成立により人種差別撤廃やマイノリティの人々への機会平等政策が徹底され始め、雇用の面でも機会の均等が重視され始めます。

 しかし、企業は必ずしも積極的に取り組んだのではなく、訴訟に対する防御という側面もありました。人種差別で多額の損害賠償を防ぐために、従来のマイノリティの人々を企業に受け入れていたというのが実態でした。

 80年代になると、それが変化します。徐々に企業の中に、人種や性別、価値観などの個人の「違い」に価値を置くという考え方が生まれてきます。これが、ダイバーシティの始まりです。

 その後、ダイバーシティが企業の経営戦略にも影響するようになりました。その発端は、1987年にアメリカ労働省から発表された「ワークフォース2000」という、21世紀のアメリカの労働人口構成予測に関するリポートです。このリポートは、アメリカの今後の労働力の変化を予測しました。そこに記載された次の2点が、ダイバーシティの企業の取り組みを加速させる要因となりました。

1.今後、急速に労働力が高齢化し、女性の労働力も増えていく

2.白人男性が労働市場に新規参入する割合が、47%から15%に急激に減少する。その結果、アメリカでは21世紀半ばには白人男性がマイノリティとなる 

 このような労働人口の変化予測を踏まえ、企業は女性、有色人種、障害者、高齢者などの人材を積極的に活用していく必要が生じてきました。ここから、企業によるダイバーシティの研究や導入が本格的に始まったのです。

 21世紀入ると、ITの急速な発展や新興国の経済成長などにより、世界経済のグローバル化が加速しました。こうしたグローバル化が成功するためには、異なる文化的な背景や宗教などを持つ組織同士が協力しあうことが必要です。多様な価値観を持つ人々や組織の力をまとめ上げ、そして組織の成長力を高めるためには、組織の構成員の持つ多様性を、競争力の向上のために活用しなければなりません。

4.企業におけるダイバーシティのメリット

 海外企業がダイバーシティの推進に積極的なのは、ビジネスでの競争優位性を確かなものとしてくれるからです。実際にダイバーシティを効果的に進めてきた企業では、多様な社員の違いを戦略的に活かすことで、企業の競争力強化につなげた事例が数多くあります。

 ダイバーシティが企業へもたらすメリットとして次のようなものがあげられます。

1.優秀な人材の確保と活用 

2.市場での有利性の向上

3.創造性・革新性の向上

5.ダイバーシティ推進のための課題

 しかし、多種多様な人材をただ採用するだけでは、企業経営のメリットにつながりません。実際、「異質なチームであるだけでは、高い生産性や仕事の質を向上させない」という研究結果もあります。重要なのは、適切に個人個人の違いを受け入れ、効果的に「マネージメント」する、「ダイバーシティ・マネージメント」の姿勢が求められるのです。

 そのためにも、ダイバーシティの制度を充実させ、多様な人材を「採用・定着」させるだけでなく、社員の態度と行動をダイバーシティの尊重に反映させることにより、様々な違いを受け入れる企業風土を築くことが必要です。そのためには、社員のダイバーシティへの正しい理解と適切な行動を促進する教育や意識改革が、重要になってくるのです。 

6.ダイバーシティ推進のポイント

 ダイバーシティの企業への浸透を戦略的に推進し、組織として競争力を高めるためには、以下のポイントが重要になってきます。 

1.自社におけるダイバーシティを適切に定義する

2.ダイバーシティを推進する理由を明確にする

3.ダイバーシティを企業のメリットにつなげるための具体策を示す

 ダイバーシティ推進のためには、以上のようなことを会社全体で共有することが必要です。そして社員の多様性を活かす環境を整えながら、社員一人ひとりがダイバーシティへの理解を深め、その実践に向けての意識と行動変革を促していく必要があるのです。

社会問題の興味深い記事10選 by ライターshin

2018.10.25

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です